No10
琵琶演奏会 楓葉 萩花 秋策策たり
 ~中国琵琶とソプラノ・ピアノの饗宴


白楽天「琵琶行」より <ふうよう てきか あき
さくさく たり>~楓葉 萩花 秋策策たり
のタイトルに魅せられ、初めて生で聴く中国琵琶の
演奏は晩秋のこの季節ならではの味わい深いものでした。

琵琶は古来ペルシャあたりでつくられ、東方へは中国シルクロードを通って日本にも伝来し、琵琶や三味線に、また西方に行ってリュートとなり、やがてギターやマンドリンに・・・。(正倉院の宝物にも素晴らしい琵琶がありました)

その夜演奏された古曲は、中国2000年前の戦場の場面を描写した「楚漢」と呼ばれる中国琵琶の最も代表的な作品から、始まりました。

2曲目に「秋夜恋語」という雲南省の恋物語が演奏され、静かで霞んだ美しい夜景の中の恋人達の様


がつまびかれ、情緒あふれる表現に魅了されました。

琵琶の奏法もバチを使わず、指先にセルロイドの爪
をつけ、様々な音色に変化します。


バチを使う日本の筑前琵琶の音色から、13弦17弦の琴も表現され、さらに津軽三味線、沖縄の三線も中国琵琶でチャレンジされ、トレモロ奏でギターの名曲、アンコールではバイオリン曲と、幅広いジャンルの音楽に、ますます琵琶の魅力を感じました。

プログラム最後の曲は演奏家 涂 善祥作曲
で舟引き歌や李白の詩の朗詠など取り入れたドラマチックな構成で、そのスケールの大きさは、中国最長の河、長江、その大渓谷の断崖の上の城を
表すのにふさわしい素晴らしいものでした。

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