第七十一回
超短い。個人的にはこんなの好きなんですが・・・

信者「神について説明させて頂けませんか?」

柳生「いらぬ。やがては俺がなる」

信者「貴方は神を信じますか?」

皆守「カレーなら信じる」

信者「神の居られる天の国まで祈りを届けましょう」

九龍「神さまなら僕の部屋でゴロゴロしとるよ」

信者「貴方にとって神とは何ですか?」

壬生「恋人ですが。何か?」

信者「神よどうか我々を救いたまえ」

龍麻「ちょっと忙しいから明日でいい?」

第七十二回
魔人の世界は人外多そうですが、九龍の世界は少なそう


龍麻が葉書をピラピラさせて一言。
「壬生、集わないか?」

「・・・・どういう意味ですか?」
「あるやん、「毛根の集い」とか「生え際を考える会」とかそんなん」
「・・・その例題には引っかかる物があるんだけど」
「まーまー、そんな事は置いといて。今日、葉書が来てた。お前にピッタリのん」
「何?暗殺者の集い?」
「何だその黒そうな集まりは、違うがな。ん」
「ありがと」

渡された葉書には大きくゴシック体で。

【第一回。人外の恋人・夫・妻を持つ人の集い】

「・・・・・・・・・」
「ホレ。ピッタリ」
「・・・・・・・え?集まる程居るの?」

集まる程、居たりする

「ただいま」
「おかえり、どやった?」
「うん、色んな人と言うか・・・色んなモノと付き合ってる人が居たよ」
「そうかそうか、異文化コミュニケーション」

「その中で恋人がサンタクロースな人が居たんだけど・・・・龍麻」
「何?」
「サンタって・・・種族なの?」
「ああ、サンタクロース族な。当たり前やん」
「・・・・やっぱりそうなんだ」
「バカだなー。そうじゃなければ、街に蔓延るサンタを何だと思っていたのさ」
「龍麻。街に居るのは職業サンタです」
「何ですと!!!!」

サンタクロース族。妖精の一種。12月になると忙しくなる

「それでね、龍麻」
「何かね、壬生くん」
「初会合だったから、皆で自己紹介と付き合ってる相手の種族と簡単な悩み相談みたいな事をしたんだけどね」
「ほう」

「浮気性は種族の問題じゃなくて本人のモラルの問題だって言われたよ」

「そんな事はありません!神ゆえの博愛主義がもたらした副作用です!サンタとか妖精とかとは価値観が違うのです」
「土地神と付き合ってる人が言ってました」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・さて、寝てくるか」
「まだ、夕方の5時です」

「龍麻。ゆっっっっっくり話し合おうか」
「絶対いや!!」

それから数日後。

ポストに葉書一通。
葉書には美しい行書体で。

【第78952648112回。T人間と付き合ってる人外の会U定例お茶会のお知らせ】

「・・・・・・」
「おう、壬生。それは僕のだ」
「・・・・歴史長いね」
「そら、寿命違うしな」
「・・・・・・・・」
「・・・・何?」
「その葉書が来るって事は僕の前にも居たんだね・・・・」
「え?あ?」
「・・・・・・・・・・(パタン)」
「床下収納庫に収まるな!前の器時代からの流れだ!この体ではお前が初!!」
「・・・・・・・しくしくしく」
「信じろや!!収納庫割るぞ!!!!!」

ちなみに初は付き合ったのが初
初体験とは別物

おまけ(未使用)

「あ、神鳳くん。おかえりー」
「お前が外出なんて珍しいな」
「ええ、ちょっとした寄り合いに。・・・超充実しました」

(神鳳くんが輝いてる!)
(何だ?!何処に行ってたんだ??)

もちろん壬生と同じ所です

第七十三回
ウチの社会人コンビは仲良しです

神鳳「九龍くん」
九龍「はいな?」
神鳳「外出許可書は有休届けじゃないので『私用』は理由になりません」
九龍「おや。えーっとそいでは・・・結婚式?」
喪部「結婚式参列だね」
皆守「なんだ二人とも結婚式かよ」
九龍「そうそう、新婦が僕側で新郎が喪部側なんよ」
皆守「つまり・・・」
喪部「新郎がレリックドーンの工作員で、新婦がロゼッタのハンター」
神鳳「それはまた」
九龍「何というか出会いが限られるから、よくある事だよ」
皆守「・・・よくあるのか」
九龍「ロゼッタ女性は職場結婚を嫌がるから」
皆守「・・・本当に他に出会いが無いんだな」
九龍「無い。年中遺跡の中の人間に出会いなど無い。僕の同僚は「もうこの際女型してるなら化人でも可」と言いだした」
皆守「そこまで!!」

喪部「さて、明日の待ち合わせは何時にする?」
九龍「朝の10時にタクシー呼びましたがね」
喪部「じゃあ、それで」
皆守「一緒に行くのかよ」
九龍「タク代割るから」
神鳳「合理的ですね」
皆守「まー、楽しんでこい」
九龍「はいな」
喪部「ところで、明日防弾ベストは持っていく?着て行く?」
九龍「僕のん薄いから着て行く」
喪部「やっぱり着て行く方が身軽かな」
皆守「結婚式に要るのか防弾ベストが!」
九龍「要る。ゆーか、前も要った」
喪部「武器はどれにした?」
九龍「結婚式やからラーの杖」
神鳳「いいですね。お祝いムード満点で」
九龍「ねー」
皆守「武器用意した時点でお祝いムードじゃないだろ!」

当日の晩。

九龍「ただいまー」
神鳳&皆守「おかえり」
神鳳「楽しかったですか?」
九龍「楽しかったよー」
皆守「あからさまに銃痕ついてんだが・・・」
喪部「葉佩くん、自分の引き出物は持って入ってくれないかな」
九龍「あ、すまんす」
皆守「喪部、半分焦げてるぞ・・・・」
九龍「これ引き出物ー」
皆守(無視された)
九龍「赤飯とー、T寿U書かれたバームクーヘンとー」
神鳳「ベタベタな引き出物ですね」
九龍「んで、これが・・・・的」
神鳳「マト?」
九龍「正しくはケーキ皿5枚組。ただし、新郎新婦のラブラブ写真印刷アリ」
神鳳「それは・・・・的ですね」
喪部「見た途端、みんな叩き割ってたよ」
九龍「タクシーの窓から放ってた人も居た」
皆守(・・・・大人って)

喪部「じゃあ、僕はこれで」

神鳳「・・・・・見事にいらない引き出物置いて行きましたね」
九龍「まー後で調合に使うからええですがな」
皆守「なー、前から気になってたんだが・・何で元の形が無くなるまで調合できるんだ?」
九龍「それが、トレジャーハンターですよい」
皆守「納得できねー」

九龍「あーしかし結婚式ってしてみたい」
神鳳「結婚したいじゃなくて式だけですか?」
九龍「うん。花嫁が「こんなに他人に誉められたの新生児の頃以来だもん。すっごい嬉しい!」って言ってたから」
皆守&神鳳((その花嫁・・・可哀想))

九龍「僕も誰かに手放しで誉められたいなー」
皆守「・・・九ちゃんはカレーみたいに良い奴だぞ」
神鳳「そうですよ、九龍くんはタヌキみたいに良い子ですよ」
九龍「・・・・あんまり誉められてる気がしません」

第七十四回
羽毛布団を買って浮かれてた時期です。もちろん今も使ってます

よく晴れた日曜日。

「九ちゃん寝かせてくれ」
「ええよーって甲ちゃんご自分のお布団は?」
「全部干してる。今夜はフカフカだ」
「まぁ、甲ちゃんたら良い笑顔。だからそれを常日頃から出す事により円満な人間関係が・・・」
「(無視)おやすみ」

ふぅっっわぁぁぁぁんんん(布団的擬音)

「何だ!このふんわり感!!」
「ああ、新しい羽毛布団買ったんよー・・・って甲ちゃん?」
「この手触り・・・・まさか!その軽さ暖かさ稀少さから「羽毛の宝石」と称されている厳寒地アイスランドに生息する保護鳥アイダーダックの羽毛を使った、最高級アイダーダウン羽毛布団。推定価格125万か!」
「・・・・そうです」
「このブルジョアが!」
「まー毎日2時間くらいしか寝ないんやけどね」
「もったいないにも程がある!俺にくれ!」
「そしたら甲ちゃん起きてこないやろ」
「そうですよ、貴方永眠するでしょ」
「するか!っと言うか居たのか?!神鳳」

アイダーダックは本当に居ます
皆守は変な所でマニアだといい

「おじゃましまーっす」
「こんにちは」
八千穂と白岐がやって来ました。
「いらはい。お二人そろって何用?」
「九チャンが凄い布団を持ってるって言うから見に来たよ」
「ああ、そこの布団す」
九龍が件のアイダーダウンを指さします。
「まあ、フカフカね」
白岐が布団をめくると、中には皆守。
「「・・・・」」
「あ、現在、中に甲ちゃん住んでるから気を付けてね」
「住んでるの!」
「部屋に帰ってくれません」
「はた迷惑ね」
「じゃあ九チャンはどこで寝てるの?」
「神鳳くんの部屋で寝てます」
「じゃあ神鳳さんは?」
「甲ちゃんのベットが空いてるから甲ちゃんの部屋」
「無意味ね」
「意味が無いだろ!と突っ込んでくれる筈の甲ちゃんがアレなので」
「九チャンと神鳳くんだとツッコミが居ないんだね・・・」
「生憎と・・・」

皆守が羽毛布団に住み始めました。

「甲ちゃん。いい加減お部屋に戻ってくれませんかい?」
「・・・・・・」
「・・・・そげにこの布団が欲しいなら、僕が居なくなる時にあげますから」
「・・・・・・いい」
「はい?」
布団を跳ね飛ばして起きあがる皆守。
「邪魔したな、九ちゃん。部屋に帰る」
「・・・・・はぁ」
そのまま九龍の部屋を後にし、自分の部屋へと戻ります。

「・・・・・甲ちゃんもよくわかりませんなー」

「居なくなる」とかそんな話が苦手な皆守。

モコモコモコ・・・・。
天香学園を歩く毛の固まり。

皆守「・・・・あれは何だ」
神鳳「・・・・新しい化人でしょうか」

そこへ通りがかった喪部。
喪部「ああ、あれは九龍くんだよ」
「「!!」」
喪部「この間のボーナスで毛皮のロングコートを買ったらしいからね」
皆守「あれはコートか!と言うか高校生が毛皮のロングコートを着るな!!」
神鳳「九龍くん身長伸ばさないと!毛虫みたいになってますよ!!」

喪部「チンチラは暖かくて良いよね。僕のミンクもまあまあだけど」
皆守「そーゆー問題か!ってお前も毛皮か!!」
神鳳「九龍くん、タヌキは愛せますが、ダンゴ虫は愛せません」

チンチラの手触りを愛してます
ただ、何であんなにダンゴ虫っぽい柄なのか・・・・

天香学園をモコモコ歩く毛皮二人。

九龍「やっぱり毛皮は暖かいやーねー」
ロゼッタ協会所属・葉佩九龍。チンチラ毛皮のロングコート。推定価格800万円。

喪部「手入れが面倒だけどね。抜けるし」
レリックドーン所属・喪部銛矢。ミンク毛皮のコート。推定価格500万円。

鴉室「・・・・俺もトレジャーハンターに転職しよっかなー」
瑞麗「止めておけ、あの二人は特別だ」
M+M機関所属・鴉室洋介。使い込んだ皮ジャン。当時の価格で3万円。

九龍は単純に防寒として、喪部は周りに対する威嚇の為に購入。
ちなみに三機関とも給料は能力制。

第七十五回
BLゲームは途中で放置されてます。やっぱり照れるので駄目です

暖かい日。

「壬生。壬生。カモヒー」
「鴨日?」
「come here」
「ああ」
やって来た壬生の膝に頭を乗せてゴロゴロ。
「?」
「今日は膝枕の日」
指差したカレンダーにマジックで『壬生の膝枕デイ』

「そうなんだ」
「そうっすよ」
そのままゴロゴロ。
「ところで龍麻」
「あ?」
「明日以降の『御門と浮気デイ』『犬神先生とラブラブデイ』『如月とまったりデイ』を消してくれないと週末は『壬生が首を吊るデイ』になるよ」
「・・・・わかった、消してやる」

「・・・わかった。うん、それで良いよ。・・・じゃあ、いつもの所で」
壬生が女と携帯電話で会話中。

「壬生。オナゴと浮気か?」
「・・・・絶対にしません、そんな事。今度の任務でカップルの方があやしまれない場所に行くからその段取り」
「ふーん・・・・なーなー、そのカップルは僕が女装して付いて行っても可かね?」
「え?何で?」
「・・・・新しい女物のコート買ったから着たい」
「ああ、館長に聞いてみるよ」
「ん。よろしく」

「ーと言うわけなんですが」
「まあ、龍麻だったら構わないが・・・・」
「ありがとうございます」
「しかし・・・あの龍麻にも可愛い所があるものだ」
「?」

「・・・・ちょっとはさー、僕が妬いてるとか気付いてもええと思わないかね。皆の衆」
「日頃の行いからすると無理だね」
「ひーちゃんがヤキモチなんてやくと思わねーだろ」
「先生も人の子だねぇ」
「・・・ちぇーー」

たまには龍麻もヤキモチを妬いたりする
んで、その後忘れる

ちょっと肌寒い日
「龍麻さん。ぎゅーっとしてもよろしいですか?」
「ゲームしながらで良ければどうぞ」
後ろからぎゅー。
龍麻、黙々とプレイ中。
「龍麻、これどんなゲーム?」
「ガチホモリバの主人公がターゲットに裏工作して多額の借金背負わせて、苦しむ姿を楽しんだのち、最後に体も魂も美味しく頂くゲーム」
「え?龍麻が主人公?」
「待てい!お前の僕に対するイメージはこうなのか!」
「うん」
「・・・・・・」
「星座と血液型も同じだし」
「そこは気付くんじゃありません」

初BL購入記念

「うーん」
「龍麻どうしたの?」
「僕のおじさんで「武器屋さん」が居るんだけどな」
「名前が可愛いね」
「別名「死の商人」と呼ばれてるがな」
「急に重々しくなったね」
「その叔父から買い取って欲しい物があると言われてな」
「死の商人にも営業ノルマってあるんだね」
「安いから買っても良いんやけど、置き場所が無くてなー」
「龍麻、物は?」
「原子力潜水艦」
「・・・」
「海物やから旧校舎にも置けんしなー」
(置けたら買うんだ・・・)

「癖って無さそうであるよな」
「無くて七癖って言うしね」

「僕だと、落ち込んだ時に狭い所に潜り込む癖かな」
「それは癖じゃなくて習性や」

「僕やったら、浮気癖かのう」
「龍麻、それを癖で片づけないで」

(65〜70)  (76〜80)