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◆設計事務所の仕事

一般の人にとって設計事務所のしている業務は
かなり漠然としたイメージではないでしょうか。

@図面を書いている。
@建築模型を作っている。
こんな感じでしょうか。

上記の2項目ももちろん業務に入ります。
実際には他にもいろいろします。(しないといけない。)
大まかに業務内容を分けてみます

【1】 建築設計
【2】 設計監理
【3】 その他

【1】と【2】が代表的な業務ですが依頼主によって内容が若干異なります。

依頼主を大まかに分けてみます。(当事務所の場合)

A 建築主(施主)
B 工務店(住宅屋)・不動産屋

では具体的にどんな業務をしているのかを
Aタイプ(施主依頼)とBタイプ(工務店依頼)に分けて説明します。

## あくまで当事務所の場合です。##

Aタイプ
【1】 建築設計
@まず設計依頼がきたら当然ですが施主と打ち合わせ、聞き取りをします。
   ↓
@現地調査をします。実際に敷地まで足を運び、
周辺の環境や接続している道路などをチェックします。
   ↓
@役所調査をします。敷地が所在している街の役所(役場)でその敷地について、
法規的にどのような規制や制限があるかチェックします。
   ↓
@やっと図面に取り掛かります。
施主との打ち合わせに調査した内容を加味してプランを作ります。
   ↓
@図面と模型を完成させます。
   ↓
@施主との打ち合わせを何回も重ね最終のプラン、デザインが決定し
正式に契約します。(設計から設計監理までの契約)
   ↓
ここから設計者は施主の代理人になります。
   ↓
@役所(役場)、又は民間の検査機関確認申請書を提出します。

←岸和田市役所  

<確認申請書>
建築する建物に関するデータ、図面などを添付した書類。
役所や検査機関がその書類を見て計画している建物が
法規に基づいているかチェックします。
  ↓
@確認申請とほぼ同時に工務店に見積もりを依頼します。
一社の場合や複数の会社に依頼するときもあります。

基本的にどの会社と工事の契約をしようが自由です。
見積もりを見比べながら施主と設計者で相談したりします。
   ↓
@工務店を一社にしぼり、交渉・打ち合わせを繰り返し、
最終の金額を決め、施主・設計者立会いで工事の契約をします。
   ↓
@これで建築設計が終了。次は設計監理です。

【2】 設計監理
@基本的に節目節目に現場で工事のチェックします
@大事なところや、ややこしいところ(図面だけでは表現が困難なところなど)
を工事するときは毎日顔を出します。
   ↓
@ある程度工事が進むと役所(検査機関)の中間検査があります。
中間検査申請書を作って役所(検査機関)に提出します。
   ↓
@中間検査当日は検査官が現場に来るので立会います。
   ↓
@その後、完成までの間は現場のチェック、現場担当者(現場監督)との打ち合わせ、
施主との打ち合わせを繰り返します。
当然変更の箇所も出てきますので、そのつど入念な打ち合わせをします。
  ↓
@完成すると役所(検査機関)の完了検査があります。
完了検査申請書を作って役所(検査機関)に提出します。
   ↓
@完了検査当日は検査官が現場に来るので立会います。
   ↓
@完了検査に合格し、工務店が建物を施主に引き渡せば無事終了です。

Bタイプ
【1】 建築設計
@工務店や不動産屋などからの依頼の場合、たいてい
「確認をおろしてください。」と言われます。

#これはすでに工務店や不動産屋にお客さんがついていて
新築する家の間取りやデザインもほぼ決まっており、
「この通りに図面を仕上げて確認申請書を作成し、
役所(検査機関)に提出、建築の許可を取ってください。」

という意味です。

この場合、お客さんと設計者が直接打ち合わせすることは少ないです。
(たまにあります。)
工務店などの担当者がお客さんと直接打ち合わせします。
   ↓ 
@依頼を受けたらまずは現地調査に行きます。
これはAタイプと同じです。
   ↓
@役所(役場)に調査に行きます。
これもAタイプと同じです。
   ↓
@図面に取り掛かります。作成する図面は確認申請に必要なものだけです。

Aタイプの場合は家の隅々までデザインしますので
図面の枚数はBタイプの5倍以上になります。

Bタイプでは模型も作りません。

工務店などが設計事務所に支払いをするので必要最低限の業務しか要求しません。
どの程度が必要最低限かは工務店によります。 
   ↓
確認申請書を作り、役所(検査機関)に提出します。

←大阪府庁別館
   ↓
@確認がおりたら(建築の許可が出たら)設計の業務が終わり
次は着工と同時に設計監理の業務が始まります。

【2】 設計監理
#工事がある程度進むと役所(検査機関)の中間検査があります。
@着工から中間検査までは時々現場に行き、中間検査で検査官が
チェックする項目を設計者があらかじめ見て、図面の通りか確認します。
  ↓
@中間検査申請書を作り、役所(検査機関)に提出します。
   ↓
@中間検査の当日は検査官が来るので立会います。
   ↓
完了検査に向けて現場が図面の通りに進んでいるか
時々現場に行って確認します。
   ↓
@工事が終わると完了検査申請書を作り役所(検査機関)に提出します。
   ↓
@完了検査の当日は検査官が来るので立会います。
   ↓
@検査に合格したら工務店が施主に建物を引き渡して無事終了です。

設計と設計監理について大まかに説明しましたが
AタイプとBタイプではけっこう違います。
(役所がらみの部分は同じですけど。)
ポイントは誰から報酬をもらうかという点です。

Aタイプでは施主は設計者と直接契約しますので業務の内容も
自然と濃密なものになり現場の細かい部分にもデリケートになります。
その分、報酬も割高になります。一般的な目安は工事金額の7〜10%です。

Bタイプでは施主は設計者と契約しません。設計者は工務店の下請けに位置します。
一般的に工務店は下請けには安く仕事をしてほしいと考えます。
(工務店だけではなく、どの業界でも同じ。)
したがって設計事務所への仕事の依頼も自然と最小限になります。

当事務所の仕事は今のところBタイプの方が多いです。
設計者としては正直なところAタイプの仕事を多くこなしたいと思っています。
もちろんBタイプの仕事にも全力を注いでいます。

 



最近の仕事 04/04/28
最近なぜか他の設計事務所の仕事の手伝いが増えてきました。 長い不況が続いて、この業界もいい話を聞くことがめったにありませんが 中には忙しいところもあるのですね。 仕事の内容は図面作成、模型作成、役所調査、申請代行などです。 去年の秋頃から時々依頼され始め、今では設計事務所の手伝いがメインになっています。 逆に工務店や不動産屋からの依頼はめっきり減りました。 あっちこっちから同時に依頼されたりなんてうまい具合にはなかなかいかないです。 季節の変わり目が仕事の変わり目なんでしょうか。



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