SDRの原理

付属のエレメント長12cmのホイップアンテナです。計算上は2.5GHzになります。
赤外線リモコンも同梱されていました。


 SDRのメイン技術は直交変復調です。一見新しい技術のように見えますが、FMラジオでのクワードラーチャー検波などは昔からありますし、ハイビジョン放送、携帯電話、無線LAN等も直交だらけです。直交信号でダイレクトコンバージョンすると、イメージ妨害波がなくなるのが最大のメリットです。
 イメージ妨害とは次のようなものです。受信周波数をfc、局発周波数をf
とすると中間周波数fは、fc−又はf-fcとなります。ミキサーが非直線性の回路であるため、fcとfがミキサーに入ることによって出力には色んな成分が出てくるのですが、フィルタ回路を経て結果的に差の周波数を得ます。
 妨害波の周波数fc+2f
とfがミキサーに入ると、出力にはfが生じて妨害波も検波してしまうことになります。混信です。
 SDRではダイレクトコンバージョンすれば次のようになります。局発を0°と90°に分け、入力波と混合してベースバンドのI信号(Inphase)と、Q(Quadrature)信号を得て処理をします。
      m=√(I2+Q2)
      φ=tan-1(Q/I) 
mは振幅、φは位相でI,Qで表せます。I,Q信号の処理はハード処理するものと、ソフトウエアで処理するものがあります。ハード的にはI,QをA/D変換後DSPで処理します。ソフトとしてはI,Qをパソコンの音声ボードに入力して処理します。結局同じことをしているらしいのですが。

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AM/FMラジオのBAND拡張
DVB-TドングルでSDR
CQ誌付録7MSDR基板
ジャンク品のSDR

 バンド切り替スイッチSw1をSWにするとSWが優先となりFMとAMは機能しません。Sw1をオフにするとSw2でFMとAMの選択をします。電源は単3アルカリ電池2本です。

 元々はバンド切り替えはFMとAMの2バンドでしたが、これにSWを追加して3バンドにするため3回路の切り替えスイッチが必要ですがありませんでしたので、スナップスイッチを2個使うことにしました。
このスイッチ回路の抵抗で3バンドの受信ができるようになりました。改造の結果SGで測ってFMは87〜108M、AMは510〜1710Kとなりました。SWはディップメータで測り8.4〜12Mでした。

動作確認

アンテナのコネクタはMCXです。

 右の写真は74AC74のQと−Q出力で90°の位相差があります。AC04の14ピンと7ピンの間は電解とセラコン(4.7uF、0.01uF)でデカップしています。これで波形が安定しました。

 この基板の回路は局発が28Mの水晶発振器で74AC74で2ビットのジョンソンカウンタを構成し0°と90°に移相した出力とANTからの7Mキャリアを4066でMIXしOPアンプでフィルタリングするというものです。

 しかし、このままでは見栄えがよろしくないので28.224MHzの発振器を入手しましたので入れ替えました。波形観測するとほぼ同じでした。しかし、基板は見違えるほどすっきりします。確認はFT100で7.04MHzを出したものとSSGで出したものとで確認しました。




 水晶発振器に入れ替え後の基板と回路図です。

 書棚の隅っこにAM/FMの2バンドラジオが眠っていましたので分解しました。FMは上限は90Mまでです。中身はSi4825というAM/FM/SWの3バンドのレシーバーICでSDRです。ラジオとしては2バンドで8002というパワーアンプのICも使われていました。WFMとSWを聞きたいと思ってましたので改造によりWFM化とSW追加を試みました。

 RTL2832のドライバが入っている付属のCDです。全部で1,780円(税別)でした。

十分楽しめました。アンテナ次第で用途も広がっていくと思います。

水晶は28.1Mの刻印がありました。

R820Tです。低ノイズアンプ、ミキサー、PLL、VGA、レギュレーター、トラッキングフィルターを内蔵するシリコンチューナーです。
 REALTECのRTL2832Uです。DVB-T信号を復調しUSBバスでコンピュータに送ります。I/Qサンプルをキャプチャーしコンピュータに転送し復調、再生するFM受信のモードもあります。

蓋をあけるとこんな感じです。

SGから3KHzデビエーションで1KHz変調波を入力したときの最低周波数は25MHzでした。SG出力は200uv/mで、ドングルのアンテナにワニ口で挟んで測りました。

同じく最高周波数は1550MHzでした。

NHKのFM放送を受信しているときの表示です。検波はWFMです。

 受信スペクトラムの画面です。中央の盛り上がっている部分が受信波です。数キロ離れた山頂にNHKの送信アンテナ(双ループ)があるので、アンテナエレメントなしでも受信できます。

 DVB-Tドングルを使ったSDR#での受信が盛んに行われています。スペクトラムから受信波を見つけてキャプチャーできるというのが魅力です。このDVB-Tドングルはパソコン用のワンセグ地デジチューナーです。ただし日本では使用できません。日本の地デジはISDB-Tだからです。DVB-Tは英国を含む欧州で使用されている規格です。このドングルをSDR#で受信できるということで普及したようです。SDR#の導入方法についてはアイコムのホームページに詳しく記載されています。ルートはトップ>個人のお客様>週刊ビーコン>Onlineトーキング>No.153「超かんたんSDR(ソフトウエアラジオ)入門」

 表示部は、4桁の7セグ赤色LEDで小さなファンクション表示もあります。このマイクロコンポはオペアンプでオーディオを作るの音源に使用しました。
 下図は5807の回路構成です。DSPはMCUによって制御されていますが、MCUとはI2Cでつながっています。SDRの基本構成です。局発を同相と90度移相したものにわけ、入力波と混合し、ベースバンドに変換後A/D変換しDSPで処理しています。このマイクロコンポを1個1Kで購入して、いじくり回してるうちに潰れてしまいましたので、後日もう1個購入して、現在OP AMPのパワーアンプにつないで使用しています。

 デジットのジャンク品売り場で見つけた、マイクロコンポに使われていたSDRのIC 5807NNです。このコンポのソースはFM放送、SDカード、USBメモリーで、ATMELの256バイトEEPROM 24C02、パワーアンプ8002×2、CECL08(MCU)で構成されています。

 '06年12月のCQ誌の付録に、7MSDRの基板がついていました。発振器が入手できなかったので28Mの水晶をAC04で発振ブロックを構成していましたが、その後28.224MHzの発振器を入手し入替えました。これでSDRを体験することができます。

回路図

 数式で表すと次のようになります。
被変調波=A{cosωct+m/2(cos(ωc+ωs)t)+m/2(cos(ωc-ωs)t)}
Aはキャリアの振幅、mは変調度で変調信号の振幅/キャリアの振幅,ωcはキャリアの角周波数、ωsは変調信号の角周波数です。
1項がキャリア、2項がupper sideband,3項がlower sidebandです。

 信号としての7MHzはFT-100から7.04MHzを出しマイクで適当に変調をかけます。

 ROCKY2.0の画面の7.04MHzにLSBの音声が乗っていることが確認できます。





 次にSDRadioで確認しました。7M入力をSSGから1KHz30%AM変調で行った結果です。中央のキャリアから左右に1KHz離れた位置にUSB,LSBが確認されました。

 確認はソフトウエアラジオRocky2.0およびSDRadioで行いました。ソフトウエアラジオをインストールしてあるパソコンはOSがXPのレッツノートCF-R6です。このパソコンはLINE入力がありませんがマイク入力がステレオですので基板からマイク入力にステレオ用のコードで接続します。