冷凍魚をうまく解凍するには?


冷凍のお魚は、解凍のしかたによって、美味しくなる時もまずくなる時もあります。
また、冷凍状態のままで焼いたり煮たりすると、身が崩れたりします。
下に書いて有る内容を参考にして、上手に解凍して下さい。

アジ・イワシ・サンマ・カレイなどの丸魚 
冷蔵庫の下段か、チルドルームなどの5度くらいの温度のところで、4〜5時間くらいかけて自然解凍してください。
朝、戻し始めたものを、夕食に利用するのがいいと思います。
 この方法は、表面が高い温度にさらされる事がないため、魚の組織や色の変化を最小限にとどめることができます。
さらに、ドリップ(魚の肉汁)の流出も少なくできます。ドリップは「魚のウマミ」ですので、ドリップがたくさん出ることは「ウマミが出ていく」ことです。
これを避ける事ができる解凍法ですので、この方法で上手に解凍すれば、美味しいお魚が味わえます。
 解凍する時には、魚を袋やトレーから取り出し、乾いたフキンかタオル(ペーパータオルでも良い。)などにくるんでおきましょう。
こうすれば、魚全体に冷気がいきわたります。また、空気に直接触れないので、表面の変化が少ないのです。
 魚体を軽く押して、真ん中あたりが固い状態(半解凍)で調理しましょう。この方が、鮮度を保てますから、良いのです。
 この方法は、丸干し・味噌漬け・干物類でも同じです。急ぐときは「流水解凍」も止むを得ないですが、やはり味落ちはします。

エビ・イカ・タコ・貝類
 これらの魚介類は、どちらかというと冷凍してもあまり味落ちがしません。
 包装の上から、さらにビニール袋などに入れ、口を輪ゴムでしばって「流水解凍」してください。
 解凍所要時間は20分〜30分です。やはり、半解凍状態で調理をしたほうが美味しく食べられます。
 エビで、「シングルフローズン」(1回凍結)というのが、最近出回っています。
これは、通常「4ポンドのブロック凍結」で輸入されたエビを一度解凍して「商品作り」をし「再凍結」させたものに対して、おいしさを保持するために生のエビを「現地で商品作り」し、それを凍結させて輸入・販売されているものを言います。
 「シングルフローズン」のエビは、美味しいです。
 「シングルフローズン」もしくは「1回凍結」と表示されたエビとそうでないエビがならんでいて値段の差があまり無いようでしたら、迷わず「シングルフローズン」を買って下さい。

刺身用の短冊類
 3%程度の食塩水にひたしてよく絞ったフキンでつつみ、5度くらいでゆっくり解凍して下さい。
 なお、冷凍まぐろについては、カットの際の肉屑がついている場合もあるので、暖かめのお湯の中に入れて表面を洗って下さい。
これで、綺麗に発色します。その後、上のように解凍してください。

ボイルカニ
ボイルしたカニは、自然解凍の場合はうまみが流れだしやすいです。
食べる直前に3〜5分間、沸騰して湯気のたった蒸し器で蒸すと美味しく食べられます。

注意点
電子レンジでの解凍は、解凍しすぎる場合があるので、「解凍時間」に気をつけて下さい。
家庭の冷凍庫(室)は、マイナス18度〜20度になっているのは、ほとんどありません。
 特に、子供さんのおられるご家庭では開け閉めが激しいでしょうし、マイナス10度くらいにしかなってないでしょう。
 厳密にマイナス18度なら2ヶ月持つものでも、条件が悪くなると1ヶ月も持たなくなります。
 したがって、1ヶ月以上の長期間、冷凍庫(室)に保存するのは、できるだけ避けた方が無難です。
 美味しく食べようと思うのなら、「冷凍商品」でも家庭の冷凍庫(室)に入れた場合は、できるだけ早めに食べるようにしましょう。

お魚情報館
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