食べる立場からの魚の歳時記「春」


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とんぼ節・なまり節
さわら(さごし)・あさり
よこわ・サーモン
銀鮭・本かつお
びんちょ・鰹たたき
丸あじ・めばる
さより・ほたるいか
かますご・新子
いかなご釘煮
かなぎちりめん

春になると、「あさり」は貝の身が太り、美味しくなる。みそ汁だけでなく、バターソティや酒蒸しなどもうまい。栄養価も高いのでたくさん食べよう。

「サーモン」は養殖なので1年中出回っているが、切り身魚として「ぶり」の需要が低下する頃から利用が増えていく。
脂があるので、ムニエル・フライに、すごく美味しい。(ノルウェー・オーストラリア・チリなどから輸入されている。)

「さわら」は、漢字で魚偏に春と書く(鰆)と書くとおり、春が旬で、瀬戸内で4〜5月頃漁獲されるが、減少している。
需要が多く相場も高い岡山に水揚げされることが多く、岡山では「鰆の刺身」が食べられる。京都には、そんな鮮度の鰆」は入ってこない。
たまに入ってきても、超高値なので高級料亭行きであり、庶民の口には入らない。
京都へ入荷する「さわら」は、そのほとんどが中国物で、鮮度ももう一つである。(さごしは「さわら」の幼魚で、最近はこれが多い。)

「本かつお」「びんちょ」「よこわ」は刺身用。この中では、やはり「本マグロ」の子である「よこわ」が美味い。そのかわり価格も高い。
「本かつお」は、ちょっとクセがあるので「生」より「たたき」が好まれる。京都では「びんちょ」が、人気がある。

「丸あじ」は、3月頃から紀州で獲れ始め、瀬戸内で7月頃まで続く。安くてうまい。大漁の時は、1尾10円くらいになることともあり、お買い得。
九州でもあがるが、九州物は比較的高い。「真アジ」は、八幡浜などから入荷するが、「丸あじ」との値段の差が大きいので、売りにくいし買いにくい。

「ほたるいか」「いかなご」は「春のたより」、売場に無くてはならないものである。3月はじめから、4月中旬まで、明石からのイカナゴ新子の直送がある。
「いかなご釘煮」「かなぎちりめん」も、旬のものとして重要。栄養価も高く、美味い。

「メバル」は、金沢物が入るが、高いし量も少ない。(北の方では「津軽海峡もの」が出回るはず。)

「さより」は、内地物は高い。安いのは、韓国や香港から輸入された物だが、刺身で食べるには、鮮度面での不安がある。

「とんぼ節」は、びんながマグロ、「なまり節」は本カツオを、それぞれ蒸した物。サラダや煮物に、春の味覚である。紀州や焼津で作られている。
                      1997年6月記

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