中央市場の役割「企画」


私が考える市場の役割






こんな機能が、中央市場に必要なのかどうなのか、議論がいくつも出るところでしょう。しかし、私はこれが大事だと思っています。

中央市場の構成員は、「開設者」(京都市)、「荷受会社」(魚市、大京)、「仲卸業者」の三者です。
そして、ここに末端の小売業者が仕入れに来ます。末端の小売業者は、市場の構成員では無いですが、密接に結びついています。
量販店の相対取引も含めて、末端の小売業者が市場に仕入れに来なければ、荷受けも仲買さんも売り上げが上がりません。
そして、それは、京都の経済の沈滞を招きます。(今、そんな状態になりつつある。)

これを、どう打開していくのか、ここに「企画」という問題がでてきます。


我々のところで言う「企画」とは、ある商品(群)に的をしぼり、計画を立てて売っていく(供給)という事です。

いくつか、具体的に考えて見ましょう。(実際にできるのかどうかという議論は、この際、しないことにしておきましょう。)

11月11日「鮭の日」の取り組み
鮭の日は、農水省も加わっているイベントですので、市場人なら誰でも知っておられます。
各仲卸さんにまで「十一月十一日は鮭の日です。」と書いたポスターがおろされます。
現在は、そこまでの取り組みです。各小売店に、鮭の販売促進のために、どうこうするといったことはありません。
そこで、私としては、こんな取り組みができないものかと思うのです。

11月11日「鮭の日」販売促進計画(案)

11月11日は鮭の日です。この時期は、貴重な国産の鮭である「秋鮭」(シロサケ)の最盛期です。
この鮭を、より多く食べていただくために、次のような販売計画を作りました。
昨年販売実績・****ケース、****万円
本年販売目標・****ケース、****万円 (昨年実績の**%アップを目指す。)
販売方法・キャンペーン期間を設定する。 11月3日〜11日まで、「鮭を食べようキャンペーン」
条件について・この期間については、通常の仕切価格の**%を、京都市の「魚食普及特別会計」から補填。
したがって、仲買人渡しについては、通常価格の**%引きとする。
今日は、1998年3月3日「ひなまつり」です。
私どもの所では、この日のために数日前から、下記の商品を品揃えします。(これは、たぶん、京都の他のスーパーさんでも同じだと思います。)

3月3日「ひなまつり」の取り組み

「ひなまつり」の料理は「ちらし寿司」が定番です。
最近は「手巻き寿司」のところも多くなってきました。(実は、うちもそうでした。)
そして、もう一つ顕著な流れとしては、洋風料理です。たとえば「エビフライ」「カニグラタン」「サーモンステーキ」などですね。)
子供さんがおられるご家庭では、ひなまつりの日の夕食メニューはこうした物です。
したがって、これに見合うような品揃えをします。
品目を並べてみましょう。
  1. はまぐり・・これは、雛祭りの定番アイテムです。
  2. 身しじみ・・瀬田しじみの佃煮を食べます。
  3. その他の貝類・・女の子のお祭りという事で、貝類の品揃えが必要です。ちょうど、時期的に「とり貝」が出始め、その他の貝類も旬に入ってきます。

したがって、荷受会社として、扱い量の拡大のために、次のような「企画」を打ちましょう。
「ひなまつり・貝類特別おすすめセール」
  • 期間  3月1日〜3月3日
  • 販売条件  一定数量を事前予約の場合、0000円とします。(各魚種別に設定)
  • 規定量以上の買い物をされた場合、000%の還元を実施。
  • 販売用のツール関係を、必要なところに配布しますので、ご希望の方は荷受会社業務部ooまでお申し込み下さい。
「ひなまつり・連動企画」
 下記の魚種については、「ひなまつり連動企画」として、「還元率」をアップします。
 (通常、ooo%のところ、+ooo%付加して還元します。)
  1. まぐろ関係
  2. はまち・かんぱち
  3. もんこいか
  4. 焼きアナゴ
  5. ボイルえび、寿司えび
  6. ボイルたこ
  7. グラタン類
  8. エビフライ類
  9. サーモン、スモークサーモン
  10. ささがれい、みずかれい、えてかれい
  11. ちりめんじゃこ

「ひなまつり」を例に挙げて考えてみましたが、こんな風にして水産物の需要の拡大を目指すというのは、困難な事なのでしょうか。

お魚情報館
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