ゼリーミートについて


魚の身が、溶けた状態になっていることを、ゼリーミートといいます。マグロ・メルルーサ・銀鱈・カレイ類に多いです。
マグロの場合、身の一部分が変色し溶けていますので、はっきりわかります。
カレイ類の場合は、見ただけでは正常のように見えるのですが、火を通すと身が崩れてしまうのがあり、やっかいです。

私の経験でいいますと、春先に境港から送られるてくる「松葉かれい」にこれが多く、苦情の集中となります。
このカレイは近場でとれるため、見た感じはすごくきれいで鮮度がよく見え安心するのですが、集中的にゼリーミートが発生するので要注意です。
ゼリーミートの原因は、下記の2点が考えられています。
  1. 魚の生理状態によるもの
  2. ある種の酵素の働きによるもの.
冷凍の黄金カレイも、ゼリーミートが多いです。

黄金カレイのゼリーミートは、寄生した胞子虫に由来する「プロアテーゼ」という酵素の働きが原因です。
この酵素が働きにくい状態にすると、ゼリーミートの発生を押さえることができます。具体的には
  1. 解凍時間を短くする
  2. なるべく、解凍してすぐに調理する
  3. 30度〜60度の温度帯が、一番「プロアテーゼ」の働きが強くなるので、こ
    の温度帯を早く通過する調理法で料理する。(油で揚げる、電子レンジを使用等)
胞子虫は目に見えない寄生虫です。魚類にだけ寄生しますし、毒性もありません。
そのため、人間が食べたとしても、問題はありません。
この胞子虫がたくさん寄生した魚が死ぬと、多量の「プロアテーゼ」を分泌して魚肉のタンパク質を消化します。
これが、ゼリーミートです。
                                                        2000年1月26日記

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