対州馬の馬具 無口とメーダテ(シメメーダテ)

「対州馬の扱い手婦女子であることは、多くの在来馬にみられる光景とかわらないが、 対州馬の性質は極めて温順であり、癖馬(くせうま)はほとんどいない。(注1)」

対州馬は畜舎で飼われ、子馬の時から母馬と一緒に行動することで自然に仕事をおぼえていくという。
対州馬の制御馬具は、無口、または「メーダテ(シメメーダテ)」と呼ばれている対州馬独特の馬具を使用しています。
子馬が生まれた時から人間と一緒に生活しているからできる制御法と考えられます。

(注1は「日本の在来馬−その保存と活用−」5.対州馬 正田陽一・澤崎担 1984年 日本馬事協会より引用)


対州馬には、一般的に 無口頭絡(むくち)が使われています。
無口(むくち)は馬に負担がかからず、馭者(ぎょしゃ)は馬との関係により、無口に結び付けられた一本の手綱だけで、制御しています。
対州馬の無口

メーダテ メーダテ(シメメーダテ)

下の手綱(たづな)を引くと、木片が絞られるため、馬の鼻面部分か頤(したあご)くぼを締めつけようできています。
使役中に使用されます。

奄美・沖縄で使われている 「オモゲー」の棒がなくなった形式です。一本の縄で結んで作り、仕上げに布を編みこんで丈夫で美しくしています。図の茶色部分は木製です。

メーダテ


このページは民族学の立場から馬具を研究されています、総合科学大学院の小島摩文氏より、資料を提供していただき作成しました。(1999/05/23 up)

「東アジアひょうし図譜」小島摩文 民具マンスリー第29巻1号 1996/4 神奈川大学日本常民文化研究所発行ほか


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