唐津の水神さん   北高来郡森山町森山杉谷名唐津(からづ) 
 唐津(からづ)の下、森留一氏宅付近で、道路から10mぱかり山手に登ったところに古びた瓦屋根の下、大きな石を 台座にして、その上に柱状の四角な竿石を建てさらに蓮華座をおきその上に神様が安置されている。

森山町・唐津の水神さん 1998/8/2 撮影
森山町・唐津の水神さん

 いつの頃から祭られているのか明らかでないが、古老の話では、その昔「ちょうすぼ(かっぱ)」のために多くの子供 の命が奪われていたということで、何とかしてその難をのがれる方法はないものかと思案の末に祭られたとこ ろ、そのご利益あって、その後はその難がなくなったということである。
 又干拓地の稲などよく稔るように旱魃の時でも水に困らないようにと念願をこめて建立されたのであろう。

河童・田中義人 作
河童・田中義人(長崎市) 作陶

 例祭は4月15日に行われることになっており、祭りの当番は二人宛輪番に家廻しということである。祭り の当日は水役さんは神様に御供(ごっく)さんをあげることになっており当番の人は御神酒(おみき)を供え、旗を建ててお祭りの 準備やいろいろと世話をすることになっている。部落の人は各自酒肴を持ち寄って部落中の人が神様への感謝やお願いとともにお互いが心おきなく和やかに楽しく祭るという習わしである。

 水神さんの近くの人は特に掃除をしたり、お花をあげたりしてふだんから大事にしてお参りをされるということである。 水神様の御利益は大きいものがあるという近所の人の話である。

<森山町郷土誌 森山町 昭和60年1月発行より>


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