本鮪(クロマグロ)は、年々、資源の減少が問題になっています。このクロマグロの養殖は、約20年ほど前から行われており、いろんな困難を克服しながら、徐々に商業ベースにのるようになってきました。今回は、クロマグロの養殖について考えてみます。 |
マグロ類の飼育と生態研究が行われている大型水族館 |
国営沖縄万博記念水族館 東海大学海洋博物館 東京都葛西水族園 大阪海遊館 名古屋港水族館 アメリカ・カリフォルニア州・モントレーペイ水族館 南アフリカ連邦・ケープタウン・ツーオーシャン水族館 |
マグロ養殖の取り組み(研究)が行われているところ | ||
日本 |
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海外 |
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マグロ養殖の問題点 | ||
天然魚 | 養殖魚 | |
えさ | 色んな物を食べている。 | 冷凍のアジ・サバ・イワシ・イカナゴ・イカ等 |
運動量 | 広い外洋域に住み、運動量は多い。 | 閉鎖的な環境で、運動不足。 |
肉質 |
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マグロは、体重1kgあたり10万個の卵を生みます。したがって、100kgのマグロなら1000万個の卵を生むことになります。自然の状態では、この大量の卵の中から、雄雌各1尾が生き残れば「種の再生産」は果たせるわけです。 ところが養殖では、本来、自然状態では死んでいく魚でも生き残っていきます。ここに、種としての変化を生み出す要素があるのではないかと考えられています。(生理的な無理が生じる可能性) 養殖マグロは、養殖を通じて「家畜化」していきます。それは、天然のマグロとは異なった「形態」「代謝」「生理」「行動」などを持つようになります。 つまり、同じマグロでありながら、中身は違う魚となってきているのです。 他の養殖魚においても、同様の問題はありますが、広大無辺の外洋域を生活圏にしているマグロであるだけに、狭いところに閉じこめることがいかに不自然で困難であるかを示していると思います。 この問題の克服が、これからのマグロ養殖の重要な課題と言えるでしょう。 |
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この項目は、京都府漁連発行「京漁連だより」やさしい魚類学(96)を参考にしました。 |
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