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九州大学牧之内研(ぶり・出世魚、ブリについての学術的紹介があります。) 鷹巣中学校(東町のブリについての説明−東町漁協は養殖ブリの大産地です。) お魚支度人(東町のブリ) 養殖ブリ類の身の中にある異物は?(ぶり糸状虫について他) |
「ブリ」の名前 |
もじゃこ−>青子−>つばす−>はまち−>ぶり 上記が、この魚の成長によって変化していく名前です。(出世魚と言います。)
地方によっては、「はまち」と「ぶり」の間に「イナダ」「ワラサ」「ワカナ」などの名が入るようですが、京都では入れないですね。 なお、九州方面から入荷している「養殖ぶり」は、「ハマチ」と書いてあるのがあります。 これは、天然ものと区別して、養殖物はサイズに関係なく大きくなっても「ハマチ」と読んでいるのです。 なお、京都においては、普通、2kg〜3.5kgくらいまでを「ハマチ」と呼び、それ以上を「ぶり」と呼んでいます。 「ぶり」の若魚、我々が通称「つばす」と呼んでいる大きさの魚は、北陸方面では「ふくらぎ」と呼ばれています。 ところが、北海道の函館でも「ふくらげ」と呼ばれているのですね。これは、非常に面白いことだと思います。 |
「ぶり」から、少し話がとびますが、 昔、「北前船」というのがありました。ご存じの方もおられると思います。 「北前船」(きたまえせん)とは、関西・瀬戸内の人々が日本海を廻ってくる北陸の千石船を指して言ったものです。 和船による蝦夷地との交易は、この「北前船」によったなされていました。 春には、大阪の酒・木綿・雑貨、瀬戸内の塩、琉球の砂糖、北陸の米・縄むしろを北海道に運び、帰りにはニシンの〆粕、数の子、昆布、鮭を積んで秋の北風に送られて、再び日本海を廻り、大阪で冬囲いをしました。 明治のはじめまで、経済の大動脈であったこの「北前船」は、北海道の幸を送るとともに文化を運んで来たのです。 今でも、関西で昆布の加工品に人気があり、京都ではニシンそばが好まれています。また、北陸では「糠にしん」が喜ばれています。これらは、この時代の名残と言えそうです。 (この項目は、「ホテル函館ロイヤル」発行の資料を参照しました。) そして、北陸で「ぶり」の若魚を「ふくらぎ」と呼び、函館で「ふくらげ」と呼ぶのも、同じようにこの時代の文化の相互交流の中で形成されたものと言えると思います。 |
「ブリ」の旬 |
「ぶり」の産卵期は、3月〜5月頃です。この頃になると、腹に子を持ち始めるので、腹の身が薄くなり、切り身にしたときの歩留まりが悪くなります。 まあ、「ぶり」がよく売れるのは、12月〜2月の「鍋もの」の時期で、旬もこの頃です。この時期が終わる頃に歩留まりが悪くなっていくので、ちょうど良いと言えばそのとおりなのです。 関西では、「ぶり」はお正月に無くてはならない魚です。中でも、北陸地方では、お正月や祝い事の時に「ぶり」を欠かすと、家の格が問われるほど大事な魚なのです。 富山湾の定置網に入り、氷見港に水揚げされる「寒ブリ」は、第1級品として珍重されます。 私は、何度も正月明けの初市の時に氷見港に行っていますが、大漁の時でも「kg1800円」(氷見漁港の市場でのセリ値)を下回った記憶がありません。「kg10000円」する事もあるようです。 氷見の「ぶり」は、1尾で10kgを越える大きなものもありますので、1尾10万円以上する場合もあるのです。それでも買う人がおられるのですから、この地域の「ぶり信仰」はすごいですね。 (九州の「天然ぶり」なら、kg300円という安値は、ざらに出ます。) 氷見では、知り合いの料理屋さんに行くと、「ぶりのアラの煮付け」を出してくれます。何も知らない人なら、「アラ煮」などが出ると「失礼な」と思うかもしれませんが、実はそうではないのです。 「ぶり」の一番美味しい部分は「カマ」です。「ぶりのアラの煮付け」には「カマ」を使っています(もちろん「カマ」以外のアラも使いますが)ので、これが最高の料理なのです。(「カマ焼き」の場合もあります。) |
氷見港の事はこちらへ。 氷見市のホームページ 七尾商店 (有)橘伊八商店 |
先日、信州・穂高町ののワサビやさんと話していたら、「信州でも、お正月にブリを食べます。お祝いの時にもブリを出します。」と言うことでした。 その昔、氷見のブリは塩漬けにされて、飛騨高山を通り、信州へと運ばれたのです。信州の人はこのブリを「飛騨ブリ」と言い、正月用のごちそうとして利用してきたのです。今も、その風習は残っているようです。 これは、若狭小浜のサバを塩漬けにして、京都へ運んだのと同じ事ですね。(これは、今でも「鯖街道」という名前を残しています。) 京都人は、この鯖を利用してお祭りの鯖寿司を作ったのです。(今は、「若狭の塩鯖」はありません。京都の鯖寿司は、「焼津の塩鯖」で作ります。)=これについては、別項で書く予定です。 |
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