2007年11月下旬

< hr> 2007-11-16「Play Back」
曇り空。
すっと伸びた工場の煙突から吐き出された排煙が空を覆い尽くしたよう。
午後から会議の為大阪へ。
駅に向かう道すがら空を見上げながら思う。
いつでもどこでも孤独になってしまう。
結局はそこが安心なんだろう。
斜めに世間を見て、真夜中に唾を吐く。
誰にも聞こえない声で「異議あり」だってさ。
笑えない落語の途中。
電車に揺られて昼寝かよ。
梅田の地下道に響く靴音。
大学を出て10年間聞いてたこの音が僕を少し大人にした。
中島らもの大好きなエッセイ集のタイトル。
「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」。
そんなとこだ、ここは。
とりあえず今日はこの辺で。
ペッコリ45度。

2007-11-17「菜の花」
朝から娘と朝マックデート。
マックグリドルってのやらを一回食べてみようということで、駅前のマクドで。
うーん不思議な味。
いや不味くは無いけど、食に関しては保守派なので。
娘とのんびり朝の散歩。
「“乳首の席替え”ってFUIWARAの原西は天才だねぇ〜」とか話しながら。
それから今日もトレーニングルームで一汗。
カロリー消費だ、このやろう。
で午後、滋賀会館シネマホールで映画を一本。
タナダユキ監督「赤い文化住宅の初子」。
うーん、正直おっさんとしては共感できるって話ではなかったな。
でもつまらない映画かといえばそんなことなくて、大切に作られた映画だなと感じられる佳作。
出てくる大人がみんなダメなヤツでねぇ。
それも笑えない愛せないタイプの。
その中で健気に生きる初子にちょいキュンとくる。
主演は「吾輩は主婦である」に出てた東亜優ちゃん。
初々しい演技がこの主人公の繊細な感情を巧く現していた。
ダメ教師役の坂井真紀はおケツ丸出しの熱演ではあったが、役として意味ありげなわりに、結局大して物語に絡んでこないという…イマイチわからんかったな。
そして鈴木慶一が中華屋の親父役で登場。
ライダーズファン必見。
凄い感じ悪い役だけど。

2007-11-18「Mr.Ankle Uncle」
朝からマンションの防災訓練。
後は一日家でダラダラ。
HDDチェックは「アメトーーク」(N700系芸人。新幹線で東京に行きたいなー)「爆笑問題のニッポンの教養」「やりすぎコージー」。
午後もダラダラテレビ見て、夕飯用におでんをコトコト。
午後いっぱい使って、たっぷり味を染み込ませて、家族3人で食べたら20分で終了。
はかないもんですな。
久々に娘連れて銭湯。
熱い湯船に浸かるニッポンの休日。

2007-11-19「連載小説」
寒い。
完全に冬だな。
午後から会議の為、神戸へ。
そして神戸。
「くぉ〜べぇ〜ぬわぁいてどぉうなるのくわぁ〜」統計調査によると前川清のモノマネをする人は年々減少傾向にあるという。
会社出た途端、天気雨。
濡れた折り畳み傘持って電車乗るのいやなんだよねぇ。
で神戸で遅い昼食とって(温かい豚汁が美味しかった)、長い会議をこなして外でたらもう真っ暗。
夜がくるのが早い。
「梶原一騎伝」読み耽ってたらあっという間に大津。
なんたる薄っぺらな一日。
そういえばここんとこ音楽の話書いてないなぁ…。

2007-11-20「グリーンブックス」
で、仕事終わりで滋賀会館シネマホールへ。
山下敦弘監督「天然コケッコー」観る。
脚本は渡辺あや、大好きな監督と脚本家の作品とあってはどうしても期待値は高まってしまう。
その期待をさらっと受け流す、小さくてかわいい作品だったな。
「永遠の中学二年」を公言する私ではあるが、これ観て「あぁすっかり汚れちゃってるなぁ俺」と自分が中二ではないことを思い知ったよ。
人生というやっかいな物語が始まる手前。
とまどいながら青春の入り口に立つところ。
どこまでも広がる青い空や幾種類もの緑を湛えた山々、これはファンタジーかもしれない。
でもこの風景を確かに知っている。
あぁもう随分遠くまで来てしまったんだな。
何が起こるってわけでもない。
不治の病も出てこなければショッキングな展開が繰り広げられるわけでもない。
ゆっくりと時間が流れていくだけ。
でも二度と戻れないその時間は、何よりも美しく思える。
いや、ほんと、ささやかな映画。
でも観終わった瞬間、もう一回観たくなった。
主演の夏帆ちゃんは、いい作品に出会えたね。
若い女優さんはこういう作品に出会えるかどうかで大きく変わってくるもんな。
不安定で瑞々しいこの一瞬の季節を永遠にフィルムに残せたことは奇跡だ。
この映画、夏帆ちゃんが全てと言って過言ではないよ。
「時をかける少女」の原田知世に並ぶレベルと言っちゃってもいいでしょ。
それと特筆しときたいのはレイ・ハラカミの音楽。
妙な違和感が新鮮で不思議と胸に残る。
そしてラストでくるりがかかるのは反則だなぁ。
めちゃめちゃいいんだもん。

2007-11-21「Too Good to be True」
一晩たってジワッとくるなぁ「天然コケッコー」。
レイハラカミの音が聴きたくなって今日はyanokami聴きながら通勤。
気がつくと現実からフワッと浮いてる。
そんな気がする音楽。
で相変わらず仕事はザックリさっくり済ませて寄り道ディ。
Wポイントのタワーで物色。
あれもこれもそれも欲しいけど、給料前だからね。
なけなしの小遣いでeli(元ラブ・タンバリンズ)のソロ作「rita」購入。
後は紀伊国屋で雑誌立ち読み。
「ミュージックマガジン」「ストレンジディズ」で政風会、シネマのインタビュー記事、「映画秘宝」の吉田豪による角川春樹インタビュー(「蒼き狼」について「金かけて、損した!」と自らバッサリ言ってて最高。もはや超人の域とか平気で言っちゃってるもんなー。「続・人間コク宝」での娘、Kei-Teeとの20年ぶりの再会から始まる対談もえらいことになっててめちゃめちゃおもろい。)やら「Cut」の大槻ケンヂ×ケラ対談とか読み耽る。
って買えよ!

2007-11-22「僕は幸せだった」
ま、今日は何も無いです。
久々にド残業して、仕事後なぜかおっさんばかりでマクドに行くことに。
休日前に何をしてんだ。
ほら、何も無いでしょ。
いや、しかしいくらなんでも覗いてくれた人に失礼っすね、この内容では。
ま、書かなきゃいいんだろうけど。何もないときに何を書くか?ってのが力量を問われるとこですな。
こー思いを巡らすわけですよ(なんかあったかなー)。
うーん。朝食はバナナ!(いやいや話膨らまへんやろ)
通勤に聴いてたのはeli「rita」。
ラブタンバリンズ解散直後のアルバムはイマイチ乗れなかったのだが、今作は良さげ。
まだ数曲しか聴けてないのでこの話もまた後日(中途半端に書き始めるもんじゃないよ)。
仕事はひたすら雑用に追われっぱなし(仕事話は愚痴っぽくなっちゃうから書かないように注意しなきゃ)。
昼休み読んでるのは森達也「下山事件」。
読み始めたとこなのでこれまた感想は後日(だから咀嚼する前に書き始めたらダメだって)。
あっそうそうこの前、ジャパネットたかたでデジカメ買ったんだよ。
ジャパネットたかたで買い物してるヤツ初めて見たよ!
鏡の中の俺(一瞬膨らみそうだが、着地点が見つからん)。
…(ほら、行き詰まっちゃってる)。
…(真っ白やがな)。
…(意外とごまかせてる?)。
(ここで締めるか)。
良い週末を!

2007-11-23「また明日」
休日。
娘は学校のグランドゴルフ大会へ出かけていった。
僕は妻方の親戚に不幸があり、妻、義姉と葬儀へ。
3連休の初日、渋滞でギリギリの到着。
風邪をこじらせ肺炎になり亡くなられたのだと。
71歳。
長く患ってってのも辛いけど、こんな風に急にってのも辛いな。
葬儀に出ると、イロイロ考える。
それにしても年々葬儀に出席する機会が増えてくな。
そーいう歳なんだな。
渋滞の帰り道、沈んでく夕陽観ながら色々、イロイロ…。
久々に長時間運転だったのでグッタリ。
留守番に来てくれていた母が娘とカレーを作ってくれていたのでみんなで夕食。
静かに確実に一日一日が過ぎてく。
一晩寝ればまた明日。

2007-11-24「世界はゴー・ネクスト」
午前中は映画を一本。
滋賀会館シネマホールで荻上直子監督「めがね」観る。
「かもめ食堂」のチーム、出演は小林聡美、もたいまさこに市川実日子に加瀬亮、光石研。
だいたい想像つくでしょ。
はい、その通り。
想像から一歩も外に出ない。
うーん、なんだろ。
複雑な心境。
確かにいいんだけど、その反面「もう、いいよ」って気持ちもある。
ゆっくりとした時間、美しい風景。
とても穏やかで優しい…って風だけど、観念的で閉鎖的な世界に感じた。
「かもめ食堂」は大好きな映画だけど、残念ながらこっちには乗り切れなかったな。
雰囲気に自家中毒起こしちゃってるような…。
「かもめ食堂」では出てくる料理が物凄く美味しそうに見えたんだが、こっちに出てくる料理はそうでもないんだよね。
そこは結構大きいかもしれない。
うん、わかるけど、もういいや。
ってか、今僕自身がそこにはいないんだな。
多分この映画で描いてるような「旅」ってのは日常生活の中で既に当たり前にやってて(例えば「会社帰りに一本の映画を観る」そんな些細なこと)、むしろその先を知りたいんだ。
ここに描かれていない季節に目を向けたいんだな。
ま、ちょい否定的に書いちゃったが、またここに来たくなることはあるだろう。
それと画の構成、登場人物の配置とかちょっとした色使いとかは物凄くいいです。
いちいち気持ちよくってそこはなんつーか女性監督ならではの細やかさに感心したな。
で午後から県内小学校のブラスバンドが集まるコンサートに。
娘が所属する小学校の金管クラブも参加。
娘達は「ブラジル」を演奏したのだが、難しいパーカスが止まっちゃうんじゃないかってハラハラして落ち着いて観れなかったなぁ。
パーカス担当は娘と仲良しの子だってのもあって余計心配しちゃったよ。
でもなんとか乗り切って良かった良かった。
子供はちゃんと成長してんだな。

2007-11-25「人面犬」
休日出勤。
いつもより早く起き、8時前には会社へ。
同僚のピンチヒッターでイベント立会い。
特に何をするでなく、ただひたすら現場に張り付いて立ち続けるという修行のような仕事。
時間が経たねー。
足痛ぇー。
昼にラーメン一杯食っただけで、あれこれ片付けやらして最終的に家に帰り着いたのは14時間後。
見事に気持ちがひしゃげる。
明日が月曜ってのがまたなんともひしゃげさすねぇ。
寝よ。

2007-11-26「unplug my microphone」
月曜。
11月も最終週に突入。
目一杯仕事して帰りにユニクロで靴下買う。
今日こそ買うのだと朝から決めてきた。
片道25分の徒歩通勤、すぐに穴が開いちゃう。
朝、穴の開いた靴下しかなくて、針と糸出してきて繕う…そんな36歳。
どうよ、この男としての小ささ!泣けてくるぜ。
で今日聴いてたのはeli「rita」。
なんて悲しい声をしてるんだ、この人は。
本当の悲しみを知ってる人の声。
だから愛の歌が強く痛く響くのだろう。

2007-11-27「幸せの場所」
さて今日もそれなりに。
まーなんもありませんよ(きっぱり)。
会社帰りにちらと寄り道。
Wポイントのタワーで結局何も買わず。
話題の直枝本「宇宙の柳、たましいの下着」は売ってないなー。
ま、ジュンク堂で予約してんだけど。
「月世界ナオエ」のチケットも届いたし、もち「政風会」もあるし、12月の直枝さん三夜連続に向けて無駄遣いしないでおこう。
にしても新聞開きゃ気が滅入るような事件ばかり。
深いため息を一つ。
これで世界がどうなる訳でもないが。
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<comments>
<comment>
<username>こま</username>
<body>Wポイントだったので、ワタシも昨夜はタワーに行ってました。土岐麻子ちゃんのアルバム買ったんですけど。なんか、アートワークがひどくて、こんなだったら、iTunesでええやんか!と・・・。CDを買う楽しさ、トレイの乗せるドキドキ感ってもうなかなか味わえないのかもなー・・・なんて、思ってたとこでした。斉藤由貴さんの「青空のかけら」カヴァーやってますぜ。

2007-11-28「TRAVELING MOOD」
今日は同業者が集まる年に一度の全国会議。
例年、泊り出張になるのだが、今回は地元開催。
会社の向かいのホテルが会場ということで、おもしろくもなんともないなー。
会議やって、懇親会やって、二次会やって、泊りの皆さんと別れ、一人帰宅。
家ついたら日付またいでるよ。
つーことで今日は寝る。

2007-11-29「そろそろ時間ですよ」
今日は長〜い一日。
午前中は昨日の続きで会議。
議事進行担当だったのでとりあえず無事終了して一安心。
昼は皆さんを連れてミシガンクルーズでランチ。
滋賀県在住12年で初ミシガン。
1時間30分のあっという間のクルーズだったが。
で解散。
そのまま帰宅したいとこだが、会社に戻ってお仕事。
机の上にめちゃめちゃに置かれた書類の山見て、一気にテンション下がる。
月末だもんなー。
でひたすら黙々お仕事。
ド残業の後、帰宅。
あと一日で休みだ。
もちょっと頑張れよ、俺。
直枝3daysまで倒れられないからなー。

2007-11-30「JUICY LUCY」
金曜。
なかなかスカッとはいかないが、とりあえず。
気分のいい一日なんてのはそうそうあるもんじゃない。
わかってても求めてしまうのは、贅沢ってもんだ。
あぁ、どこに向かってんだろ。
歪んだ感情がピンボールみたいに身体の中を駆け巡ってく。
パチンコ屋のネオンに向かって吐き出した溜息も足元に落ちてくだけ。
聴いてたのは直枝政広「HOPKINS CREEK」。
中途半端な金曜の夜に照らされるLONESOME BLACK BEAR。
星の見えない夜空、その向こうの果てしない宇宙。
この歪んだ感情も、いつか星のなるのだろうか。


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