中央市場の役割「集荷」(制作中)


私が考える市場の役割「集荷」
「集荷」は、基本機能の一つです。この力が弱ければ、だれも相手にしてくれません。
現に、集荷力の弱い大津の市場には誰も行かず、滋賀県の有力なスーパーや魚屋さんは、みんな京都の市場に買いに来ています。

さらに、京都の集荷力が弱いと思っている人は、大阪北部市場や本所まで買いに行くことが有るようです。
私自身も、大阪の集荷力には「一目おくべきだ。」と思っていることは、残念ながら事実です。(大阪魚市場株式会社の集荷力は無視できません。)
実際、京都で欠品して、タイムリミットぎりぎりで北部市場に頼んだら、商品が有ったという事を何度か経験しています。

塩干品については、京都の集荷力は強いです。昔、「カネジョウ」という、塩干専門の荷受けが有りました。その名残があるのですかね。
鮮魚も含めて「集荷力」をいっそう強めることと、「集荷商品の改革」が課題だと思います。
いつまでも、「焼津の塩サバ」と「道東産の鮭」(本ちゃん)と「グジ」が主力では無いと思います。(ちょっと言い過ぎかな?)

以前、ある北陸の有力な漁港の出荷業者さんと話したことがあるのですが、ここでは「京都には、良い魚を出す。大阪には、あまり良い物は出さない。」と言っておられました。
これが本当かどうかは定かではないのですが、こういう感覚が産地に有ることは事実だと思います。(良いものは、大阪より京都の方が良い値が付く。)
そのおかげで「良い魚=一般的に高い魚」は京都に集まり、そして、「あまり良くない魚=一般的に比較的安い魚」は、京都に来ず、大阪に行くのです。
(ここで言う「良い魚」「安い魚」は、「旬」「鮮度」「漁場」「漁法」「サイズ」等々、いろんな要素が絡んでいると理解していただきたいと思います。)

京都の市場が、京都府民の台所でありながら、なかなか「大衆的な品揃え」になりきらないのは、産地側の事情もあるように思われます。

多くの「一般消費者」が求めているものを、いかに産地から集荷するかが、荷受会社に課せられた使命です。
それが、荷受会社自身の発展につながるし、中央市場の活性化につながると思います。

先日、京都新聞に「インターネット」を利用した鮮魚の売買(産地と消費地の直接流通)が始まるという記事が出ていました。
このことについて、何人かの方にご意見をお伺いしたのですが、反応はいろいろです。
ただ、共通していることは、「いずれ、そういう時代が来る。」という危機感をもっておられることです。
かといって、それなら京都の市場がなにをすべきなのかと言うことは出てきません。ここに問題があると思います。

ここまでは、1997年7月に書きました。 続きます。
ここからは、2002年2月17日に書いたものです。
一時、「産直」というのが注目されました。もちろん、今でも「産直」はいろんなところで取り組まれています。「産直」はいいのですが、量の安定、価格の安定などを考えると、問題があることも明かです。そういう中で、「産地を偽る」なんてことが発生することは、残念ながら事実としてあります。
知り合いの仲買の社長が「市場に入ってきてる荷物は、みんな産直やで」と言いましたが、確かにそのとおりです。(もちろん、廻りものもあるんですけどね。) コスト面で考えても、独自の産直より市場ルートでの「産地が明確な魚」を仕入れた方が有利だと言えます。
したがって、生魚の流通については、市場がもっともっと見直さなければいけないと思います。
市場側で言えば、ITの活用が問題です。これに対応できない市場は、ダメになると思いますね。

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