これは某有名国産メーカーの古いバンジョーですが
フレット摺り合わせをしようと指板をマスキングテープでカバーしていて
「ん?変だぞ?」と、気が付きました
分かりますか?上の画像をよ〜く見て下さい
このマスキングテープは丁度このポジションのフレット間隔と同じ幅でした
しかし、5弦側からテープを延ばしていくと1弦側では隙間が出てしまう…
マスキングテープの幅が歪んでるのではありません
フレットが傾いているのです!


もっとも極端に傾いているポジションはこんな感じでした
試しにフレット間の距離を測ってみました


まず、低音弦側は33,43o。
そして高音弦側は…


33,95o
その差は0,52o
音程に出てくる差は33.95÷100=0.3395
つまり0.3395oずれると1セント音程がずれると云うことですので
0.52oでは約1.5セントの音程差が出てしまうと云うことです
この約1.5セント差、あなたは気にする気にしない??


これを見て「各ポジションのピッチをフレット傾けて調整してるんだ!」
と、思う人もいるかも知れませんが、多分それはないですね(笑)
ここのメーカーのバンジョーは極端に生産量が少なく
何らかの理由でフレット溝切りの機械が使えず
手作業で一本ずつ溝を切ったのでしょう
ある意味「手造り醍醐味」ってヤツかも?
ま、職人の腕が良ければ手造りでもきっちり平行に切れるはずですけどね(笑)
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