2007年11月上旬

2007-11-01「ないしょの茂みにて」
そんな訳でもう11月。
早いって、やっぱり。
去年の今頃はまだ9月だったはず。
帰りに先輩に誘われ一杯だけ。
美味しいお酒が飲みたいもんだねぇ。
帰り道、i-podから菊地成孔featuring岩澤瞳「普通の恋」がふいに。
名曲。
これぞキラーチューン。
9.11以降作られたラブソングの中で一番好きかも。
で本家HP「OFF!!音楽と笑いの日々」オープンしてから今日で丸9年。
長いよ![
9年前の日記]読み返してみると…今と全く変わってないよ。なんたる成長の無さ。向上心0で10年目に突入。うーん、やっぱり塩昆布で2膳いっちゃうな。

2007-11-02「きかん坊」
さて金曜。
何もないけど。
映画でも観にいきたいなぁと思うが、予定通りことは進まず、大人しく帰る。
で聴いてたのは人気再燃(局地的に)グランドファーザーズ「Western-Charnande」。
Compactron-3ね。
88年作かぁ。
これもよく聴いた。
カーネーションがメトロトロンの長男だとしたら、グランドファーザーズは次男だな。
飄々とひねくれてて、どこか牧歌的で、でもやっぱり狂ってる。
多彩なギターサウンド、そりゃそうだ。
青山陽一、西村哲也という二大ギタリストが同じバンドにいたなんて、めちゃめちゃ贅沢。
カーネーションと青山陽一&The BM's、そして西村哲也CLOCKWORK PORK PIE HATSが競演するライブを拾得なんかで観れたら最高だろうな。
西村さ〜ん!なんて呼びかけてみたりして。
つーかこの壮大なプロジェクト実現に向けて、関西の同志諸君、動き出そうぜ。

2007-11-03「SOY BOYの悩み」
土曜、祝日。
会社主催のイベント仕事手伝い。
朝から車飛ばして河川敷の公園へ。
イロイロ言いたいこともあるが…まぁいいや。
で本日終了。
帰ってHDDチェック。
アメトーーク「スィーツ芸人」おもろ!
芝田山親方、最高。
出川いじらせたらNo1の番組だなぁ。
で今日はどーでもいいことを書き連ねよう
しかし、なんだろ、昨今のカバーアルバム流行り。
ホンマにレコード会社って奴は、音楽嫌いなんだから。
全部が全部とは言わないが、9割クソだろ。
愛情の欠片もない、カバーなんて誰が嬉しいんだ。
儲かりゃいいのか!って思うけど、「いいんです(きっぱり)」ってことなんだろうな。
吉田豪のインタビュー集「続・人間コク宝」がこれまた最高。
東郷健振り切れてるなぁ。
濃すぎる!
なんでもかんでも「エコ」とか言うなよ。
いや、確かに大切だよ。
でもね、テレビでもラジオでも、「エコ」って言ってりゃいいもんじゃないよ。
金儲けの口実に「エコ」打ち出すなよなー。
「地球を守ろう」なんて何様だ。
地球はなんとも思ってないよ。
地球は多分、出来れば人間なんて滅んで欲しいって思ってるさ、きっと。
「地球を守ろう」とか言ってる内はダメ。
「自分を守ろう」って言うべき。
役所広司と今井美樹の出てる映画。
「原作・秋元康」って聞いた瞬間、騙されねーぞ!って気になる。
余命いくばくもない男とその妻の感動作?はぁ〜?
ホンマ、秋元康って奴は…。
いや、凄い才能ある人だとは思う。
作詞家としていい仕事してるし、まさに「エンタティメント職人」。
「Jホラー」が流行ればちゃっかり尻馬に乗るし、今回はお涙頂戴ものかい。
決して半歩先を行くことは無く、半歩後ろを行く。
そこが一番の儲けどころなんだろな。
巧いよ。すごく大衆を判ってて、こんな感じでしょなんて上手に出してくる。
職人だよ。
あーでも、なんか嫌だなー。
やっぱ好きになれねーや。
土屋アンナってロックか?
一番遠いよ
居候猫・クロは「煮干」が大好物。
でも頭だけ残しやんの。
最近は俺が頭だけ食ってる。
どういうことやねん。

2007-11-04「僕は火の車」
今日はゆっくりのつもりだったが、やたら天気がいいので朝からお出かけ。
妻のリクエストで彦根城まで「ひこにゃん」観に行くことに。
天守閣登って、ひこにゃん(しかし人気あるなぁ。妻も娘も大喜び。すっかりこなれた「かわいい動き」にちょっとイラッときたが…)観て、蕎麦食って、おみやげ物屋冷やかして、軽い渋滞に巻き込まれ帰り着いたら夜。
なんだこの疲労度は。
そんな訳で今日はもう寝よう…。

2007-11-05「揺れる箱庭」
はい、月曜。
眠い!
で今日は仕事定時で終了して大阪へ。
Piperの川下大洋さんプロデュース公演「ドナイシタイン博士のひみつ学会#4スイミンのひみつ」観にいく。
出演は川下さんの他、腹筋善之介、楠見薫、副島新五にお〜い!久馬。
映像での出演は後藤ひろひと、山内圭哉、竹下宏太郎、浅越ゴエ、松尾貴史。
うーん、豪華だな。
「スイミンのひみつ」をテーマに研究発表という形で一人ずつそれぞれのやり方で見せていく。
公演はまだ残っているので内容は省くが、とても楽しめた。
凝りに凝ったという舞台ではないが、それでもここまで笑わせてもらえたら満足。
舞台では腹筋善之介の大熱演に、映像ではさすがの後藤ひろひとに大爆笑。
軽く観られる小さな舞台、でもやっぱり生は楽しいな。

2007-11-06「世界はそれでも沈んでいくんだぜ」
それにしても組織って面倒なもんだね。
会社ってなんだ?とか今更。
ま、やめとこう。
でなんかどんよりした気分なので、会社帰りに映画でも。
三枝健起監督「オリヲン座からの招待状」観る。
ザ・日本映画って感じの湿っぽさだなぁ。
うぅ、どんよりした気分を上塗りか。
と思いつつも、手堅い作りでまぁそれなりに。
とりあえず宮沢りえで良かった。
彼女が映ってるだけで、場がもつ。
上品なかわいらしさがあって、つい見とれちゃう。
それにしても宮沢りえ、ポキッと折れそうなぐらい細いなぁ。
加瀬亮も朴訥として不器用な感じは良かったが、関西弁はちょっと辛かったか。
意外に宇崎竜童は良かったけどね。
ま、そんな感じで。
可もなく不可もなくって評価は厳しいかな。
ま、こっちの気分の問題もある。
魂持ってかれるぐらいに、キくヤツが欲しいいんだ。

2007-11-07「二つの魚影」
そんな訳で、まぁなんつーか秋の一日。
思うところあって残業は一時間以内に。
で今日も映画。
堤幸彦監督「自虐の詩」観る。
うむ、堤幸彦監督は食わず嫌いしてたところがあったんだけど、意外と王道、意外と日本映画のド真ん中という感じ。
特に中盤からはじっくり、きっちり、丁寧に中谷美紀演じる幸江と阿部寛演じるイサオの関係を描いていて、引き込まれるものがあった。
中谷美紀、阿部寛は脂のりきってるなぁ。
見応えあり。個人的には脇の遠藤憲一に一票。
そして西田敏行はもう巧すぎて感激。
これは王道のラブストーリーとして観るべし。
ただ泣くほどのもんでもねーよ。
贅沢言えば、映画としてもっと揺さぶって欲しかったな。
サイズがテレビなんだよね。
あと斜め前で観てたカップルが笑いのハードル低くてイライラしちゃった。
このレベルで笑うかぁ?っつーとこでケラケラ笑うんだもん。
観る側の程度が低すぎるやろ!と何様だと言われるの承知で言っときたい。

2007-11-08「恋人が眠ったあとに唄う歌」
さて今日も残業は1時間に切り上げ早々に退社。
で足はまたも映画館に向かう。
滋賀会館シネマホールはやっぱり落ち着くなぁ。
で中村義洋監督「アヒルと鴨のコインロッカー」観る。
いやぁー、これは良かった!
今週3本目にしてやっとキタッ!
原作読んでなかったのも良かったかも。
最初はどう展開するの、この話?
と思ったが中盤からはもう一気に引き込まれた。
時間軸がぐるっと回っていく構成ってのは元々好みなのでそこもまた良かったなぁ。
巧い脚本だ、これは。
心揺さぶられる瞬間があったし、はっきりいって一昨日、昨日観た作品よりはるかにグッときた。
前半、ドナチュラルな名演をみせる濱田岳に対して、瑛太しっかりやれよ!と思ったが、すいません。
最終的には瑛太が素晴らしかった!
上手く騙されたし、切なさが滲む演技に泣きそうになったよ。
お見事。
また、松田龍平がかっこよくって、そこが説得力になっていた。
そしてこの映画のトーンを生み出したボブ・ディラン「風に吹かれて」が沁みたねぇ。

2007-11-09「幸せな人生」
金曜。
夏から疲れ引きずったまま気持ちのモヤモヤがどうにも晴れない。
で今日は午後から会社サボる。
ま、2年前の代休、それも一日分を半休で消化してんだから文句もねーだろう。
空にはうすぼんやりした雲。
時間が止まったかのような団地を横目に緩やかな坂を登る。
ベランダに干し柿。
電線に張った蜘蛛の巣。
誰かが捨てたタバコの吸殻から弱々しい煙が昇ってる。
JRと地下鉄を乗り継ぎ京都にとりあえず出る。
急にラーメンが食べたくなったので、昼はラーメン。
ま、休んだところで別にどこかに行くあてがあるわけでもない。
あ、また映画館に来てる。
松尾スズキ監督「クワイエットルームにようこそ」観る。
今週4本目、尻上がりにいい作品と出会う。
これは、また実に素晴らしい作品だった。
頭からお尻までずっと揺さぶられた。
ど真ん中にグッときた。
なんて志の高い映画なんだ。
ヘビーでビターな物語を悲喜劇のエンタティメントとして昇華。
松尾スズキの作家としての業。
いや、もはや人間としての業か。
内田有紀演じる明日香の再生のドラマを主軸に、“狂った”人々の群像劇が、しっかり松尾スズキの文体で描かれる。
登場人物達と自分自身が重なっていく瞬間、感情が揺れるのが分かる。
もがき、苦しみ、時に目をそらす。
こんなところまで、描いちゃうんだな。
とってつけただけの感動作とは志が違う。
触れて欲しくないようなヘビーなとこを描きながら、でもなんでこんなに優しいんだ。
こんなに優しい映画は観たこと無いってぐらいに。
主演の内田有紀、初の代表作だな。
そして役者・宮藤官九郎がまた素晴らしい。
ラストの名演は正直感動した。
そして、なんと言っても圧巻は蒼井優。
最も複雑な役をものの見事に演じ切ってる。
いや、もう演じてるとも感じられない。
天才の凄みを見せつけられた。
で映画館出て久々に新京極通りなんぞを歩いてみる。
高校生に戻ったような気分で歩きながら、ハッとする。
ここ歩いてる中で今、俺、最年長なんじゃないかと。
修学旅行の高校生やデート中の大学生、派手目な女にチャラけた男。
夕方の繁華街をスーツ姿でのそのそ歩く中年男が俺。
…とりあえず目をそらしておこう。
で行きたかったBALのジュンク堂を一通り覗いて、六曜社でコーヒー飲んで、河原町通りを三条から御池を抜け丸太町まで。
ここまで来ると喧騒はなくなり落ち着いた京都が顔を出す。
髪を後ろで束ねた女性が自転車で通り過ぎてく。
丸太町通りを東大路に向かってのんびり歩く。
でライブ。
西村哲也@エルラティーノ。
とここまでで随分長くなったので、続きは明日へ。

2007-11-10「おどりあかそう」
さてまずは昨日の話。
美味しい南米料理が食べられるエル・ラティーノに到着したのはライブ開演30分ほど前。
あら、店覗くとまだリハ中、客の姿見えず。
うろうろしてると隣の店(こっちもエルラティーノ)から京都西村会の会長つかさんが登場。
じゃそろそろということで店へ。
まずは飲みましょうかとコロナビールで乾杯。
カネ情報などを聞きつつ開演を待つ。
西村さんソロ、シークレットゲストは琴を奏で唄う真依子さん。
っつーか入り口に張られた紙には「まいこ おことライブw/西村哲也、五十川清」ということで西村さんがゲストなのね。
確かに客席は真依子さんのお琴&ご近所関係のおじさんおばさんおじいさんがずらり。
我々が最年少か?
で孫を愛でるようなアットホームな状態で真依子さんライブスタート。
西村さんギター、五十川さんスチールギター&パーカスががっちりサポート。
実は仕事絡みで真依子さんの歌は随分聴いてるのだが、とても澄んだきれいな声。
いかにも女の子というか、決して男には描けない、かわいらしい女の子の感性が炸裂。
お琴と歌だけだとどうしてもほんわかし過ぎるとこを、西村さん五十川さんが入ることで土台がしっかりする。
真依子さんの世界をバックアップする西村さんの職人的なギター、五十川さんも大活躍。
パーカスでの高速ビートがかっこいい。
しかしご近所のおじいさんが「写るんです」でバシバシ写真を撮ってる状況は、まさに孫の発表会。
それはそれで微笑ましかったけどね。
一部の真依子さんに続き、二部は西村哲也ソロ。
はっきり言ってめちゃめちゃアウェイな状況の中、脱力系MCで自虐ネタをかましつつ、リアル養老院的な客層を前に「グレートフル養老院」など渋みとユーモアが交じるステージを展開。
気付けば結構な曲数。
もはやアコースティックバージョンが定着した名曲「ひまわり」から「ジェルソミーナ」「キャンディ」と続くメロウな展開は今ライブの白眉。
そしてラスト、解散したバンドを思い作った曲ですと歌われた「さび付いた道具箱」にグッとくる。
終了後、西村さんと少々お話。
「メトロトロンのライブ、良かったよぉ」とご本人から聞き、やっぱり行くべきだったなぁと激しく後悔。
そして今日披露されるはずだった新曲がなかったので恐る恐る「で新曲は?」と尋ねると、西村さん「あっ!忘れてた」て。
思わずこけそうになる西村会。
が、来年も精力的に活動予定の西村さん。
最新情報もゲットしましたが、関西の皆さん、期待して待て!って感じですよ。
むふふ。
で今日。
HDD&ビデオチェック。
やっと滋賀で見られるようになった「やりすぎコージー」2週分。
「マルコポロリ」での大食い&貧乏キャラで関西プチブレイク中の宇都宮マキちゃんは、来るぞ!
舞台ではじめて彼女を観て吉本新喜劇としては破格の美少女ぶりに驚き、即チェックいれたのが2年前の夏。
彼女は東京でもブレイク必至。
来年の今頃はバラエティ出まくってるはず。
それから「アメトーーク」(トップレス芸人、意外に小島よしおが一番トーク回してる)に「リンカーン」。
午後からはトレーニングルームで一汗。
週2、3回行ければいいんだろうけど。
それにしても今週は映画週間だったな。
それじゃ仕上げに今週5本目、滋賀会館シネマホールで三木聡監督「図鑑に載ってない虫」観る。
臨死体験が得られるという謎の「死にモドキ」を探すロードムービー。
小ネタと毒気の濃度が尋常じゃない。
三木監督作は全て観てるが、その中でもこの濃度とスピード感は群を抜いている。
そして小ネタと物語の絡み具合に無理が無い、っつーか小ネタで物語を語っていくようなとんでもない作品。
これもまた志高い映画だな。
話が進むにつれ、どんどんテンションが上がり、濃度が高まっていく。
もはや「生」も「死」も人生の小ネタに過ぎないと思っちゃう。
これ「いい映画」とは言わない。
でも「凄い映画」。
うさんくさくて、いかがわしくて、危険な映画。
決してテレビじゃ収まらない(実際、テレビ放送無理な台詞、映像多々有り!)ユーモアと毒、こういうの大好き。
岩松了、ふせえりコンビ、今回も期待に答える怪演で嬉しい。

2007-11-11「流れ星老人」
なんもない休日。
娘は子供会の遠足、その間に妻は近所の奥さん方とランチ。
で俺は一個30円の「元さんコロッケ」をメインディッシュに残り飯で昼食。
ま、平日遊びすぎてますからね。
午後から貰い物のETCを取り付けてもらいに車屋さんへ。
待ち時間に読み耽るのは斎藤貴男「梶原一騎伝」。
なぜ今、梶原一騎の人生に思いを馳せてるのか?俺。
それにしても梶原一騎、俺とは真反対の生き様だぜ。
とそんな一日。
なんだそれ。

2007-11-12「帰り道」
口内炎が二つ、治りきらないうちにもう一個出来つつある。
あーなんだかなー、仕事行きたくねーなー、家に金いれたくねーなーと思わず後ろ向きに。
にして急に寒くなったな。
つーことは何かい。
もう冬ってのかい。
冬は寒いもんだからな。
口内炎がやっぱり痛いや。
「ごはんですよ!」はいつ食べても美味いな。
もう帰り道で「ほかほかごはんに“ごはんですよ!”のっけて食べたい!」って考えてるもん。
海苔の佃煮数あれど、やっぱ「ごはんですよ!」ですよ!
注:お気づきでしょうが、今日の日記まるで中身がありません。

2007-11-13「Empty」
例えば今日みたいな日、「日記を書く」んとこをクリックして、真っ白いボックスを眺めてうーんと唸る。
朝からの出来事を思い返す。
7時10分、携帯の目覚ましに起されて、とりあえず目覚める。
娘は「あっ宿題忘れてた!」とパジャマのままノート広げてる。
「もー何やってんねんなー」と言いつつ、台所に行き食パンに賞味期限が少しばかり切れたピザソースを塗って、とろけるスライスチーズをのっけてトースターに放り込む。
そういえば結婚12年、朝ごはんの準備してもらったことねーなーと思いつつ、「めざましテレビ」で郷ひろみと我集院達也が競演!ってどうでもいい情報を聞き流す。
ピザトーストを野菜ジュースで流し込みながら、「ほら、早く着替えな、遅刻するで」と娘をせかす。
歯を磨いて顔洗って、着替えを済まし、布団をあげる。
娘を見送り、ソファーに座って新聞を広げる。
読んでんだか、読んでないんだか。
8時10分、弁当を鞄に入れ家を出る。
i-podからはカーネーション、細野さん、レムスイム、ピチカート。
8時半会社着。
だらだらと仕事をはじめ、あれやこれやそれ。
会議が長引き13時昼食。
インスタントの味噌汁をいれ、弁当箱を広げる。
7分で食べ終わって、「ほぼ日」とか読みながらしばし休憩。
でまた午後からあれやこれやそれ。
19時退社。
なんとなーく紀伊国屋に寄り道。
三木聡監督「転々」を特集した「キネマ旬報」誌を立ち読み。
読み終わって本を閉じ、棚に戻す。
本棚を一通り眺め、特におもしろそうなものもないなと思い、身体の向きを変えて歩き出す。
文庫本コーナーを抜け、エスカレーターで5階から4階、4階から3階、3階から2階、2階から1階。
そのまままっすぐ出口に向かい、ガラスの扉を押し開け、外に出る。
少し顔を上げ、息を吸い込む。
ポケットに手を突っ込み、一歩二歩三歩四歩と歩き出す。
五歩六歩七歩八歩…。
歩いても歩いても辿り着かない。
赤く点滅した信号機がグニャりとまがりアスファルトに溶けていく。
56歩57歩58歩…右足と左足が入れ替わりどこに向かっているのかわからなくなる。
128歩129歩130歩…空に開いた穴が目前に迫る。
152歩153歩154歩ストンと落ちたのは俺に開いた穴だった。

2007-11-14「デモクラシー」
穴から這い出しお仕事。
今日は時間が経つのが遅い。
1時間過ぎるのに1時間40分ぐらいかかってる感じだ。
とりあえず今日は頭の中を一旦真っ白に塗り替えたい気分。
残業せずに会社出て、トレーニングルームに行って汗かくことに。
肉体に答えを求めるのだ!なんつって。

2007-11-15「たのしそう かなしそう」
さてスコーンとすっ飛ばして今日も会社帰りに映画だ。
平山秀幸監督「やじきた道中てれすこ」観る。
クールでシャープで魂揺さぶられるってな映画では決してないけど、確かな芸でみせてくれる心優しき映画。
ま、ゆるーい話ではあるんだけど、スイートビターを可笑し味で包み込んだ大人の余裕を感じさせる作品。
それにしても次から次へと芸達者が出てくる。
中村勘三郎、見事な芸ですな。
江戸前の台詞が心地いい。
卑怯なぐらいに笑わせてくれる柄本明とのコンビも絶品。
とうがたった花魁を演じた小泉今日子、強さとかわいさが同居してて魅力的。
観てて凄く安心できる。
観る映画、観る映画に出てるな松重豊。
山下敦弘監督作の常連・山本浩司が出てるのもなんか嬉しいね。
とにかくいい感じで脳みそが緩まった。
可笑しくてやがて悲しき…か。
ま、人生なんつーのは落語だ。
死という落ちに向かっての長いネタ振り。
不細工で不条理、どうにもなんないことばかり。
神様が上のほうで今日もネタ繰りしてるってか。

 
2007年11月下旬の日記へ


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