はじめに

症状の回復は、らせん状に進む


2002年10月05日(土)

症状が、すごく ひどかった頃…、
次々と湧いてくる不安と恐怖感に 振り回されて、
不安を鎮めようとする強迫行為を 続けること 「だけ」 に
丸一日
が費やされる。 そんな日が 何日も何日も続いた…。

他のことを考える余裕なんて、ほとんどなかった。
…気がついたら、たくさんのものを失ってた。
目に見えるモノも 見えないモノも…、根無し草みたい。

症状が少しだけおさまると、自己嫌悪の日々が始まった…。
さんざん悩んだ。 症状だって、まだまだ ひどかったし、
症状が吹き出した初期とは、また別の苦しさがあった。
一歩すすんで五歩さがる…みたいなのを 何回も繰り返した。

ありがたいことに、2〜3年前頃から、
不安感も少しずつ和らいできた。 でも やっぱり、
せっかく 爪を立てるようにして登ってきた崖から、
一気に、ズズズーー……って、ふもと近くまで、
落ちてしまうことが、何回かあった。

私は、症状の回復は “らせん状” に進むような気がする。
マシになっても、大きく後退する時期が 何度もやってくる。
それでも、同じところを回る “円” じゃない、
回りながら進んでいく “らせん” だと思う。




いろんな思いをしたから、
今は、人のちょっとした心遣いが、身に浸みるように嬉しい。
暑い時に 涼めるだけでも、嬉しいし、
寒い時に 重ね着できるだけでも、嬉しい。

症状のせいで、 当たり前のことができず、
そんなことさえ、ままならない時期が長かったから。

いろんな思いをしてきた人は、
そうでない人が見過ごしてしまう 大切な幸せを
ちゃんと感じ取れるように なってるんだと思う。
その感覚は、ずっと 忘れたくないって思ってる。

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