お魚の方言について  項目は、随時、追加しています。  2005年5月17日更新


ある方から、提案をされました、「お魚の方言について」書いてみたいと思います。私が、実際に産地に行っておぼえてきたものと、本でしらべたものとがあります。「私のところでは、こう呼ぶよ。」というのがあれば、メールで教えてください。よろしく。
隠岐の方言は、中上養殖場の中上さんに教えていただきました。氷見の方言の多くは、氷見漁協の吉崎さんに教えていただきました。一地方で、同じサカナに2つの名前がついていることがあります。魚体の大きさで名が違うことが多いです。
大阪の岸和田での呼び方を、Miho Nishinakaさんが、メールで連絡して下さいました。 (2000年2月10日)
西中さんが、またメールを下さいました。(2003年3月21日)  大阪・岸和田周辺のお魚の方言について
kuroyanagisさんから、下記の情報を頂きました。(2000年6月7日)
『あなご』のことを、愛知県では、『めじろ』と呼びます。ま、最近の寿司屋(回転しか行った事ないですけど)では、穴子で通っている様ですけど。方言の書いてある「のれん」に、『めじろ』=『あなご』と書いてありました。
僕は愛知に住む天◎翔◎といいます。家の近くでは「めばる」の事を「わが」といいます。(2004年1月30日)
   (管理人) ありがとうございます。「めばる」の項目を作っておきます。また、何か情報があったら、教えてくださいね。
 この方は、何度も情報を送ってきてくださいます。ありがとうございます。
氷見漁協の吉崎さんが、氷見港にあがる魚全般について、呼び方を教えて下さいました。「氷見港での魚の呼び方(方言)」

標準和名 地方名 備考
あまだい ぐじ(京都=若狭物のみ)、ぐし(紀州雑賀崎)、くずな、
わかさぎ あまさぎ(宍道湖周辺) ワカサギ表示の冷凍魚は、ほぼ100%「チカ」という別の魚。
ひいらぎ ぎんた(岸和田)、にいらげ(岸和田)、しいば(熊本)
じんだべら(焼津)、ぜんめ(中部圏)
「にろぎ」と呼ぶところも多いようだ。
ウシノシタ インノシタ(犬の舌の意味?・岸和田)、うしべた(岸和田) 舌平目の一種。市場で「くろした」と言っている物と思われる。
いぼだい
うおぜ(京都)、しず(全国)、あまぎ(八幡浜)、ばか(高知)、えぼだい(関東)、われから(氷見)、うぼで(ぜ)(岸和田) 冷凍で、スターフィッシュという似た魚がいる。
四国八幡浜では「いぼだい」を「あまぎ」というが、高知・香川では「ダイミョウサギ」or「クロサギ」を「あまぎ」と呼ぶらしい。
はまち(ぶり)
らぎ(氷見)、やず(福岡)、まるご(舞鶴・境港) ハマチとツバスの区別は微妙。
氷見港で言う「らぎ」はハマチのようで、金沢で言う「ふくらぎ」はツバスに近い大きさのようである。氷見では、フクラギを「福来魚」と書く。(「らぎ」は「ふくらぎ」の短縮形と思われる。)どちらも「ぶり」の子。
つばす(ぶり)
つばいそ(富山)、ふくらぎ(金沢)、青子(小さめのもの)、ふくらげ(函館・苫小牧)、こずくら(氷見)
めいたがれい 松葉かれい(京都)、めた(境港・松江)、めいた(八幡浜)、めだか 「本めいた」と「化けめいた」がある。
片口いわし
たれ(舞鶴)、たれくち、せぐろ、しこ、ひしこいわし 口が、頭部の下のほうにあるため「たれ」「たれくち」となった。
丸あじ 丸アジ(京都・姫路)、青アジ(舞鶴) 真アジより体型が丸い、色も青っぽいため。
アナゴ ハモ(小浜、香住)、へび(氷見)、めじろ(愛知) 東北で「ハモ」と呼ぶ魚は、別種である。
黒マグロ 本まぐろ(全国的)、まぐろ(京都)、よこわ(幼魚=京都、境港)、オータロウ(氷見)、しび(各地) マグロ科の魚は何種類かあるが、京都でマグロと言えば「黒まぐろ」の事。
こしなが よこわもどき(舞鶴・京都)、もどきがつお(京都)、びんながよこわ(京都)、かつお(舞鶴) 京都や舞鶴では、「こしなが」という標準和名では認識されていない。
マダイ 本鯛(京都)、赤大(氷見、小浜) よく似た「チダイ」は京都では「チコダイ」と呼ぶ。氷見や小浜で、「マダイ」と「チダイ」が区別されているかどうかは不明。
かんぱち シオー(京都)、あかひら(境港=子魚を指す)ねりご(鹿児島=子魚を指す)、ねいり・ねれ(愛媛)、しーうお(紀州雑賀崎) 最近、値下がりして、ハマチの代わりに使われている刺身商材。本来、南方系の魚。
白鮭 秋あじ(北海道)、秋鮭(全国)、チャム(輸入の白鮭) 全国的に「秋鮭」で通っており、「白鮭」といっても知らない人が多い。
ひらまさ ひらす(西日本)、平子(松江・対馬=子魚を指す)、汐の子(氷見) ブリにそっくりで、一般人には区別がつかない。
かさご がしら(関西)、あらかぶ(博多・生月)、ほご(瀬戸内海)、ぼっか(隠岐・境港)、ぼてこ(山口)、がし(名古屋)、げばち(三浦)、あから、めばる、 防波堤の穴釣りで釣れる。種類がいろいろある。
まいわし ひらご(京都=10cm以下の小魚)、大羽・中羽・小羽(京都・舞鶴・氷見)、金太郎(まるまると太った大羽イワシ) サイズによって呼び名が変わる。どの大きさから分けるかは微妙。
ばしょうかじき ばれん(舞鶴、氷見)、秋太郎(鹿児島・垂水)、神主(氷見=小魚を指す) 京都にはあまり入荷しない。
するめいか
するめ(関西・九州)、まいか(東北・北海道)、伸子いか(舞鶴=稚魚の事)、まついか(八幡浜) 伸子いかは、本来「新子いか」だったと思われる。
すずき せいご(関西=未成魚)、まだかorまたか(愛知県師崎・名古屋=すずきの一歩手前)、はね 「鱸はまだか」で、マダカと言うらしい。一時、ナイルパーチを「スズキ」という名で売っていたが、品名表示規制が厳しくなり、今はほとんど無い。
石鯛 しまだい(全国=未成魚)、はす(京都)、ちーぱ(舞鶴=稚魚)、めいた(門司=稚魚)、ひしゃ(隠岐)、島大(氷見)、たかば(能登) 未成魚は「しま」があり、「しまだい」と呼ぶ地方が多い。
めじな グレ(京都・大阪)、つかや(舞鶴)、クロ(門司)、クロヤ(隠岐) 雑食性で、ミカンや海藻も食うため、季節により味が変わる。
まとう鯛 バト(小浜)、もんだい(八幡浜)、バトー(下関)
ごうごう(隠岐での幼児語)、紋付き鯛(各地)
体側に黒い「紋」がある。まとう鯛には何種類かあるが、市場では区別されていないようだ。
うちわえび かぶとえび(八幡浜)、ぱっちんえび(鹿児島=大隅半島) ぱっちんえびは、志布志では名物料理。
えい どすぺ(小樽・苫小牧・札幌)、かすべ(八幡浜) アンモニア臭があるので、京都では不人気。
しいら まんびき(鹿児島)、おぶだい(氷見) 鮮度良くても腹が臭い魚。氷見では、稚魚を三平と呼ぶ。
めだい ほた(鹿児島)、だるま(境港)、からす(氷見) 白身の魚。煮物、焼き物用。
めばちまぐろ だるま(京都=幼魚)、ばち(全国的) 「めだい」を「ダルマ」ともいうので、注意が必要。
ちかめきんとき 日の下(松江)、きんめ(各地) キンメダイに似ているが、目が黒い。白身で刺身で賞味する。キンメダイの代用品。
とびうお 大目=角とび(松江)、小目=丸とび(松江)、とんび(氷見) 松江では、卵も商品化している。
赤むつ のどぐろ(松江、氷見、京都)、全国的に「のどぐろ」と呼ぶところが多い。ぎょうしん(氷見)、あから(氷見) 口の中が黒いので「のどぐろ」と言う。
刺身・焼き魚にして美味!
かわはぎ はげ(全国的)、こうもり(氷見)、たい皮さ(氷見)、角めいぼ(山口県萩)、ヤチャ(喜界島)、こべ(紀州雑賀崎)、こうべ(岸和田)、丸はげ(神戸・明石)、マル(ハギ)(舞鶴)、まるこ(ん)ぐり(舞鶴) かわはぎと言っても、丸ハゲと長ハゲが一緒になっていることが多い。本当の「かわはぎ」は丸ハゲを言う。
うまづらはぎ はげ(全国的)、うま皮さ(氷見)、長めいぼ&馬めいぼ(山口県萩)、長はげ(神戸・明石)、ながこぐり(舞鶴)、長はぎ(舞鶴) 長はげの標準和名は「うまづらはぎ」
市場には、皮をむいたものが入っているが、これは「むきはげ」と呼ぶ。カワハギとウマヅラハギが混じっていることも多い。
うすばはぎ うまづら(京都)、うちわはげ(京都)、大葉メイボ(山口)、ラケット(南紀) かわはぎ類は、名前が混同されることが多い。
この魚は、ウマヅラと呼ばれることが多く、上記と混同されやすい。
きじはた なめら(氷見)、よねず(氷見) ハタ類は種類が多く、見分けが難しい。
かつお 本がつお(京都)、ちちこ(高知=かつおの心臓) 京都では、キハダの幼魚をカツオ名で販売されていた。
テンジクダイ ねぶと(福山・岸和田) ネンブツダイをネブトと呼ぶ所もあるらしい。
さわら サゴシ(全国=若魚)、やなぎ(岸和田=幼魚) サゴシより小さいのをヤナギと言うらしい。
あいなめ あぶらめ(全国)、どば(岸和田)
めばる わが(愛知) カサゴをメバルと呼ぶところもあるので注意!
黒鯛 ちぬ(関西圏、愛知)

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