ほたるいかについて |
「ほたるいか」は、日本海に春の到来を告げる魚の一つです。
危険にさらされると、全身の発光器をホタルのように光らせるために、この名がついたと言われています。 産卵期の3月〜6月には、数十万匹の大群が岸近くに押し寄せてきます。 最近では、新年早々、格安で出まわっているものがあります。これは、冷凍保存をしていた1年前の商品(ヒネ物)です。 この時期、スーパーで安売りしている物はすべてヒネ物です。新物とは「味噌=はらわた」の美味しさが違います。 見た感じも、魚体にツヤがありません。あまり美味しそうに見えません。 新物は、早ければ年明け早々から、山陰産の物が出まわります。これは、底引き漁で漁獲されたものです。 魚体が小さくて、味噌も少ないので、価格は安いです。(初物は、そこそこの値段がしますが。) 昔から、「ほたるいか」といえば、富山湾が特産地でした。 今でも、やはり富山湾の定置網で漁獲されたものは別格の扱いで、高い値段がついています。 やはり、山陰の底引き物とちがって、魚体が大きくツヤがあり、味噌も美味いですから、値段も違うのです。 解禁は、だいたい、4月1日。産卵のために近場に寄ってくるホタルイカを定置網で漁獲するのです。 スーパーやサカナやに並ぶのは、4月2日以降になります。 初物の価格は、1パック1000円近くします。ぜいたく品になってしまいました。 加工技術については、富山の滑川・新湊・魚津といったところが優れており、食べて美味しいのはやはり富山産のものです。 山陰ものは、浜坂が主産地です。 「ほたるいか」は、通常、ボイルしてありますので、そのまま食べられます。 しかし、劣化も早いので、外気温が高くなってくる4月中旬以降は、特に温度管理に気をつけて下さい。 車の中に入れたまま、2〜3時間ほっておくなんて事をしたら、まず「異臭」が出始めます。 買ったら、なるべく早く家に帰り、冷蔵庫で保存しましょう。 そして、できるだけ、買ったその日に食べましょう、翌日に食べたら、確実に味は落ちていますから。 |
生食に注意! |
「ほたるいか」の一部に、内蔵に有害な寄生虫が住み着いている物があります。 |
この寄生虫は「旋尾線虫」と呼ばれる寄生虫の一種です。
厚生省の発表・・2000年・・によれば、寄生している比率は、7%です。(年度や漁獲海域によって多少の差はある。) これを、生で食べると「腸閉塞」や「皮膚病」を起こす可能性があります。 この寄生虫は、加熱すれば死にます。したがって、通常売られている、ボイルした「ほたるいか」は大丈夫です。 また、冷凍(−30℃で4日以上)すれば死にますので、その場合は食べても大丈夫です。 たまに出回る「生のほたるいか」を「踊り食い」などしないで下さい。これが、一番危ないです。 産地からは、注意書きなどをつけて出荷されているようですが、法的に規制されていないこともあり、小売り段階ではほとんど対策がとられていないのが現状です。一人一人の消費者が注意するしか無いです。 なお、複数の方からの報告によりますと、産地ではあまり生食をしないようです。 また、生食される場合でも、寄生虫がいる内蔵は食べず、足の部分だけを食べるそうです。 2001年の富山湾の解禁は、3月1日でした。 日本海ものの出荷が早くなっていることに対抗して、富山湾の解禁も早くなってきているようです。 |
日本養殖新聞 平成13年4月5日号の記事より |
日本養殖新聞が、今年のホタルイカ漁について書いています。それによりますと、今年(2001年)の漁模様は昨年より悪いようです。寄生虫問題に関わっては、「生での出荷は、全体の2割程度」とし、富山県ホタルイカ協会が急速冷凍処理して出荷を行ったり、「沸騰水で30秒以上加熱すること」「刺身で食す場合は内臓を取り除くこと」などを記載したラベル貼付を徹底して出荷していることを報道しています。 また、富山県ホタルイカ協会の談話として「食品の安全性は我々にとっても死活問題となる。そうした生食時の注意事項を徹底させるため、生鮮ホタルイカの注意書きの貼付けされた、末端までしっかりと行き届く特別パッケージを思案している」と報道しています。 |
この問題については、消費地ではほとんど知られていないのが実態です。スーパーや小売店でも、ほとんど意識されていないのが、流通の現状です。そういう点では、今回の日本養殖新聞の報道は意義あるものだと思います。 |
ホタルイカの「沖漬け」は大丈夫? |
複数のfishml会員さんから、「ホタルイカの沖漬けは大丈夫なのか?」という質問がありました。 これについて、私は、下記のようにこたえましたので、ご紹介致します。
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いろいろ調べましたが、ホタルイカの沖漬けを食べて問題が起こったという報告は、今のところ、無いようです。したがって、上に書いたことはほぼ間違いが無いと思いますが、100%間違っていないとも言い切れません。その点は、ご容赦下さい。 この項目の文章は、2001年4月28日に書き加えました。 |
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