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六甲アイランド遊歩道の新緑ー2017年


              四葉クローバー 時を刻む

   人類が、この世に生を受けて、個人的には一人一人がこの世に生を受けて
  時は刻み続けます。
  時の刻みは、精神状態で遅くもなり、早くもなり、状況により止まっている
  ように感じますが、規則正しく刻み続けています。
   がんを告知されてからの時の刻みについて、時間の使い方を考えました。
  治療については、妻・主治医の意見をよく聴き、それらを理解し、納得して
  最後の決定は自分自身の意思決定による治療に専念したいと決めました。
   日常生活に於いては、楽しく喧嘩をしない(健康な時には喧嘩も良しとした)
  残された日々を計画的に過ごし、今後の夫婦の生活に備えたいと考えています。
    

マーク  1) 人生と時間

    時間と言うものは、この世に生を受けてより動き出し、この世を去る時には
  多くの人々に引き継ぎこの世を去ることとなります。
   若くて健康な時には、時間とか日々をあまり感じずに過ごしてきました。
  しかし、健康な時期でも80歳前後より時間は非常に大切なものと
  感じるようになりました。
  残された時間を勘定できるような年になり、自分が何を求めて何がしたいのか、
  つくづくと考える日々となりました。
   残された時間内で家族に何を引き継ぐことが出来るでしょうか。
  妻もいずれは年を取ります。
  妻には、難しい問題は(相続とか日々の生活資金等々)残したくない。
  時間のある間に自分の手で仕上げたいと考えてます。
    

マーク 2) 告知と時間

    80歳を迎えたときに残りの人生を考えだしました。後何年と・・・。
  81歳になる目前にがんと告知されました。
  健康と言われていた時でも指折り数えられる年齢であるにも関わらず、
  がんと告知されての3日間位の時間の長いこと。
  笑いながら会話を交わしていましたが、心底は、悩んでいたのでしょう。
  しかし、その時間を過ぎると、時間の大切さがこころの大半を占め、
  この時間を、残る人に何を残すべきか、今までの人生(どうにもならないが)、
  はなんだったのか考えだしました。
  難しいことですが、残りの時間で何かをやり抜きたいとも考えています。
  残る人の希望を最優先して・・・。
  
マーク 3) 準備と時間

    先ず最初に相続で親族間のトラブルを無くしたいと考えました。
  その為には、自筆証書遺言の作成はすでに完成していますが、
  これを公正証書遺言書としてやり直すことを実施したいと考えています。
   住居は、私の持ち分の名義切り替えをすること。
  結婚生活20年以上の夫婦間での住居不動産の贈与の特典を利用したいものです。
  その他、日常生活に於けるトラブルの原因となる要因は取り除いておきたいもの
  です。これらは、今後考えて計画し、実行しておきたいと思っています。
   種々考えますと残された時間はそれほど長くないと思えます。
  これらを実施するためには妻や兄弟など多くの親族の方々の協力と理解が必要と
  思います。関係者が、笑顔で協力してくれる雰囲気を創り上げたいと考えます。
 
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4) 仕上げと時間

   残された時間を有効に利用し、全て準備できた後の仕上げは、日常生活と
  思います。
   1)笑顔 2)楽しく会話 3)なげやりにならない 
   4)一人ではできない思い出創り 5)最後まで目的をもつ

  これらを基本として日常生活に取り組みたいものです。大変難しいことでしょう。
  しかし、常日頃これらをこころして日常を過ごすことは何かを得ることになると
  思っています。最期の最期まで目的を持って人生の幕をおろしたいと思っています。
   命の先が見えてきた場合には我儘が出て来るでしょうか。自分で判りません。
  普段から意識して生活することで何かを得ることが出来るような気がします。
 

マーク 5) 幸せと時間

   がんを告知されての今は幸せな時間の日々を過ごしています。
  現在は、自分自身が非常に真剣に残り時間を考えています。
  それを理解し、協力してくれる伴侶が常に横についてくれています。
  考え方によるとこれほど幸せな時間はないような思いで一杯です。
  最期には、妻や親族にこころから感謝の気持ちを伝えたいと思います。

   人間とは、不思議なものです。
  がんを告知されて不幸のどん底の筈が何故気分的にも肉体的にも充実感が得られ
  るのでしょうか。
   それは、終末が見えた今でも目的意識を持つことが出来ている幸せ感では
  ないでしょうか。これから、どれだけに時を刻む余裕があるか神のみぞ知るです
  が、常に自分の意思と家族としての幸せ感を持ち続けて日々生活を送りたいもの
  です。
  

                        シニア ライフ アドバイザー
                               岡島 貞雄


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