お魚の寄生虫について


お魚には、寄生虫がたくさんいます。
自然の中に棲息しているものとしては、ごく当たり前の現象です。
お魚の場合はお野菜のように「薬をまいて寄生虫を駆除する」というような事はできません。
自然の現象として理解しつつ、適切な対処をすることが大事です。

代表的な寄生虫
寄生虫名 主な宿主 解説
アニサキス
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タラ・サバ・スルメイカイワシ・秋鮭 体長2センチ〜3センチくらいで、渦巻き状になっていることが多い。半透明白色。
食べた場合、ふつうは排泄されるが、まれに胃や腸の壁を食い破ることがある。
症状は、激しい下痢や吐き気、嘔吐など。胃潰瘍に似ているので、医師の診断が必要。
マイナス20度で24時間以上冷凍すると死ぬ。死んだ虫を食べても異常は起こらない。
シュードテラノーバ アンコウ・タラ・オヒョウイカ・ホッケ 体長は、アニサキスより少し大きめ。渦巻き状にならない。茶褐色。症状や対策は、アニサキスと同じ。
ニベリニア タラ・スルメイカ
生タラコ
体長5ミリくらいの、米粒状の白い虫。
人には寄生しないが、生タラコやスルメイカに大量に寄生していることがあり、苦情の原因になる。
スルメイカについているのは、身に食い込んでいるため取りにくい。
テンタクラリア カツオ・サバ ニベリニアより少し大きめで、同色・同型の虫。
春先の本カツオの腹部に、大量に寄生している。人には寄生しない。
ブリ糸状虫 ブリ・ハマチ 糸状で、体長50センチを越すものもいる。魚の血を吸って赤色をしている。
春先の天然ブリや天然ハマチに多い。人には寄生しない。
ペンネラ サンマ・カジキ イカリ状の頭部を、魚の肉に食い込ませている。大きいものは数10センチある。体色は赤い。
雌のみが魚に寄生する。人には寄生しない。

寄生虫感染防止のために
一般的に、冷凍魚は安全です。(寄生虫がいても死んでいます。人体に影響はありません。)
内蔵や、腹側の肉に寄生していることが多いです。虫を見つけたら、取ってください。
内蔵の寄生虫が筋肉に移行することがあるので、内蔵は早めに取りましょう。
煮たり焼いたりするときは、中心部まで十分火を通して下さい。
タラ・サバ類や川魚のように寄生虫の多い魚及び内蔵は、なるべく加熱して食べましょう。
加熱すれば寄生虫は死にます。
通常に用いる程度の、ワサビ・酢・醤油・塩などでは、寄生虫は死にません。

お魚情報館
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