秋鮭(シロサケ)について


標津漁協のコンサルタントをしておられる佐々木さんが、秋鮭(シロサケ)のいろいろについて、おさかなML(fishml)の中で、解説してくださいました。佐々木さんのお許しを得て、こちらに転載します。
秋に、生まれた川の沿岸へ産卵のために戻ってくる鮭が秋サケ。

これに対して、「ときしらず」は春から夏にかけて、索餌回遊中に沿岸の定置網で獲れる鮭です。
本来は秋に獲れる鮭が、季節違いの時期に獲れるので「ときしらず(時知らず)」と呼ばれています。

ちなみに、最近話題の「ケイジ(鮭児)」は、まだ、まったく成熟していない索餌回遊中の鮭が、たまたま、秋サケ漁の時期に秋サケと一緒に獲れるものです。

「ケイジ」が餌を獲りながら、太平洋を南下し、千葉県沖辺りで冬を越して、春再び北上するときに沿岸で網に掛かるのが「ときしらず」で、この魚は、アムール側に遡上するのだという説もあります。

これと、ちょっと似ているのが、「メジカ」。
鮭の成熟が進むと、鼻先が伸びて獰猛そうな顔になるのですが、まだ、このような変化が起こるまで成熟が進んでいないため、鼻先と目の距離が近い形をしているので「メジカ(目近)」と呼ばれているようで、この鮭は、本州の川に産卵のために回遊していく途中に、北海道の沿岸で地元の秋サケと一緒に漁獲されるものです。
つまり、これは、産卵回遊中の未成熟サケということになります。

いろんな名前で呼ばれていますが、魚の種類としては1種類で、秋サケも含めすべて「シロサケ」です。

秋に旬を向かえる秋サケは、産卵のために沿岸に返ってくる鮭。体の脂肪は、卵や白子を作るために使われていきます。
「脂の良く乗った旬の秋サケ」とは、誰が言い出したことなのか、とんでもない嘘っぱちです。

秋サケは、脂が少ないからこそ、塩漬けにして熟成させても脂焼けもせず、旨みも増して長期の保存ができるということになります。
最近、少しずつ話題になってきている、本物の「山漬け」は、この秋サケを最もおいしく食べる方法の1つだと思います。
下記の文章は、知床 三佐ヱ門 本舗 さんのホームページにある文書をお借りしました。(感謝)
  • ケイジとは?−−−さまざまな学説があるようですが、本来ならばアムール川方面をめざす鮭が、迷子になって知床へもどる群のなかに入ってしまったもの、という説が有力です。
  • よって卵巣、精巣は未成熟。魚体いっぱいに非常に脂がのっており、全身トロ状態。高級寿司ネタに使われます。1万本に1〜5匹の割合で水揚げされ、むかしは市場に出回りませんでした。TVなどで知られるようになって相場が高騰してます。
  • 普通の「シロざけ」「めじか」「ケイジ」を比較した写真があります。こちらへどうぞ。

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