ショートスキー用語解説
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スキーには普段聞きなれない専門用語がたくさん存在します。
私はなかなか雪山へ行くことができないウップン晴らしに定期的に出版されるスキー専門誌を読みますが、まったくの素人さんがいきなりそれを読んでもよくわからないだろうなと思うことがあります。
スキッディングターン、迎え角、ピボット動作、コンケーブ。
上の用語を見てきちんと説明できる人がどれぐらい居るでしょう?このサイトを利用していただいているということは、全くわからないもしくは聞いたことぐらいはあるという方がほとんどのはずです。(情報発信側の私がわかりやすく説明しろと言われてもできないのだから、そうであってほしい・・・。)
アスリートやサービスマン、スキーメーカーやショップの店員として今後なんらかの形でスキーに関連してそれを職業にするのであれば話は別ですが、はっきり言ってそこまで理解する必要はないと思います。
もし、一般の趣味スキーヤーである私が専門誌に出てくるような用語を隅から隅まで覚えようとしたら、全て理解した頃にはもうスキーを嫌いになっている恐れすらあります。
しかしながら、スキーをやる以上最低限は覚えておいた方が良いと思われる用語もあります。
用具を購入する時に役に立ったり、彼女の前で軽く知っている風を装ったり、現地までの長いドライブ中のスキーネタでの会話が楽しくなるなどちょっとしたことですが、知っていて損は無いということで基本のショートスキー用語解説をします。
ここでは基礎中の基礎と思われる用語のみにスポットを当てますが、これだけ覚えておけばまず大丈夫です。
相当マニアックな話でなければ大体の話は理解できるはずです。これより先に進もうとする方はすでにどっぷりとスキーにはまってしまっていること間違いなしで、スキー専門誌やもっとマニアックなスキー関連サイトですでに情報を得ていることでしょう。
普段は比較的何ごとにも無頓着なのに、スキーについては(スキー用具についてはと言った方が良い人もいます。)こだわりが非常に強い人がいます。スキーに魅せられた者はどうも最終的にはスキーオタクへの道を歩んでいくことになっているようです。
知れば知るほど面白いと思う反面、できればショートスキーをする時はあまり頭でっかちにならないで気軽な感じでやってほしいという本音もあって、そのバランスが難しいところです。
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ショートスキー(板、ビンディング)編
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滑走面(ソール)とは
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スキー裏側の面のことです。
文字通り滑走するための面で、このソールの状態によってスキーが良く滑ったり、あまり滑らなかったりします。最近の主流はブラックソールと呼ばれる黒色の滑走面ですが、透明な素材のものもありカラフルな絵が描かれているソールなどもあります。
一般的にはブラックソールが滑走性に優れる33と言われますが、かっこいいデザインが描かれているソールは滑っている時は当然見えませんが、休憩している時やエア台でチラッと見えるのが渋いんですよね〜。
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エッジとは
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スキー裏面の両側に付いている1〜2mm程度の厚さの金属のことです。
スキーの内(親指)側のエッジをインエッジ、外(小指)側のエッジをアウトエッジと言います。これが無いと止まれないし、曲がれません。非常に止まりにくいし、曲がりにくいと言ったほうが良いでしょうか?クロスカントリー用のスキー板や子供用のプラスッチク板にはエッジはありません。(笑)
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トップとは
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板のスキー進行方向に対して前側部分のことです。
ショートスキーの頭にあたる部分ですね。
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センターとは
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板の真ん中あたりの部分のことです。
ビンディングの取り付けられてあるあたりです。
ショートスキーのお腹にあたる部分です。
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テールとは
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板のスキー進行方向に対して後側部分のことです。
ショートスキーのお尻にあたる部分です。
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サイドカーブとは
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板のトップからテールにかけての曲線のことです。
スキー板の形状はトップは幅が広くて、センターで狭くなり、テールでもう一度幅が広くなります。
回転半径とも呼ばれ、カタログなどには「R」という値で載っています。これはサイドカーブのみを利用して回転した場合の弧の半径を示した数字で、小さいほどスキー板のカーブがきつく,大きいほどカーブがゆるやかだということです。
よく女の人の体型に例えて、昔の板は寸胴で最近の板はくびれのあるグラマーなボディーと表現されることがあります。
1m足らずの短いショートスキーにもきちんとサイドカーブがあります。しかもショートスキーのくびれは普通のスキーよりきついものが多いんです。普通のスキーの中でも最近のカービングスキーと呼ばれる板でもR=20m前後のところが、ファンスキーの場合は6m〜7m程度しかないものが多いです。
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ビンディングとは
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スキー板とブーツを止める用具のことです。
爪先側を固定するトゥーピースと踵側を固定するヒールピースと呼ばれる2つの器具でできています。
ファンスキーの場合は板とビンディングが一体になっている固定式(簡易式とも言う)が多いです。
長いスキー板に取り付けられているビンディングには足に変な方向からの力が加わると板が外れてしまうという開放機能がありますが、固定式のビンディングにはありません。また、固定式には板が外れた時の流れ止めの装置であるスキーストッパーも付いていないので、代わりにリューシュコードが付いています。
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リューシュコードとは
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スキー板の流れ止めのことです。
片方の端がビンディングの一部に固定されていて、もう一方の端を足など自分の身体の一部へ取り付けておきます。スキーには馴染みが少ないものですが、スノーボードには必ず付いているので、名前は知らなくても見たことはあるのでは?
ビンディング一体型のファンスキーの場合はスキーストッパーがないので、必ずこのリーシュコードが付いています。
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ブーツ編
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スキーブーツとは
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スキーをする時に履く靴のことです。
シェルとインナーの二重構造になっています。
現在主に市販されているスキーブーツのほとんどがフロントバックル型と呼ばれる足の甲と脛のバックルで固定するタイプです。他にはリアエントリー型と呼ばれるシェルが前後にパカッと大きく開くタイプや最近では従来のシェルに柔らかい素材を組み合わせたソフトブーツといったスキーブーツもあります。
スノーブレードの大流行時にはスノーブレード専用ブーツなるブーツもスキー場ではよく見かけました。
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シェルとは
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スキーブーツの一番外側を覆っている硬い素材のことです。
以前はプラスチック製だったのですが、現在はポリウレタンという素材が多く使われています。スキーブーツの形状が自分の足型にフィットせず足に当たって痛い場合はスキーショップへ持っていけばシェルの一部を削ったり膨らませたりして当たらないようにしてくれます。
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インナーとは
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スキーブーツの内側に入っている柔らかい靴のようなものことです。
ブーツのシェルは硬い素材なので痛くて直接履くのは不可能です。そこでクッションの役割と保温効果のために柔らかいインナーが必要です。上級者になるとフィット性とホールド性を高めるために液剤をインナーに注入して足型を造るフォーミングと呼ばれることをしたりします。
インナーはブーツから取り外すことができますので、滑って濡れた後は必ず取り出して乾かすようにしましょう。へたって使えなくなる前に、臭くて使えなくなる場合があります。(笑)
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インソールとは
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インナーの底に敷く中敷のことです。
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バックルとは
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ブーツをきちんと締めるための留め金です。
靴に靴ひもがあるようにブーツにはバックルがあるのです。最近は足の甲の部分に2箇所と脛の部分に2箇所の4バックルのタイプのものがほとんどです。
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ソールサイズとは
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スキーブーツ底面の縦の長さです。
ブーツの底や側面下側などにわかりにくく書かれてあるサイズです。
自分の履いているブーツのソールサイズはきちんと把握しておきましょう。ビンディングの調整などの時に必要になる時があります。
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カント調整とは
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スキーブーツの傾きを調整する機構のことです。
スキー板を真上から真っ直ぐに踏むために、スキーブーツを脚の形状に合った傾きに調整する必要があります。がに股の人も内股の人もスキーブーツを履いて真っ直ぐ立てる状態にしてくれるということです。
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テクニック編
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ターンとは
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スキーを使って弧を描くように左右に曲がることです。
ターンは角付け、回旋、荷重から成り立っています。(あくまで理論上は・・・)
簡単に言うと、スキーのエッジを立てて捻って乗り込むという動作でスキーは曲がってくれるはずだということです。文字にすると本当に簡単です。(笑)
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エッジングとは
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エッジを立てて荷重(雪に圧力を加える)することです。
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荷重とは
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自分の体重を板に乗せていくことです。
「カジュウ」と読みます。スキー解説書などには自らの運動で加圧することを「加重」として、「荷重」とは区別することが多いようです。
この違いはたぶん相当上級者にならないとわからないと思われるので、あまり気にせずに流しましょう。
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角付けとは
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雪面に板の角(エッジ)を立てることです。
「カドヅケ」と読みます。(カクヅケではありません。)
角を立てる動作のみのことでエッジングとは微妙にニュアンスが違うようです。
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回旋とは
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股(内もも)を捻る力を使って、板の向きを変えていくことです。
「カイセン」と読みます。
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切り替えとは
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ターンとターンの間で左右のエッジを乗り換える動作のことです。
ターンを滑らかに連続するためにとても重要な動作です。切り替えをしないことには右へ曲がったら右へ曲がりっぱなし、左へ曲がったら左へ曲がりっぱなし状態になってしまいます。
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クロスオーバーとは
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上体(体の重心)とスキー板の位置を入れ替える動作のことです。
次のターン弧の内側に積極的に上体を落としていく運動をすること。ターン後半に山側に残っている重心を切り替え時に谷側へ移動させること。
名前のとおりスキー板と体の重心がクロス(交差)しながらオーバーしていく(越えていく動き)動作です。
文字にすると表現が難しい動作なのですが、考えられることを色々書いてみました。それでもわかりにくいと思いますが、スキーでスムーズに効率よく滑るためにとても重要な動作です。イメージ力を存分に働かせてなんとか理解してください。
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スタンスとは
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滑るときの両足の位置のことです。
ゴルフや野球ではオープンスタンス、クローズスタンスなど向きについての使われ方が多いですが、スキーでは特に両足の間隔について「ナチュラルスタンス、スタンスを肩幅にする」とか「スタンスが広い、狭い」などという使われ方をします。
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カービングターンとは
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ズレのない、もしくはズレの少ないターンのことです。
もっと専門的なサイトではより具体的に説明してくれていると思いますが、奥が深すぎるのでザックリとこの程度の理解で十分です。
昔はカービングターンと言えばプロスキーヤーのみが成せる至極の技でしたが、カービングスキーという画期的なスキー板が出回り始めて一般スキーヤーにでもがんばれば手が届くものになってきました。
カービングスキーはトップとテールの幅が広く、その用途やサイドカーブのきつさなどでイージーカーブ、エクストリームカーブ、ピュアカーブ、レースカーブの4タイプに大まかに分かれます。きちんとした基準はないようですが、よくサイドカーブが R20(半径20m)未満のものを指してカービングスキーと呼ぶことが多いようです。
ファンスキーについてはこれらのカービングスキーよりももっとサイドカーブがきつく設計されているので、当然練習を積めばカービングターンもできるということになります。
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スケーティングとは
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スキーをスケートで滑る時のように左右にスライドさせて滑ることです。
ショートスキーの場合は板がかなり短く、ストックも持たないので、感覚的にはスケーティングはスケートとほぼ同じといっても良いぐらいです。
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後傾とは
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斜面に対して上体が後ろに遅れている姿勢のことです。
特に初心者から中級者ぐらいまでに嫌というほど耳にする単語になると思います。普通の人は大抵は地球に対して垂直に立とうとするのが当たり前で、普通に滑れば必ず後傾になるのです。前に倒れるぐらい寄りかかっている気分でちょうど斜面に垂直と思ってください。
簡単に何が悪いかと言うと、スキーの前の部分が浮いた状態になってしまうので、正確にコントロールができなくなったり、暴走したりします。
ショートスキーの場合は板が短いので前後への傾きには少しシビアです。多少後傾気味でも普通のスキーであればスキーのテール部分に寄りかかりながらそれなりに滑っていたものが、寄りかかる部分が少ないので足から引っこ抜かれたように後に倒れて後頭部を強打する恐れがあります。
ちなみに前傾とは後傾の逆で、斜面に対して上体が前に傾いた姿勢のことです。
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X脚とは
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前から見て足の形がXの形になることです。
ようするに内股のことです。「エックスキャク」と読みます。(間違ってバツアシと読まないようにしてください。)
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内倒とは
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上体がターンの内側に倒れる姿勢のことです。
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フォールラインとは
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斜面の上からボールを転がして自然と滑り落ちていく道筋(方向)のことです。
最大傾斜線とも言います。
フォール(落ちていく)ライン(線)と覚えておけば良いかと
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外向傾とは
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ターン中にスキー板の向いている方向に対してそれよりもターン外側に上体を向けている姿勢のことです。
「ガイコウケイ」と読みます。
スキーのハウツー本でまず載っていない事は無いと言えるスキーを滑るうえで重要な要素の1つです。外向傾をとることで外スキーにしっかり乗ることができます。外向傾についてもかなり難しい話まで掲載されているサイトがたくさんありますので、調べたい人は研究してみては?(とりあえずこの程度の知識で十分かと思いますが)
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ローテーションとは
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ターン中にスキー板の向いている方向に対してそれよりもターン内側に上体を向けている姿勢のことです。
rotationとは回転することという意味があり、体が進行方向より回転している状態のことを指します。
どちらかと言うと、ターン後半に必要以上に体が回ってしまうことで悪い動作として使われることが多かったのですが、場合によってはローテーションも有効に使うという指導をすることも多いようです。
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外足とは
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ターンの時に弧の外側にある足のことです。
左側に曲がる時の右足、右側に曲がる時の左足です。
ちなみに内足とは外足の逆で、ターンの時に弧の内側にある足のことです。
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山側とは
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スキーヤーより高い位置(山頂に近い方向)にある斜面のことです。
ちなみに谷側とは山側の逆で、スキーヤーより低い位置(麓に近い方向)にある斜面のことです。
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山回りとは
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ターン中で板が真下を向いた状態から次の切り替えまでのところのことです。
ターンを半円とするとその後半の半分の部分のことをこう呼びます。
ちなみに谷回りとは山回りの逆で、ターン中で切り替えてから板が真下に向くまでのところのことです。
ターンを半円とするとその前半の半分の部分のことをこう呼びます。
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スキーメーカー名編(おまけ)
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用具や技術の用語名称からは話がそれますが、自分の持っているスキー用具の生産メーカーぐらいはきちんと言えるようにしておきましょう。
自分で買っておきながらどこのメーカーのものかわからなかったり、読み方が間違っていたりしては恥ずかしい思いをします。
特にスキーメーカーは元々がヨーロッパの会社であったりするケースが多いので名前も難しかったりします。安易にローマ字読みなんてしようものなら見当違いの名前になってしまいます。
ここで説明するのは有名スキーメーカーで読み方がちょっと難しいかなと思われるものだけです。(詳しい各メーカーの解説はメーカー公式サイトで確認してね。)
知らないと読めないレベル
ROSSIGNOL ロシニョール
VOLKL フォルクル
STOECLI ストックリー
REUSCH ロイシュ
GRIO ジロ
ちょっと不安レベル
LINE ライン
CONQUEST コンケスト
HOLMENKOL ホルメンコール
DESCENTE デサント
KNEISSL クナイスル
LANGE ラング
DYNASTAR ディナスター
PHENIX フェニックス
UVEX ウベックス
bolle ボレ
AXE アックス
下手すると間違えかねないレベル
TRANSONIC トランソニック
SWALLOW スワロー
BLUEMORIS ブルーモリス
CARRERA カレラ
DOMINATOR ドミネーター
GALLIUM ガリウム
WEPS ウェプス
MUTANT ミュータント
HESTRA ヘストラ
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