FZ10・FZ20情報集積所 簡易スコープ(照準器)

※このページはFZ10用に作成しましたが、FZ20でも適用されますので、記事中のFZ10をFZ20と読み換えてご覧下さい。
 飛んでいるツバメを撮る」のページで紹介させていただいたとおり、スコープは移動体をフレームに捉え続けることにおいて、その威力は強力です。私のような初心者にはとても心強い味方です。このページでは、超簡単なスコープの作り方、使い方、照準の合わせ方やその理論をご紹介します。市販されているスコープ、コンバット45についてはこちらを参照してください。
1分で出来る超簡単スコープの作り方
●用意するもの・・・割り箸1つ、輪ゴム2個、紙切れ1枚(B5の半分もあれば十分、新聞の折り込み広告でも何でも良い)
作り方・・・FZ10の外部ストロボを取り付ける部分に割り箸を輪ゴムで取り付けるだけです。輪ゴムは1重だと弱いので2重に巻いてください。紙切れは照準合わせのときに使います。
●完成写真
撮影方法
割り箸の溝に沿って手前側と奥側の延長線上に被写体が来るようにしてシャッターを切ります。カメラ本体のファインダーは覗きません。
構え方は以下のような感じです。カメラを顔から少し離した方が照準を合わせやすいと思います。カメラがぶれないように脇を締めて撮影します。
照準の理論
まずは下の絵を見てください。これは照準を正しく合わせた状態のカメラを横から見た絵です。青いのが割り箸です。割り箸に沿って見る視線と被写体を捉えているカメラの光軸が被写体のところで一致しています。こうすることで、被写体をフレーム内に捉えることが出来るわけです。
もし、下の絵のように視線と光軸が被写体のところで合っていない状態のままで撮影しようとすると、
このように、カメラは被写体とは離れた方を向くことになり、フレーム内に捉えることが出来なくなってしまいます。
ですから、一番上の絵のようにカメラの光軸とスコープの視線を出来るだけ正確に一致させなくてはならないのです。もう一つ注意しなくてはならないことは、被写体までの距離が変われば、照準もそれに合わせて変えなければならないということです。下の絵は被写体までの距離が変わると割り箸の角度を変えなくてはならないことを現したものです。
いろいろ計算した結果、被写体までの距離が10mを越えると、それ以上はどの距離にあっても(たとえ1km先のものでも)、照準は変える必要がないことがわかりました。5mから10mではごくわずかな差がありますが、見るときの誤差の範囲内にあります。2mから5mまでの場合は、距離によって徐々に照準を変える必要があります。この点については、私が自作したスコープのところで詳しく説明します。ここでは、被写体までの距離が5m以上であれば一度照準を合わせれば、距離によって照準を合わせ直す必要はないということと、5mより近い場合は照準を合わせなおす必要があるということを覚えてください。
照準の合わせ方
照準を合わせるには、左右の照準と上下の照準の両方を合わせなくてはなりません。まず下の絵のように割り箸の角度を左右に振って光軸に合うように調整します。合わせるときは、ファインダーと割り箸を交互に見ながら、ファインダーの中央に見えているものに割り箸を慎重に合わせます。

カメラを上から見た図
次に上下方向を合わせますが、この時に、最初に準備した紙切れを挟んで調整します。厚さが足りないときは紙を折ることで調整します。最終的な確認として、スコープを覗きながら実際に撮影してみます。この時狙った被写体が真ん中に写っていたら、照準は合っていることになります。ずれていたら微調整をして下さい。
割り箸スコープでどれくらい撮れるか?
自宅前を飛んでいた蝶々を撮ってみました。途中で木の後ろに隠れて見失いそうになりましたが、視野が開けているのですぐに見つけられました。上のような簡単なスコープでもその威力は変わりません。
割り箸スコープのメリットとデメリット
メリットはなんといってもほとんどタダ同然で出来ること、何も加工する必要がないこと、アッという間に出来ることでしょう。それでいて効果はちゃんと得られます。しかし、輪ゴムで固定しているだけなので、ずれやすいことがネックです。ずれたら、また照準を合わせ直さなければなりません。そこで、このずれやすいという問題点を解消するために、自作したのが、以下でご紹介するカメラのホットシューに差し込んで固定する方式のものです。
自作スコープ
カメラに取り付けるとこんな感じです。テレコンをつけても干渉しませんし、ワイド端でスコープが写りこむこともありません。
照準は割り箸スコープよりも正確にしかも簡単に合わせられます。下図の(1)のボルトの長さで上下方向の照準を合わせるだけです。一度合わせたら、ずれることはありません。
ホットシューに差し込む部分はこんな感じで、しっくりと入るように精密に加工してあります。
被写体までの距離の違いによる照準の微調整の詳細
私が自作したスコープは、被写体までの距離が変わると以下のように照準部の高さを変える必要があります。
ここで(1)の高さを13mmに固定すると、被写体までの距離が2mのとき(2)の高さは11.8mmとなります。
被写体までの距離が5mのとき(2)の高さは12.4mmです。
被写体までの距離が10mのとき(2)の高さは13.0mmです。
被写体までの距離が10m以上ならあとはどれだけ離れても(2)の高さは13.0mmのままです。
他のユーザーの自作スコープ
他のユーザーの方もいろいろ工夫してスコープを自作していらっしゃいます。それぞれ長所短所があると思いますが、これから自分で作ろうと思われる方は参考になさって下さい。
fss2301さん・・・100均ショップで売っている単眼鏡を改造してホットシューに取り付けるタイプ
おすぷれいさん・・・ビクセンの8×16、8゜の単眼鏡をバウンズリフレクター装着用のアクセサリーシュー装着具に両面テープで取り付けるタイプ
TRUEWAYさん・・・完全自作のファインダー透視型スコープ。スコープの視野とファインダーの視野を重ね合わせて見ることができ、AFにも使える優れた機能を持っていますが、加工精度などが要求されます。ホットシュー取り付けタイプのものも作られています。
CenturyBoyさん・・・市販のドットサイトをホットシューに取り付けたもの
1100Rさん・・・100均ショップで売っている単眼鏡を改造してホットシューに取り付けるタイプ
自作オープンサイト・・・FZ10ではありませんが、簡単な自作スコープで照準合わせも不要な優れたタイプです
市販のスコープ(照準器)
カメラ用ではないのでカメラに取り付ける工夫が必要です。
スカイサーファーV
スカイサーファーの説明が載っているページ
ドットサイト(ダットサイト)
ドットサイト(ダットサイト)の説明が載っているページ
ちょっと一工夫に戻る
2004/7/29作成
2004/8/5追記
2004/8/18改定
2005/5/18追記(コンバット45)