ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています  高齢者と認知症

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              四葉クローバー   高齢者と認知症
                  
    高齢社会に於ける認知症の問題が社会的に騒がれています。
   高齢化問題は今に始まったことでなく、戦争が終わり、
   その時代の子供(団塊世代)が生まれたときより予想されたことです。

    政治は、その場その場で物事を考えているような気がしてなりません。
   とは言っても認知症問題はこのまま何もせずに過ごす訳にゆきません。
   私なりの認知症問題について述べてみます。
    以前掲載の文章と重複する箇所が多々あると思います。
      

マーク 1) 認知症について

    間もなく82歳となります。時々記憶が鈍り、これが認知症と言うことかと
  思える場面があります。認知症って本当に難しいものです。
  相手の対応により認知症的になったり、普通になったりと色々な場面が出てきます。

   認知症は、対応の仕方であっちに行ったり、こっちに戻ったりするのでは
  ないでしょうか。
  そのことを考えると本人と言うよりか、周りの人々の対応により左右される要因が
  大きいような気がします。

   認知症と一口にいっても簡単ではなく、病気は多種多様です。
  最近、意味性認知症と言って国の難病に指定されました。
  認知症が疑われる場合には、先ず専門医に診断をお願いし、認知症の種類に即した
  治療を行うべきです。認知症と言えば、アルツハイマー病と血管性と思われ勝です。

   認知症のいろいろ ⇒ アルツハイマー型・レビー小体型・脳血管性・前頭側頭型・
  若年性認知症・アルコール性・正常圧水頭症・まだら認知症・意味性認知症等など。
  

マーク 2) ストレスと認知症

   高齢者の集まりで「長生きすると悪いような」いう言葉を聴くことがあります。
  現在の社会が、無言で高齢者に圧力をかけていませんか。
  それが「長生きすると・・・」の言葉です。

   認知症予防には多種多様な事柄があると思いますが、普段の生活で必要以外に
  ストレスをかけている場面と出会うことがあります。
  ストレスから不安感と孤独感が発生し必要以上に何かに追い込む現状。

   運動も良いことですが、80歳以上にもなって、必要以上に運動を進めてそれが
  ストレスとなっている場合もあります。
   本人が、主役で本人の意思による行動こそが大切です。
  生まれたての赤ちゃんは、介護度で言えば要介護5です。自然に運動し、これから
  成長します。
  介護度5の高齢者は、平和で豊かな日本を創り上げてきた人たちです。
  これからの赤ちゃんとその役割を終えた高齢者との違いです。

   赤ちゃんは、自然に身体の赴くままに身体を動かし、自然と運動をしています。
  80歳や90歳となり、人に言われて必要以上にリハビリが楽しいでしょうか。
  日常生活に於いては楽しさが最も大切です。
  楽しければリハビリも良いことでしょう。自分の年齢から考えても気の進まない
  運動はしたくありません。

   日々の不安感より来るストレスこそが認知症の大きな原因となっていると
  思います。安心した日常と楽しさを考える事によるストレスは大切ですが・・・。
    
マーク 3) 「安心」こそ認知症予防

    認知症であれ、そうでない人も日々生活していると言う実感が持てること
  こそが、安心感につながり、認知症予防となるのではないでしょうか。

   高齢者の言葉を待ちましょう。老人施設などで見ていますと、職員が常に言葉を
  発し、高齢者の言葉を聴いていないと思われる場面に出会います。
  待つことで双方の言葉が活性化し、双方の気持ちが出せるのではないでしょうか。

   一人ではない、誰かと一緒と思える環境こそが認知症予防と考えます。
  介護者も自分の悩みを話せる人がいますか、悩みこそが仕事上の成長となりますが、
  その悩みを一人内に秘め「うつうつ」する気分で仕事をしますと・・・
  何時かは爆発します。

   高齢者も支援者も口に出して、おしゃべりをして、こころの「うつうつ」を
  溜めないようにすることが、最も大切なことだと考えています。
  チームを組むことが大切です。これは、高齢者も支援者も双方にとって大切なこと
  ではないでしょうか。
  
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4) 主役は誰?

    老人施設でも、家庭生活でも、認知症でも、特殊な場所や人ではありません。
  人それぞれに普通の生活を望んでいます。
  特に老人施設では特別な場所のように考えている方もいるようです。
  もっともっと地域の人たち、家族、友人等々がいつでも訪問できる、訪問する
  解放された老人施設であって欲しいものです。

   その人々の間で、「ありがとう」の言葉で満ちる空間であって欲しいと思います。
  高齢者であれ、認知症を患っている方であれ、
  その人達が主役となる会話であれば・・・。
  ゆっくりとした会話や方向の違う話題であっても、ゆっくりと合わせて聴くことが、
  素晴しい雰囲気となることでしょう。
  主役は高齢者や認知症を病む人たちとの思いで会話を進めて欲しいものです。

   現在の平和で豊かな国創りに頑張ってきた高齢者です。
  これからの短い人生を楽しく安心な日々であることを願ってやみません。

   主役は、長い人生を国つくりに頑張ってきた高齢者と考えて下さい。
  
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5)小さな幸せ

   私は、後期高齢者となって多くのことは望みません。日常に笑顔と「ありがとう」
  の言葉があればそれで充分と思っています。
   大きな手術をし、元気になり、これほど素晴らしいことはないと思える日々を
  送っています。
   日々楽しく、安心な時間が持てたらそれ以上の望みはありません。
  静かな日々を願うだけです。
   高齢者は、皆さん同じように大きなことでなく日常の小さな安心と一人ではない
  という環境があれば幸せと考えています。

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6)家族と認知症

   老人施設を訪問しますと淋しそうな高齢者は家族との面会の少ない方のような
  気がします。家族が定期的に訪問している生活者は元気で楽しそうです。

   時間が許す範囲で、大切な両親を訪ねて楽しい会話をお願いしたいものです。
  貴方のお父さんやお母さんから「ありがとう」の言葉を聴いてあげて下さい。
  それらは、きっとあなたが年老いた場合にあなたの子供から同じ言葉が返って
  くるものと思います。

   子供のお世話にならないとの言葉をよく聴きますが、子供にお世話になりたいと
  言葉に出してみては如何でしょうか。
  子供のお世話にならない方は誰のお世話になりたいのでしょうか。
  公的な社会資源は大いに利用すべきですが・・・。
  最後は、やはり家族、親族の力が必要になると思います。

   年老いて身体が不自由になったり、記憶力が衰えてからでは、遅すぎます。
  元気な今、将来を考えて準備しておきましょう。

   

                        シニア ライフ アドバイザー
                               岡島 貞雄


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