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2005年 10月23日
<びわ湖ホール プロデュースオペラ
ヴェルディ作曲 歌劇「スティッフェリオ>
〜日本初演〜
ホールオープン以来、毎年上演されるヴェルディのオペラも、今回8回目。私は欠かさず出かけています。
オペラの魅力は何といっても、目の前のステージでドラマが音楽を生み出し、視覚と聴覚で直接的に観客に訴えるいわゆる総合芸術、舞台芸術であること。そこには音楽はもちろん、衣装や舞台装置、演出等が結集し、最高のものを創造する場であること・・・。
序曲で始まるオーケストラに、これから始まる舞台の高揚を感じ、幕が開くとそこはもう19世紀、伯爵の居城の1室・・・。
今回タイトルロールの<スティッフェリオ>はテノールで、プロテスタントの牧師の役。
心理劇であることで、優れた重唱が多く、ソプラノ1人にテノール2人の三角関係に義理の父親のバリトンがからんで、激しさと静けさの両面をもつ音楽がドラマティックに展開します。
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特に主役のテノール「中鉢 聡」さんの声と姿は、
本当に役にピッタリ・・・。
透明感あり、感情の動きを見事に表現する素晴らしいテノールで、感動的でした!!
また父親役のバリトン「折江忠道」さんも落ち着いた役どころの演技と魅力ある声に引き込まれます。
3幕の教会シーンでは演出の素晴らしさとともに、
静かにオルガンが響き、信者一同の許しを乞う合唱は、まさに天上からの歌声のようでした。
やはりこのような場面で、聴くオルガンは本当に神聖で、他の楽器では表現できない意味を感じます。
上演されたヴェルディ作品!
1999 第1回 ドン・カルロ(5幕版 日本初演)
第2回 群盗
2000 第3回 ジャンヌ・ダルク
2001 第4回 アッティラ
2002 第5回 エルナーニ (全4幕)
2003 第6回 シチリアの夕べの祈り(日本初演)
2004 第7回 十字軍のロンバルディア人
2005 第8回 スティッフェリオ(全3幕)
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2006 第9回 「海賊」(予定)
宗教的な部分や不倫を題材に<人間探求>の奥深さを追求したベルディの「三部作」へ扉を開く重要な作品であること実感しました。
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