表1腰痛の原因疾患の分類 | |||
1.先天性疾患 | 各種奇形 | 7.心因性 | ヒステリー |
2.腫瘍 | 原発性 脊髄・馬尾神経腫瘍 | 心身症 | |
転移性 脊髄腫瘍 | 8.代謝性疾患 | 骨粗鬆症 | |
3.炎症性疾患 | 強直性脊椎炎 | 骨軟化症 | |
慢性関節リウマチ | 糖尿病 | ||
4.感染症 | 脊椎カリエス | 9.内臓疾患からの関連痛 | 呼吸器・胃腸疾患 |
椎間板炎 | 婦人科的疾患 | ||
化膿性脊椎炎 | 泌尿器科的疾患 | ||
5.外傷 | 圧迫骨折・棘突起/横突起骨折 | 血管性 | |
腰部捻挫・打撲 | 10.その他 | 筋筋膜性腰痛 | |
腰椎分離・すべり症 | 姿勢によるもの | ||
6.変性性疾患 | 椎間板ヘルニア | コンパートメント症候群 | |
脊柱管狭窄症 | (坪内俊二:医学のあゆみ180(9):571 ,1997より引用) |
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変形性脊椎症 | |||
椎間関節性腰痛 | |||
変性すべり・変性性側弯 |
<鍼灸治療と腰痛>
鍼灸治療が最も適応するのは腰の筋肉や筋膜に由来する急性の腰痛症や腰椎の変形にもとずく慢性の腰痛症などです。手術を必要としない椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄では保存療法として効果がみられます。内臓疾患などからきている腰痛症では、その原因疾患が鍼灸に適応するかが問題になります。しかし、癌の末期など不治の病からきている腰痛でも、鎮痛を目的に鍼灸を行うことがありますので、鍼灸の先生に相談することをおすすめします。 <東洋医学的腰痛の分類> 鍼灸では腰痛を現代医学的に捉えるとともに、東洋医学的な解釈を加えて治療の経穴(ツボ)をさぐります。図2は次のどのタイプの腰痛にでも使われる基本的な経穴です。市販されている温灸や指で押すなどして利用してください。 (1)寒湿による腰痛 湿度の高い所での労働や住居する人に多くみられます。また、雨や汗で体が冷えたり寒冷や冷房などが原因になります。 症状は腰の重だるさが特徴で、痛みは雨の日や冷やすことにより増強し、温めることで軽減します。 (2)腎虚による腰痛 房事過多や慢性病あるいは老化による ※「腎精」の不足が原因となります。 症状は腰痛とともに腰や足の無力感があり、からだの疲労により増悪します。 (3)血おによる腰痛 腰部捻挫などの外傷により腰の経絡(ツボの流れ)が滞ることが原因です。 症状は腰に刺されるような痛み、固定性の痛みがあり、昼間より夜間に増強する傾向があります。
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※腎・精について 鍼灸の古典といわれる黄帝内経素問・脉要精微論に「腰者腎之府。転揺不能腎将憊・・・」とあり、腰痛は「腎」と密接な関係があると記されています。この「腎」を東洋医学では「精を蔵し、生長・発育・生殖を主る」「水液を主る」「骨を主る」などとし、泌尿器としての腎臓とは異なった概念でとらえています。すなわち腎にある精(私たちがもともと持っている生命のエネルギーのことで、気と同様の意味)によって私たちの生長、発育、あるいは生殖がコントロールされ、体液の調節や骨の代謝とも関連するというものです。このようなことから東洋医学的「腎」は腎臓上部の副腎や下垂体−副腎系などの内分泌系と関連があるのではないかと考えられています。 |
2.腹圧性尿失禁
奥さん・お婆ちゃん
せきやくしゃみで尿がもれませんか
せきやくしゃみ、笑う、重い物を持つなどちょっとお腹に力が入っただけで尿がもれてしまう。このような症状は出産や更年期以後の女性に多くみられます。
原因は骨盤内の臓器(膀胱、子宮など)を支える骨盤底筋という筋肉の衰えにあります。軽度なうちは骨盤底筋を強くするトレーニングでよくなりますから、次のトレーニングを始めてください。 A.ボールを使ったトレーニング1.仰向けに寝て膝を立てます。腕は楽な所に置きましょう。
2.図のようにヒップを持ち上げ4秒休めて、4秒数えます。
3.呼吸は上げる時に吐き、ゆるめながら吸いましょう。
※ どちらのトレーニングも無理のない回数で毎日続けましょう。少しづつ回数を増やして根気よく続けてくださいね。トレーニングの効果が現れるには半年近くかかります。