Maintenance
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 いよいよ、同期調整を行っていきます。
Get  ここで、アクセルワイヤーを緩め、スロットルドラムを指で押しながら回転させ、タイコをホルダーからはずしてゆきます。
 
初めはキャブをはずす前にワイヤーをはずしていたのですが、狭い場所での作業になるので、時間がかかっていました。この方法だと。すごく楽に取り外せるようになりました。
漏れ留め  タイコをはずしたあとの写真です。あっという間にはずせます。
樹脂  あとは、ガソリンの供給ホースなどをはずしたら、ハイ!この通り!

 負圧取出し用ホースは、あとで同調を取るときに必要となりますので、キャブ側のつけておくほうがいいです。

穴埋め完了
 キャブの裏側です。普段掃除が出来ない場所なので、ついでにきれいにしておきましょう。

チャンバーボックスの上に見えるマイナスのネジがパイロットスクリューで、同調をとるときに調整するネジです。

 サービスマニュアルによると、ディフォルト(標準値)の戻し値は、1+3/4回転です。

位置出し  チャンバーボックスをはずすと、フロートやメインジェットが見えます。フロートは出荷時では「白色」ですが、経年劣化で写真のように茶色く変色するらしいです。
 フロートが劣化すると、浮力がなくなり油面が狂ってきます。そうなると基本的にはフロートアッシごと交換となりますが、フロートの根元にあるリップ(ベロ状の金属)を調整することにより、ある程度は改善されます。これを一般的に油面調整と呼ぶらしいです。
 

↓油面データを「ミクニ」さんより入手しました。簡易油面調整方法です。

キャブ油面調整についてメールにてH18年1月ミクニアフターマーケット・サービスグループ様に質問した回答から抜粋(説明図付)

油面(フロートレベル)の測り方は、フロートチャンバボディを外した状態で、キャブを逆さにし、フロートがニードルバルブに触れたところで指で固定してください。ニードルバルブの接点は、スプリングがあり、沈むようになっておりますが、沈ませずに、あくまで触れたところです。その状態で、ミキシングボディとフロートチャンバボディの合わせ面からフロート上端までの高さを測ります。当方で調べた基準値は14.6mm。
油面の調整方法は、フロートのリップ(ニードルバルブに触れる金属部分)をマイナスドライバーなどで曲げての調整となります。

穴明け完了  今回は軽清掃と同期調整が目的だったので、Oリングやガスケットの交換はしていませんが、交換が必要な場合はここで、「交換タイム」が入ります。

同調は「負圧を揃える」ことを目的に行います。バタフライバルブの開度をそろえ、パイロットスクリューで細部まであわせることを目標としましょう。

まず、はじめにバタフライバルブの開度調整ですが、4気筒とも開度がそろうように目視であわせます。詳しくは下記を参照してください。

バタフライバルブの開度調整の方法

各気筒間にあるスクリューを動かしてみてください。#3気筒のバタフライだけ動きが違うのがわかると思います。スロットルドラムが#3気筒と連動しているので、#3のバタフライバルブはアイドルアジャスタースクリューの回転で調節します。
 メインボア内のスローポートの穴などを目安に#3の開度を仮決めし、次に#2〜#3間のスクリューで#2と#3の開度を揃えます。さらに#2の開度に#1を、#1〜#2間のスクリューでそろえ、同じようにして#3に#4の開度を揃えます。一通り出来たら、太陽や電球などに照らして見て、バタフライバルブの開度がそろっていることを確認します。この作業をしておくと、次の負圧調整の手間がずいぶん楽になります。

ひなたぼっこ  目視で4気筒とも揃えたら、元通りに組み付けます。ここで、パイロットスクリューは標準戻し値の1+3/4に全ての気筒をあわせておきます。

スクリューの先端をつぶさないよう、締めすぎには注意しましょう。

写真は、キャブを組み付けて「自作バキュームゲージ」を取り付けたところです。また、ガソリン供給用にボトルを取付け、#2インマニの負圧取り出し用ホースにドライバーなどを突き刺し、空気を吸わないようしておきます。(写真ではまだ刺さっていません。)

 「自作バキュームゲージ」はメーターが1つしかありませんが、市販品のゲージでは4連ゲージもあります。

コックを切替ながら、4気筒の負圧を揃えます。

調節ネジは各気筒間に計3箇所ありますが、この調節にはプラスドライバーが必要です。あらかじめネジの位置とドライバーの大きさを確認しておきましょう。

あとは、負圧取出し口のキャップを元通りにして、1次調整の作業完了です。タンク、カウルなどを元通りに組み付けましょう。

仮付け
  次に暖機をしたら、今度はパイロットスクリューで微調整となります。負圧調整でゲージがぴったりそろったら、ここではあまり触る必要もないですが、まず、手順から。

1.アイドリングアジャスターでアイドリングを3000回転くらいにセットします。
2.#3気筒のパイロットスクリューをゆっくり開けていき、回転数が高くなり始めた時のスクリュー  の回転数を覚えておきます。(書き留めておくほうがベター)
3.次に#2、#4、#1の順で同様の作業を行う。

各気筒がそろってくると、回転数が高くなってくるので、随時低く調節しなおして作業を続けます。全ての気筒が終わると、調整完了です。

この調整だと、少し濃い目になるみたいなので、あとはお好みで薄めにふってもらえばいいと思います。ただ、調節時に「今何回転まわしているか」をはっきり数えていないと初めからやり直しとなるので、気をつけて!

おしり  ←自作フィルター(右)と純正フィルター(左)です。湿式で自作しましたが、経年劣化でくたびれてきたので、新品とバトンタッチしました。見た目は悪いですが、しっかり仕事してくれました。
  POINT
 #1 回転数

  パイロットスクリューの戻し量は、書き留めておくようにしましょう。また、ドライバーの先に油性ペンなどで90度ずつ印をつけておくと、回転数がわかりやすいです。電動ドライバー用の六角ビットを使用すると、1/6回転ずつがわかりやすくなります。

 #2 エンジンの熱

  同期調整の作業はなれないと何かと戸惑ってしまい、時間がかかってしまいます。その時間中もどんどんエンジンが熱くなり、調整もしづらくなります。また、エンジンの熱でガソリンの気化も促進され、正しい調整が出来なくなります。特に夏季での調整は扇風機などで風を送るなどの対応も大事です。

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