No26

  びわ湖ホール声楽アンサンブル定期公演        〜アンサンブルの午後〜
「クリスマス・ディナーをごいっしょに」公演感想
   
新年に、昨年末のコンサート&オペラを思い起こしています。
といってもヨーロッパ等はクリスマス〜ニューイヤー
は同じ感覚で、丁度そのシーズンはクリスマスの飾りつけが、年が変わってもそのまま飾られていますね。

イブの日に催された公演プログラムは、
1部 ハイドン/モーツァルトの重唱曲。
2部 ヒンデミット作曲 
 オペラ「ロング・クリスマスディナー」

   (指揮、演出 若杉 弘)
とくに、あまり馴染みのないこのメーン・プログラム
のオペラに興味がありました。

ヒンデミット(1895〜1963)のオペラ最後の作品という。(1960年)

1幕もの、演奏時間50分足らずの小さいオペラ。


舞台はアメリカ西部、ベイヤード家のダイニング・ルーム。ここから一時も動かず、90回のクリスマス・ディナーが瞬時に経過する。

”生”と”死”を暗示する、白/黒のアーチ 以外
何も無い舞台。
すべては ”あるつもり/あったつもり”のマイム
(動作)で進んでいく。
一つの家にとってメモリアルな出来事が、時が移るに従って変化する様・・・社会において変わらないものと、大きく変化するものが映し出されている。

ディナーに登場する人物が、老いていき、黒いアーチに消えていく。
会話も今の世情と変わらない、若者の自由気ままさや、都会への憧れ等、老いた者が憂う感情も、時代を感じさせない作品。
ユニークな演出とモノトーンによる、簡潔な進行で
中身の重たさを感じさせないものだった。

新たな年を迎え、変わらない人間の生活。そして変わっていく時代の価値観・・・。そんなことを考えました。               2007 1/5
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