第百一回

京一くんと龍麻くん

「ひーちゃん」
「なんじゃい、京一」
「神様パワーで女にもてるようにしてくれ」
「しゃーないなー」

テレッレレレ〜
「ラブリー鈍器〜」←大山のぶよ風

「おお!」
「一見棍棒ですが、これで殴るとお前が血の海に沈みます」
「マジもんの鈍器じゃねーか!」
「女にもてんのは自分に原因があんだぞ。いっぺん頭打って冷静になれ、な」
「そこだけ真面目に言うなよ!」


ラブリー鈍器はマジ物の鈍器です

「中国に行ってる間、僕が一切お前の事を思い出さなかったように言いますが、お前を連想させる物を見るたびお前を思い出したさ」

「例えば、苔とか茸とかなめくじとかアメフラシとか・・・」
「なんでそんな暗くてジメジメした物で思い出すの・・・」

「でも、僕も龍麻を連想させる物を見るたび思い出したよ、ミラーボールとか暗闇のフロントライトとかパチンコ屋のネオンとか・・・・」
「僕はそこまでピカピカしてません」

「6月がくるとお前を思い出すよ」
「そうだね、8月がくると龍麻の季節だって思うものね」


壬生はじめじめ
龍麻はピカピカ

「如月。お前は昔僕が好きでしたよな」
「今も壬生さえ居なければ、地下の座敷牢に監禁したい程度には好きだよ」
「それがどの程度の好きかは知らんが、座敷牢はごめんこうむる」
「そうか」
「じゃあ、僕と金だとどっちが好きかね?」
「金!」
「即答された!愛が無い!」
「黄龍の鱗が金として換金出来るなら、もっと考えてもいい」
「考えるな!」

お金>>招き猫>>(越えられない壁)>>龍麻

「龍麻の変身後が黄龍じゃなくて招き猫なら・・・・」
「なら、どうしたんだよ!!」


意外と愛が無い如月

「壬生よ。映画に行かないか?」
「いいよ。何観るの?エヴァ6回目?」
「それでもええが・・・・。そうやなくて、神様組合から見とけと招待券をもらったんよ」
「神様組合・・・。それ、どの映画?」
「2012」
「・・・・」
「きたるべき日の参考にするから、観とけと」
「きたるべき日!?」
「安心しろ。その頃にはお前の寿命終わってるから」
「ひとつも安心できないよ龍麻!!」
「地面は僕の担当だしなー・・・」
「担当だから何!!!????」


人間のリクエストに応えれるよう、神さまはちゃんと予習してます
エヴァは7回目行ってもいいです(本気)

ずっと前に書いてたBASARAネタ

「風魔小太郎殿を我が軍に引き入れようと思う」
「・・・・なんで?」
「なんでとは愚問だぞ佐助!!」
「あの者の髪の色を見ろ!あれぞまさに武田カラー!タケダレッド!」
「なにそのガンダムレッドみたいな言い方!?」
「近くの子安にかまけて、あんな逸材を逃すとは、真田幸村一生の不覚!!!」
「・・・ねえ、近くの子安って俺のこと?」
「と、言うわけで北条へ攻めいる!」
「そんな理由で戦をはじめない!」

何だかんだで、小田原城。
「頼もぉぉぉぉぉぉう!」
「なんじゃ、武田の若僧が何用じゃ?」
「風魔小太郎殿を嫁に頂きたい!」
「何言っちゃってんの旦那!!」
「小太郎が欲しければ!小太郎を倒してからにするんじゃな!!」
「爺さん矛盾に気付いて!!!」


この後、出てきた小太郎にやんわり断られます

第百二回


各家の1月1日を年神が見に来ました

最初は東京某所の骨董品店

まだ日の出には時間があります
が、居間には東の陰陽師が座ってパソコンを触っていました

「・・・誰です?」
干支です
「ああ、そうですか」
こんな朝からパソコンですか?
「年末からニューイヤーイベントがあったんですよ」
イベント?お部屋であったんでしょうか・・・・?

「おはよう。あけましておめでとう御門」
「あけましておめでとう」
玄武が起きてこられました
「・・・これは?」
「干支だそうです」
おはようございます
「おはよう。それより、御門」
「はい?」
「正月。僕と過ごすのか、そのネットの住人と過ごすのか決めろ。今すぐ」
「・・・・・わかりました。すぐにログアウトします」
「年始くらいパソコンを休ませろ。まったく」
ぶつぶつ言いながらカーテンを開けます
日の出まではまだ時間があるようです
「日が昇ったら雑煮を食べてお年始に行くぞ」
「寝かせて欲しいんですが」
「自業自得だろう。僕が風呂から出るまでにはログアウトしておけよ」
「・・・・はいはい」

「あ、今年もよろしくお願いしますよ」
「・・・お前は今年も居座るのか・・・」

言うわりには嫌そうではありませんね
今年も仲良く暮らして下さい

そろそろ日も昇るかという時間

普通の一軒家にお邪魔します
「グーグーグー・・・・」
案の定。ツッコミ役の木刀男は熟睡中です

ちょっと来るのが早かったようですね
あけましておめでとうございます
「・・・ん・・・グー・・・」
起こさないで行きますね

「グーグー・・・」
枕元の盗聴器は壊しておきますから

「グー・・・・」
ついでに盗撮用カメラも

「グーグーー・・・」
ストーカーの後輩に負けないで下さい

今年も貴方のツッコミが冴えますように・・・・

※ストーカーの後輩=霧島

次に向かったのは埼玉の某所
もう日が昇って、郵便屋さんのバイクが大忙しです

お邪魔します
「・・・はい。いらっしゃい」
出迎えてくれたのは、優しそうなお父さん
その背中の隠しきれない黒いオーラは見ないふりを致します

あけましておめでとうございます
「あけましておめでとう」

綺麗にお正月の用意がされているリビングにはお父さん一人
息子さんと娘さんは?
「ああ、葵とミヤちゃんは昨日から電気屋の福袋に並んでるよ。娘達もね」
元気ですね
「本当に、並ばなくても買ってあげるのに」
まあ、縁起物ですから
「それをとやかく言うつもりはないけど、早く帰ってきてくれないと心配でね」
お気持ち察します
「で、庭の地雷をどう越えたか聞いてもいいかね?」
干支なんで
「対神はしてなかったな・・・・」
あ、銃も効かないので、弾の無駄撃ちはやめられた方が・・・
「・・・残念だよ」
そろそろおいとま致します
「そうかい。またおいで」


優しい笑顔に見送られ、「来年は対神しとくから」の言葉は聞かなかった事にします
今年は何か更新があると良いですね

お昼前。天香学園男子寮に到着しました

お邪魔します
「・・・・・・・・・」
目の前には死んでるトレジャーハンター

だだだ、大丈夫ですか?
「ああー。空飛ぶ虎が・・・・ついに幻覚がー・・・」
あ、干支です
「それは失礼を・・・・」
ヨロヨロと起きあがり、お茶を入れてくれました

大分お疲れのようですが、どうしました?
「クエストがー」
クエスト?あのアイテムを手に入れて依頼人に渡すアレですか?
「クエストが全部【××の福袋を手に入れて】だったー!年末から超並んだ!何軒の百貨店ハシゴしたかー!!」
・・・・ご愁傷様です
「年始めの運試しでしょ!自分で手に入れてこいよ!」
お、落ち着いて・・・・

「九龍くん。ありがとうございました。あの福袋、良い値段でさばけましたよ」
・・・・イタコ男さん。いらしてたんですね
「うわーん!もう転売されてるし!」
「来年もよろしくお願いします。一個500円で」
安!
「あああ、愛ゆえに断れない・・・・・」

とりあえず、福を置いてきました
あれはあれで幸せなんでしょう・・・多分

帰り際、黄龍様に挨拶に行きました

「・・・・・くかー・・・」
「ZZZZZZ・・・・・・」

恋人の方とおコタでお昼寝中でしたので、そっと毛布だけかけて帰りました


数時間後
「・・・あー、トラ縞の毛布。あいつ来てたんか・・・・」
「・・・龍麻。やっぱり近くの神社行っておこうか」
「そやなー」

夕暮れの中。双龍がお参りします

今年も良い年でありますように


第百三回



DS(1/2)

「ただいま」
壬生が家に帰って来ましたら、龍麻が壁にめり込んで悲しんでおりました
「しくしくしく・・・・何たる事だ」
「龍麻の今の状態が何たる事だよ!」

とりあえず、壁から引き抜いてコーヒーなどをいれてあげます
「僕の分は象印の真空ステンレスポットに入れておくれ」
「はいはい」
「これって、コップだと冷めてる時間だからと油断して一息にいこうとするとその熱さに死にそうになるよな」
「学習してください」
「あっつ!」
学習せぬ神様です

「それで、どうしたの?」
「あのな、ときメモGS3がDSなんだ!」
「・・・・・・・へー」
「何だその冷めた反応は!」
だってゲームしないから、とは言わないのが優しさです
「DSて!何でPS2で出さないのさ!」
「でも龍麻大きい画面のDS買ったじゃない」
「テレビに比べたら小さい!どうせ出すなら32型出せよ!」
「それはすでに携帯ゲームじゃない・・・・」

「DS!DSなんかじゃ!告白シーンのビデオ撮り出来ないじゃないか!!!!!」
「・・・・・・・・・」
「恋人をそんな目で見るんじゃありません・・・・」

壬生はどう反応していいかわかならい


ちなみに、私がビデオ撮りしたのはFF7のムービーシーンです
DS(2/2)

「DSやだよーDSー」
「諦めたほうがいいよ」
駄々をこねる龍麻にとりあえずチョコなどを与えて慰めます

「せめてPSPだったらテレビ出力も出来るし、追加コンテンツのダウンロードもあったかもしれんのに〜オロロン〜」
(オロロンて泣くのは初めて見た)

「龍麻。前向きに考えようよ。携帯ゲームだったらコタツでも出来るし」
「そうだな・・・せっかくの新作、楽しみにしないとな・・・」
「そうそう」
おそらく発売される頃にはコタツは片付けられてますが、そこは言わない壬生です

「気持ちを切り替えて、GS2の攻略本でも読みつつGS1をやるか」
「なんでそんな組み合わせに・・・」
「気にするな、売ってなかったんだ!2のソフトも1の攻略本も」

しばらくゲームをする音だけが続きます

「そのゲームでは誰が好きなの?」
「三原色」
「どんな人?」
「んー。芸術家で自信家でナルシスト入ってて、超マイペースな子」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「龍麻って自分に絶対の自信がある長髪の人好きだよね・・・」
「・・・ああ、まったくもってそうだな・・」


「龍麻」
「なんじゃい」
「ゲームのデータ消したらごめんね」
「ゲームキャラにまで嫉妬すんじゃありません!」

1では、三原と守村と王子と先生が好きでした
2では、氷上と後輩が好きでした
全体的に1の方が好きです
ひつじ

ベットの中にて

「寝れません」
「龍麻が眠れないって珍しいね。どうしたの?」
「原因に心当たりはないが、昨日は23時間寝ました」
「それが原因です」
「お前が一日仕事で暇だったんだよ」
「でも寝過ぎです」
「寝れません」
「寝て下さい。僕は明日も仕事です」
「付き合えよー」
「勘弁して下さい」
「羊数えてみたら?」
「あれは、seepとsleepの韻が似てるから自己暗示で寝れるいうやつだぞ。日本人には効かん」
「じゃあ、眠ると韻が似た言葉なら良いんじゃない」
「日本語バージョンか!賢いな」

考え中

「ねぶる?」
「龍麻、それ動物じゃない」
「だって無いもの!」
「とりあえず試してみる」
「頑張って」
「ねぶるねぶるねぶるねぶるねぶる・・・・・」
「龍麻・・・・怖い」
「うん」
「よく考えたら自己暗示なんやから「眠る」じゃなくて「寝れる」じゃないか」
「微妙だけど、じゃあ寝れるに近い言葉で・・・・なれる?」

再チャレンジ
「なれるなれるなれるなれるなれるなれる・・・・・何にだよ!」
「龍麻!つっこんだら駄目!」

「寝れません」
「まったくですね。ところで、僕は明日6時起きで今2時半でなのですが・・・」
「そもそも口が動いてる時点で寝れるか」
「僕の都合は無視ですか。そうですか」
「ホットミルクとか飲んだらどうやろう」
「試してみたらいいと思います」
「なげやりだな」
「昨日徹夜で明日も一日仕事なのに寝かせてもらえない人間の態度なんてこんなものだよ龍麻」
「その睡魔羨ましい!」
「欲しかったらあげるよ!」
「じゃあ貰う」
「え?」
壬生の頭ら辺で両手をへらへら〜っと、
「眠くなった。寝る。おやすみ」
パタン
「グーー・・・・」
「・・・・」

(眠れない)

二日徹夜で仕事に行きました
伸びる(1/2)

「・・・・・んん・・」
自分の足をさすっている壬生
「どった?」
「うん。何だか最近、足が痛くて」
「神経痛やないか?お前冷え症やし。よしよし、暖めてやろう」
そう言って、壬生の足をもんでやりますが、皮膚一枚下は鱗なので微妙な温さです

「ごめん、龍麻・・・爬虫類体温だから気持ち悪い・・・」
「黄龍は爬虫類じゃございません!」

数日後

「龍麻、残念なお知らせが・・・」
「どないした?」
「この間のね・・・神経痛じゃなくて・・・・」
「はあ」
「その、成長痛みたいで・・・・・・」
「・・・・・・」
「昨日測ったら・・・185センチに・・・」
「別れてやるー!」
「ごめんなさい!」


壬生はガンガン身長が伸びる子
龍麻は大変羨ましい

伸びる(2/2)

「ちくしょーめ。僕など169cmからさっぱり伸びないのにー」
「ごめんなさい」
「しかーし!黄龍には素晴らしい再生機能があるのだ!」

包丁で手首をドンと

「ほら!手首を切ってもグングン再生!」
「手首を切り落としたら駄目!!!」
「トカゲと違って骨まで再生されるんだぞ!」
「あ、トカゲって骨は再生しないんだ」
「おうよ!ちなみに、骨だけでなく、角膜やら心臓までばっちり再生!
その再生能力の高さから「黄龍はイモリ並」とまで呼ばれてるのだ!」
(イモリが主なんだ・・・・)

言い方ひとつで大違い

イモリの再生能力が黄龍並でなく
黄龍の再生能力がイモリ並
ちなみにイモリは再生胚なるものを持っていて、それに命令する事でどの部位でも再生可能らしい
すごいぜイモリ

第百四回

2月14日のお話し

「よし、書き初めをするぞ」
唐突に如月が言いました。
「何でバレンタインに書き初め?」
龍麻の疑問はもっともです。
「バレンタイン・・・・僕のもっとも忌むべき日だ・・・」
「なして?お前結構チョコ貰っとるがな」
よく忘れますが、如月は公式設定でモテ男です。

「チョコなんて貰って何が嬉しい。ここまで金が動くイベントにかめない悔しさ。百個のチョコを貰うより千個のチョコを売り捌きたい!」

「・・・龍麻。如月さんどうしたの?」
「単なる病気や。ほっとけ」
「そうですね。ほっときましょう」

ギリギリと拳を握りしめる如月を三人は無視する事にしました。
無視したまま続いてます

「御門。新しいゲーム買った?」
「ええ、積みゲーが増えるばっかりですよ」
「龍麻も御門さんもちょっとは買い控えたほうが・・・」

「・・・・・・・・」
しばらく自分を無視する三人を見ていた如月でしたが、静かに小さい声で言いました。

「僕を無視する悪い子は、ゲーム機全部水没だ」

「「話し合おう」」
(・・・二人とも早い)
飛水流は精密機械の敵です。

「で、チョコがどしたよ」
「貰うより売りたいんだ」
「貴方。前に月草チョコとか言う物を作ってませんでしたか?」
昨年度、何とかバレンタインに一口かみたい如月骨董品店苦肉の策として売り出されました。
「作ったよ。買ったのは龍麻だけだ」
結果・赤字。
「中から月草がズルって出てくるチョコな。味は悪くなかった。でも形が悪い」
「亀の何が悪い!長寿の象徴だぞ!」
「バレンタイン!何で亀型チョコを送らなあかんねん!ラブに長寿は関係ない!」

「むしろ愛は短命ですよ」
「・・・・御門さん・・・」


御門は酸いも甘いも体験済みです。
そしてまだ月草チョコの話題を引きずっています

「VS柳生戦で月草チョコは大活躍やったけどなー」
「チョコをかじりながらの戦いも斬新でしたね」
一軍全員チョコを片手に戦闘。
敵を殴ってはボリボリボリ・・・・。
「あの時の柳生の顔は見物だった」
さぞかし無念でしょう。

「僕は動かしてもらってないけどね・・・・」
「僕も初期待機場所から不動だった・・・」
「ラストバトルなど、僕と御門と紫暮と比良坂。あと、保険で美里が居れば楽勝。他のキャラは動かすだけ時間の無駄」
「そう言えば、貴方達居ましたね。端の方に」
御門が非道い事を言っています。

「「「「・・・・・・・・・・・」」」」

一軍VS控え
嫌な空気が流れかけました・・・
が、
本気で戦えば、龍麻&御門の最凶コンビに壬生&如月の脆弱コンビが勝てる筈もなく、
「それより、書き初めをするぞ」
あっさり折れました。


家主の権限を出せば、如月は何とかなりますが、壬生は完全に瞬殺されます。
とりあえず書き初めをします。

「バレンタイン関係なさすぎだろ」
「文句があるなら、龍麻だけ墨のかわりにチョコで書いてもいいよ」
「大人しく書かせて頂きます」

さらさらさら・・・・
それなりに真面目に書きました。

『一攫千金 如月 翡翠』
『互換性 戻ってくれば 一人勝ち 御門 晴明』
『禁!浮気 壬生 紅葉』

「「「「・・・・・・・・・」」」」

「・・・非道いな」
「僕の座右の銘が何か?」
「この際ダウンロードでも2のソフトが出来たら最強だと思ってます」
「龍麻に贈るよ」

「で、龍麻は?」
「僕はこれ」

『監督・・・ハブられた? 緋勇 龍麻』

「「「可哀想な事を書いてやるな!!!」」」
「だってー!!」


電プレで某PSPゲームの話題を見るとこの言葉が頭をよぎります・・・。
マジで監督ハブですか?
せっかくなのでバレンタインのネタも入れておきます

龍麻と壬生のマンション

「バレンタイン!バレンタインがやってくるよ!」
「龍麻、テンション高いね」
「おう!今年も手作りチョコに一服盛るぜ!」
「盛らないで」
「ただ今年はこんな体だからなー」
こんな体=コロボックル仕様、身長15センチ
「チョコも作れないこんな体なんて!」
「手伝うからヤケにならないで」
「そうか!ではさっそく一服盛りチョコを」
「作りません」

普通にチョコ作り
「つまらん」
「文句を言わない」
チョコをぐるぐるぐるぐる・・・・
「ときメモGSのチョコはなぜに混ぜるだけで出来るのか」
「仕様だよ龍麻」
「PS2の時に比べるとDS版は簡単でいいよな」
「した事ないからノーコメントで」

ボール一杯のクリーミーなチョコが出来ました
それをじっと見つめる壬生
「龍麻」
「何かね」
「君にチョコを塗って舐めたいって言ったら引く?」
「安心しろ。すでにドン引きだ」

「僕が小さいからって何を言ってるか!」
「お言葉ですが!大きい龍麻の頃からずっと思ってました!」
「そんなカミングアウト聞かせるな!」

「今だったら少量のチョコですむのに・・・・」
「のにじゃありません・・・・」
「・・・・はぁ・・・」
「そんな目でこっち見るな!!!」


チョコレートプレイは男の夢(?)
ちなみに一生懸命頼めば、最終的には龍麻がおれます
こんな事を必至に頼む壬生はどうかと思いますが・・・・

10回目の拍手ありがとうございます

龍麻「10回も押してくれた貴方へ!神様より愛を込めて!明日は良い事があるよ!・・・・・多分」

壬生「・・・・多分なんだ」

龍麻「良い事は己の気持ちから!あると思えばささいな事も良い事に!」

第百五回



麗らかな夏に近づくある日。

「ほぬぁ!」
聞きなれない悲鳴をあげて、龍麻がリビングから逃げ去りました。
「龍麻?」
後に残されたのは、壬生と、壁に張り付いているテラテラとした平たいボディに長い触覚を持った日本で一番嫌われてる昆虫、ゴキブリでした。
「・・・・・・・・」
ペシッ!
壬生が黙ってスリッパで叩き潰しました。

「龍麻ー」
「・・・・・おう」
隣の部屋の押し入れ上段というややこしい所に龍麻が居ました。
「殺したか!」
「え?うん、潰してトイレに流したよ」
「・・・・」
壬生の言葉を聞いてやっと押し入れから出てきた龍麻が小さい声で言いました。
「無理」
「何が?」
「奴の出た家に住むの無理」
奴=ゴキブリ
「引っ越そう!奴の居ない遠い国に行こう!北海道とか!」
「落ち着いて。最近では北海道もゴキブリ居るから」
「新築だから大丈夫と思ってたのに!」
「新築にもやってくるよ」

やって来ます。
新築の主なゴキブリ進入経路→植木鉢、衣装箱、靴箱、etc

「対ゴキブリ用結界もはってのに!」
「そうなの!?」
能力の無駄使いです。
「いやだー、ゴキは嫌だー!」
注射を嫌がる子供のように駄々をこね始めました。
こうなると長いです。
しかし、壬生も伊達に龍麻と長くは住んでません。

「龍麻、如月さんところにお茶飲みに行こう」
「行く」

龍麻扱い初級・パニクってる時は場所を移す。
如月宅。

「遊びに来たぞー」
「こんにちは」
「いらっしゃい」
玄関で迎えた如月の右手でモゾモゾしてる生き物は、

「ゴキブリー!」

「ああ」
ホレっとビニールに入ったそれを龍麻の顔にほります。
「ギャー!」
「如月さん・・・」
すんでで叩き落とした壬生が抗議の目を向けますが、気にする如月ではありません。
「ゴキブリ程度で、何を怖がってるかな」
「素手で掴めるとか投げつけるとかホンマにキチ■イか!」
放送禁止用語が出ました。

「帰るぞ、壬生!」
「龍麻。落ち着いて」
「もう帰るのか?」
「ゴキを掴める亀とは口ききません」
すねてます。
「ちなみに、奥の部屋には劉と御門が居るぞ」
「おじゃましまーす」
単純な男です。

「劉ー」
「アニキー」
居間に行くと、龍麻内癒しランキングベスト3に入る劉が出迎えました。
「貴方、さっき叫んでませんでしたか?」
そして、相変わらず御門がゲームをしています。
年中居るので、今では如月宅の動く家具扱いです。

「聞いてくれ、如月がゴキを投げつけてきた・・・・」
「はあ」
「何その低テンションな返し」
「私は別にゴキブリ平気ですから」
「御門は平気そうだよな・・・・」
平気そうです。

「ええ、ゴキブリだろうと、フナムシだろうと、ナナフシだろうと、
 脳内で萌え変換出来る私に苦手はありません」

「・・・・・決してなりたくはないが今は羨ましい・・・・」
「それより、萌え変換て何や・・・・」
「そこは突っ込むな!」
龍麻が止めました。知らない方がよい情報です。
「こう、萌え少女に変換してですね・・・」
「そんな事教えないで!人の弟に!」
慌てて劉の耳を塞ぎます。
「え?アニキ?何々?」

「三人とも居間で暴れるな!!!」
「・・・如月さんも落ち着いて・・・」
「とにかく、ゴキブリが駄目なんだ・・・・」
如月に茶を入れてもらって、はあやれやれと5人が落ち着いた所で龍麻が言いました。

「龍麻・・・・君は神様だろう」
呆れた顔で如月に言われようとも、
「アニキ、神様が好き嫌いしたらあかんよ」
劉に戒められようとも、
「生きとし生けるものすべてを受け入れるのが貴方でしょう?」
御門に諭されようとも、
「・・・・・・えーと」
壬生がフォロー出来なかろうとも、
「駄目なもんは駄目なんやもん!」
駄目なんです。

「それに僕の担当は龍脈やし・・・・」
「「「「そこを逃げ道にしない」」」」
何だかとっても責められてます。


「萌え変換せずとも、よく見ると単眼で可愛いですよ」
「真面目に言われてもヤなもんはやだ」
我が侭な神様です。

「単なる昆虫なんだがな」
「不衛生は不衛生ですけどね」
「だいたい、フナムシが大丈夫で何でゴキブリが駄目なんだ」
「それは僕にも・・・・」
台所担当の二人が頭を悩ませますが、良い知恵は出ません。

「九龍の次の赴任先北海道かー・・・・ついて行こかな・・・・」
こちら現実逃避中の黄龍。
ちなみに、先に壬生も言ってますが、北海道にもゴキブリは居ます。

「アニキ、アニキ。そんなにゴキブリ駄目なんか?」
可愛い弟に言われても駄目なもんは駄目です。
「駄目だー。あのカサカサした動きが本当に駄目。アイツ等、人間になおしたら100m2秒台なんだぞ!」
その部分がどう恐怖につながるのかはわかりません。

「そうかー、残念や。
 ゴキブリもな、食うたら結構いけんねんで」

「「「「・・・・・・・・・・」」」」
劉の発言に居間の人間全員が止まりました。

「劉・・・・今なんと?」
「?ゴキブリやろ?食うたら結構いけるで?」
「食うなぁぁぁぁ!!!!!!中毒になったらどうする!!!」

実際、台所に居るようなゴキブリ(クロ、チャバネ)を食べると中毒になる事があります。

「大丈夫やアニキ。ちゃんと食べる時は種類選んでんで!」

食べる時は住処が森のヤマトゴキブリを選びましょう。

「ああ、偉いけど、偉くない!ゴキブリは食べたら駄目だぁぁぁぁぁ!!!!」
(虫は昔から貴重なタンパク質源だぞ)
「脳内の龍斗やかましい!って言うかお前も食べてたんかい!」
(その時の映像を・・・)
「すいませんでした!!勘弁して下さい!!!!!」
「アニキ・・・誰と喋ってるん?」

脳内に住む前世はワイルドな食生活です。
で、後日。

チャリン

「・・・・・ひーちゃん。この缶なんだ?」
旧校舎の入り口にでっかい缶の貯金箱が置かれました。
「我が弟の為の貯金箱。旧校舎に行ったら10万以下の端数は全部ここに貯金します」
「はあ」
「はあ、じゃねー!京一も協力せえ!」
「コエーよ!ひーちゃん」

「劉!今度からご飯買うお金無くなったらココから使いなさい。これはお前の為のお金だから!」
「アニキ。そんな気つかってもらわんでも・・・・」
「お兄ちゃんは自分の精神衛生上してるの!気にせず使いなさい。使って下さい!!」
「・・・・了解や」

「・・・・壬生。ひーちゃんに何があった?」
「・・・・えーっと、始まりは単なる夏の風物詩からなんだけどね・・・・」
「????????」

「これから食べた物はお兄ちゃんに報告!」
「お金あったら食べへんから大丈夫やで・・・・それにアレは漢方でも使われてる・・・」
「シャラーップ!!!!!!」


単なる虫の好き嫌いの筈が着地点がえらい所に行きました。
おまけ

生物準備室に住む前世の父と。

「お前、前世だと嬉々として集めて佃煮作ってたぞ」
「ホンマ頼むからそんな情報教えんといて下さい!」

「先生とは死んでもキスしません。アレ食った口とか考えただけで吐き気が・・・」
「こっちも願ったり叶ったりだ」

恋すら冷めるゴキの威力。

(96〜100)  (106〜110)