アコースティックギターのブリッジ交換
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底面が出来ましたら最終的な成形をし接着となります このギターの場合3枚目画像で分かるようにトップ板のブリッジ下にも塗装がされていますので確実に接着する為にブリッジの形に塗装を剥がしてから接着します |
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確実にガッシリとクランプ |
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で、この様に仕上がります 最後にオイルフィニッシュで風合いを付けています 写真を撮り忘れましたがボールエンドが食い込んでいたトップ板内側には薄いメイプル材で裏打ちしてありますのでこれでちゃんとチューニングが出来るようになりました さて、ここで何度も出ている「ドーミング」ですが、ドーミングとはトップが盛り上がる事な訳ですからブリッジが始めの位置より高い位置に持ち上がり弦高が高くなると云う事になります。ですので今回のギターのようにプラスチック製のブリッジの場合にのみ問題が出る物ではなく普通の木製ブリッジのギターにも影響のあるものです。場合によってはサドルを削り切ってもまだ弦高が下がりきらない状態になり演奏性に影響が出ます では何故ドーミングが起きるのかと言えばこれは弦を張りっぱなし(チューニングしたまま)で放置した結果起きるのです ギターを弾き終えた後にそのまま保管するのか?、弦を緩めてから保管するのか?といった議論がありますがこれには諸々説があり、絶対これが正しい!と言ったような説は見つかっていないと思います で、これはあくまでもO2Factory説として説明させて頂きますが ギターやベースは弾いている時間より弾いていない時間の方が長いのが普通です(1日12時間以上弾いている人は例外です(^_^))であれば弾いていない時に弦が緩んでいるとネックがその状態に慣れてしまい、チューニングされた途端不安定な状態になると云う事になります チューニングしっぱなしで放置すると初期ではネックに反りが発生するでしょう。しかし、限りなく反ると言うことは無くどこかの点で止まるはずです。この止まった所でトラスロッドを調整し適正な反りに修正すれば後は極端に動く事は無いでしょうし、テンションに対してバランスの取れたネックに成長すると思います このようにネックだけの要素で考えると弾き終わった後に弦を緩める必要は無く、むしろネックに一定のテンションをかけておくことが必要と私は考えますが、アコースティックやフルアコギターの場合はテンションをかけ続けることでボディトップのドーミングやトップ落ちが起きる可能性があり重大な弊害となる場合があります。ここで「ネックの為に」と「ボディの為に」を天秤にかけると、トラスロッドや指板修正などで矯正する事が出来るネックよりも、そう簡単には矯正出来ないボディの方が重くなると私は思いますのでアコースティックやフルアコギターは完全に弦を緩めて保管する事をお勧めしています ではどの程度緩めるのかと言えば、トップの変形を考えるとほとんどテンションが掛からなくなるくらい緩めるのが良いのではないか。と私は思います ただし、3弦が巻き弦の場合、何回も緩めたり張ったりを繰り返すとすぐにペグポストのところで弦が切れてしまい3弦のストックを沢山持っておかなければならなくなりますので、妥協策と云う事で3弦のみチューニングを残しそれ以外を全部ベロンベロンに緩めておく事を私はお勧めしています 一方ソリッドボディやセミアコなど弦のテンションによりボディに変形が起き難い構造のギターやベースは基本的に張りっぱなしで保管する事を私はお勧めいたします ただし、60年代後期から70年代のフェンダーなどはネック材がメチャメチャに柔らかい場合がありトラスロッドを締め込むとトラスロッド自体がどんどんネックに食い込み、指板に割れが生じる物もあります、この様な場合はチューニングしっぱなしにしていては問題が出るかもしれません とは言えこの様な楽器はどの様に保管するか以前の問題であり、弦を緩めて保存しようがどうしようがトラスロッドが効かない事に違いはありません こう云った柔らかいネックの見分け方ですが現状で酷い順反りが無ければまずOKです 現状で気になるほどの順反りがある場合は一度完全に弦を緩めてテンションゼロにしてネックの状態を見て下さい。ネックが極端に逆反りしていればトラスロッドがかなり締め付けられている状態でしょうから、トラスロッドが十分に効いているにもかかわらずネックが弦張力に負けてしまう=ネック材が柔らかいと言う事になります このテンションゼロとフルチューニング時のネックの反りの差がネック材の柔らかさと云う目安になりますので60年後期〜70年代のフェンダーを買われる時は参考にされると良いかと思います チューニングすると弓のように順反るのに弦を緩めると錦帯橋のごとく逆反るジャズベを何本も見てきましたので…(^_^;) |
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