我が青春Ⅲ

青春の轍
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島本中学校同窓会

日本アルプスの轍
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懐かしの山岳サイクリング

天狗山荘より自転車を分割

鹿島槍ヶ岳 2,899m

6日目に車道にでる

烏帽子小屋

水晶小屋

三俣山荘

黒部川の源流 鷲羽岳2,924.2m
遙か下方に黒部湖が見える


西鎌尾根を進む

槍の穂先のように鋭く尖った岩峰

槍の頂上には人が多く車輪のみ担ぎ上げる

蝶ケ岳2,677m
北アルプスの雄大な山並みを存分に楽しめる。

常念小屋
常念岳 2,857m山頂からハイマツと花崗岩が
重なるジグザグ道を下る。

登山者から驚異の眼差しである。

大天井小屋

燕山荘

日本アルプスに挑む

     後立山連峰縦走          


白馬大池


白馬岳 2,932m



唐松岳 2,696m



八峰キレット



五竜岳2,,814m
 白馬三山を右に左に見ながら車道終点栂池自然公園着。登山者カードを提出後おもむろに愛車を組みあげ出発。最初から展望のきかぬ樹林帯で、前日の雨の為ぬかるみ、足場が悪い。
 天狗原なる地点で一息入れ握り飯で腹ごしらえ。
岩場の急斜面を登り雪渓を横切り、白馬連峰を眼前に大きく望めば満々と水を湛える高原の湖白馬大池着。
午後2時、白馬大池山荘着。白馬岳ポピュラーコースだけあって小屋も大きく設備も申し分ない。バテていた我々は食欲よりも睡眠欲をむさぼった。
 まだ夜の明けやらぬ4時に起床したもののガスが立ち込め小雨が降りだす始末。雨は一向に止む様子もなく、意を決して7時雨具を身につけ一路白馬岳へ。 小蓮華岳・三国境と視界数メートルのガスの中を進みほぼ3時間を経過した頃、ガスの中に頂上らしきものが浮かび上がる。 感激もなく白馬岳2,932m着。そのまま白馬山荘へ直行、休憩室はずぶ濡れの岳人達がたむろしている
 明けて2日目、一向に風雨は衰えず゛二重窓を激しく打ち、行動する人も少なく連泊を予儀なくされる。実に長い一日である。せんべい蒲団にくるまって耐える。
 翌4日目、二日間雨に洗われっぱなしの愛車を担ぎいざ出発。視界も効かず強風にあおられながら黙々と縦走路を行く、白馬鑓ヶ岳で僅かに剣岳が霧の中に浮かびあがる。
天狗の小屋にてこれから待ち構える難所『不帰の嶮』に備え愛車の両輪を外し、背中のザックに縛り、フレーム体は肩に担ぐ。両輪の無い愛車はコンパクトになり、かなり動きやすい。-----
 小屋を出発後、急速に天候が回復しガスも消え青空から真夏の陽光がカッーと照りつけ360度の展望が欲しいままにすることが出来る。 剣・立山を右手に見、稜線漫歩を楽しみ天狗の頭を過ぎると今までとガラリと様子が変わり、行く手に"不帰の嶮"が大きく口を開き我々を待ち構えている。
標高差300mの天狗の大下りを過ぎいよいよ第一の難所"第一峰"思わず全身に力が入る。なんとか無事に過ぎれば最大の難所"第二峰"である。

 ほぼ垂直に近い登りをハシゴ・針金・鎖と今までに無い難所が続く。冷や汗を出しながら命を落とすことなく二峰の岩場も過ぎ、三峰の岩場も通貨。正午ギラギラ照りつける真夏の陽光の下2,696.4M唐松岳に立った。振り返れば不帰の嶮が赤茶けた地肌を見せ、その彼方は白馬岳へと連なる。行く手にはこれから挑む五竜・鹿島槍が望まれる。
八方尾根の分析点唐松山荘で缶ビール・クラッカーで腹ごしらえをした後、五竜山荘へなおも歩を進める。

 明けて5日目、スバラシー晴天、雲海の彼方、かって"SACC"がアタックした富士をはじめ南アルプス・中央ア・八ヶ岳等を赤く染めながら陽が昇る。
清々しい大自然の大気を十二分に体内に送り込み五竜の嶮しい岩場を乗り越え一歩一歩進み、2,814M五竜岳に立つ。この感激、この充実感は"愛車"と共に高山に立った時味わえるものである。
 十二分に大自然の景観を堪能した後、鹿島槍まで延々5時間を要する八峰キレットへ挑む。岩を落とさぬよう慎重を期し山を下る。
 G1.G3,G5と鎖・ハシゴ・針金と変化に富んだ岩場のピークを過ぎ、猫の額程の平坦地に建つキレット小屋着。
これよりアルプス三大難所の一つ“八峰キレット”が待ち構えている。
 軽い食糧を胃に流し込み山岳パトロール隊が見守る中、急な岩場を登りいよいよキレット、いかに両車輪を外してるとはいえ右手は自由に使えずバランスを失わないよう慎重にハシゴを下る。キレットは遙か下方へ切れ込み、神様仏様とお題目を唱え無事通過。 ノドはカラカラ、しかしなおも岩場が続くのである。信州側に残った豊富な残雪をみながら一歩一歩着実に高度を上げる。
11時10分"SACC"は後立山連峰の盟主鹿島槍ヶ岳2,890M を征服してのである。 昨年アタックした槍ヶ岳もクッキリと望める。これまでの岩場と異なり、なだらかな稜線がこれから行く手に拡がる。
 キレットで体力を使い尽くした足取りは宿泊予定地種池山荘が目前に望めても遅々として進まず、休憩の連続。考えれば山小屋の朝夕の食事以外昼食らしき物は連日食べずじまいだからバテるのは無理駆らぬこと。
爺ヶ岳2,670Mを過ぎ槍ヶ岳最後の展望を見て、扇沢のターミナルを下界に望めば無性に人里が恋しくなるもんだ。 二人共バテた足取りで小屋着、時は四時を指していた。小屋に停まる愛車を見て相変らす驚異の目が集まる。
 明けて、6日目、上空は暗雲が立ち込め雲の流れが早く針ノ木・立山連峰はガスで望めない。即、下山決定(内心は天候不良を期待していた)となればノンビリと構え朝食後不要物を処分し、こじんまりとパッキング。旧盆に入り登山者も多くなり挨拶を交わしながら愛車と共に下山。

1976(S51).08  
      白馬大池~白馬岳~杓子岳~白馬鑓岳~不帰の嶮~唐松岳~五竜岳~
    八峰キレット~鹿島槍ヶ岳~爺ヶ岳~種池山荘~信濃大町
北アの夏


野口五郎岳 2,924.3m



 険しい北アルプスの登山道、自転車を担いで四青年がいく。 神奈川県茅ヶ崎市に住む自転車メーカーに勤める“湘南アドベンチャーサイクルクラブ”の面々、「自転車が好きで好きでたまらない」 山に自転車をかつぎ上げたのは、平地では走れるところがなくなったから、国内のほとんどを走り回ったが、どこも自動車ばかりで自転車では旅を楽しめなくなった。
 さる八日、長野県大町市から入山。烏帽子岳~野口五郎岳~三俣蓮華岳~双六岳~槍ヶ岳 ~横尾山荘~蝶が岳~常念岳~燕岳と七泊八日のコースだった。
 自転車は十段変速、車輪二十七インチのサイクリング車。一台の重さ約十キロ。行く先々で他の登山者から驚異の目で見られ。「登山道で自転車に乗るつもりは全然ない。ただ、“恋人”の自転車と一緒に山歩きしたいんです」
と、四人は口をそろえる。---------
       昭和50年 8月17日 朝日新聞 より

信濃大町〜烏帽子小屋(泊)〜野口五郎岳2,924.3m〜鷲羽岳2,924.2m〜三俣蓮華岳2,841m〜
三俣山荘(泊)〜槍ヶ岳〜槍岳山荘(泊)〜槍沢〜横尾山荘(泊)〜蝶ケ岳2,677m〜常念岳2,857m
?常念小屋(泊)〜大天井岳〜2,922m〜燕山荘〜中房温泉(泊)〜大糸線・有明駅

Cyclo AlpinismeⅢ

双六小屋にて新聞記者よりインタビューを受ける