氷見ブリの話


氷見にお住まいの、私の入っている某MLでの友人「ふーさん」からのお便りです。
氷見港の、今年(1998年末)のブリの相場はどうなのでしょうか。

今年の最高値は キロ 8.000円だったそうです。こんなことで驚いちゃ〜いけません。
七、八年前になりますが、一時ブリが不漁の時がありました。その時のブリ一本の値段は・・・・・180.000円!!

ブリがいくら大きくなっても、17、8キロでしょう?180.000円 割ることの 18 = ?!?!!
マグロじゃあるまいし、なんでこんな値段になるのかと思うでしょ。

太平洋ものと日本海物では、やっぱり評価が違うんでしょうね。当然、味も違うだろうし。

そのとおり、日本海側と太平洋側では、ブリの味が大いに違います。
ブリの成長過程で、丁度最高の状態になるやつが、富山湾に入ります。それが、大敷(おおし)き網という大きな定置網に入るんです。

氷見でとれるブリにも、良し悪しがあります。
「上りブリ」と「下りブリ」といいまして、上りは北上するブリ、下りは南下してくるブリ。
昇りブリは成長途上で、脂の乗りが今一つです。それに引き換え下りブリは成長しきっておりますので、身がしまり、脂の乗りも最高!

それに、値段の高い理由は美味しいからだけじゃありません。何故かと言いますと、富山県は御歳暮にはブリなんです。
大きくなるに従って、名前が変わる「出世魚」ですので気の張った所へは、必ずと言っていい程「ブリ」を贈ります。
(これはあくまでも噂ですが・・例の180.000円のブリは某国会議員への贈り物だったとか)

保存食としての「ブリ」の食べ方も昔からあります。
「塩ブリ」・・・丸ごと塩付け
「かぶら寿司」・・かぶらを薄く切って魚の小さい切り身をはさみます。
(良いかぶら寿司はブリをつかっています。さばのかぶら寿司もあります)
「塩ブリ」は、昔は背中に背負って、飛騨高山方面に運んだそうです。(ブリ街道を通って)

今は、その「塩ブリ」も姿を消しました。
時代が「塩ブリ」を消しました。

何よりも、富山の人はブリが大好きなんです。
シーズンになれば話題は「今日はブリが捕れたか?」。捕れれば捕れたで、「安いか、高いか?」
新聞やテレビで「ブリが捕れた」と報道でもあろうものなら、皆さん、スーパーや町の魚屋さんに殺到します。(少しオーバーか?)
「ブリ大漁」は地方紙では一面に、NHKの地方版でもトップニュースです。

まあ、高くても安くても、なんとか食べようとします。そんなこんなで、富山ではブリがお高くなっていきます。

富山県の中でも特に氷見港には「ブリ」が集中して入ってきます。氷見が一番高値で買うからです。
だから、氷見のブリは最高級となっております。

氷見ブリの刺身は、脂が凄い!まるで、まぐろのトロのようです。

「ブリ照り」も美味しいですが、なんといっても「塩焼き」が美味しい!特に、ブリの頭の付け根の部分「かま」の塩焼きは最高です。
(ブリ一本にかまは一つしかない)

「かま」の塩焼きは 至高の味!と、氷見では言っております。

長くなりました。氷見の人間に「ブリ」を語らせてはこうなります。

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