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真保裕一さんの本の書評

 

真保裕一 (しんぽ ゆういち)

 
(プロフィール)
1961年生まれ。
1991年『連鎖』で第37回江戸川乱歩賞を受賞。
1996年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、1997年『奪取』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞を受賞。
 
連鎖  ホワイトアウト  繋がれた明日
 
  
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連鎖

連鎖

おススメ度:(5点満点)

本体価格:667円+税
発行所  :講談社
発行日  :1994年7月15日
形態   :文庫・407ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド、ミステリー小説
 内容
 チェルノブイリ原発事故の影響を受けた食品、農薬が残留した食品が流通している、というタレ込みがあり、食品Gメン・羽川が調査に乗り出す。 羽川に先立ち汚染食品について調査していた羽川のかつての友人・竹脇は事故により瀕死の重傷を負う。汚染食品の流通の裏には強大な事件が潜んでいた。

 感想
 1990年台前半に書かれた作品であるが、最近でも狂牛病、鳥インフルエンザ、食品への残留農薬など、食の安全に関する問題は続発しており、全く色あせない内容である。
 食品Gメン/ミステリー/ハードボイルドと異色の組み合わせで話が展開していくのは面白い。 面白いのは面白いが話が途中から一本調子となり(最後にちょっとした驚きは準備されているが)、途中からなんとなく話の結末が読めてしまったのは残念であった。 ただストーリーとしては全く破綻なく、安心して読める。
(書評作成:2007年4月15日)
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ホワイトアウト

ホワイトアウト

おススメ度:(5点満点)

本体価格:781円+税
発行所  :新潮文庫
発行日  :1995年9月1日
形態   :文庫・637ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド、映画化された小説
 内容
 自らの過失で友人を死なせてしまったことを悔いるダム運転員の富樫。 そんな彼が勤務するダムが武装グループにより占拠された。 彼らはダムの関係者およびダムの下流域の住民を人質に取り、50億円の身代金を要求した。 すんでのところで武装グループから逃れた富樫は、ダムの見学に来ていて人質にとらわれた亡き友の婚約者を救うため、たった一人で武装グループに立ち向かう。

 感想
 ページ数が多くて読み応えがあったが、非常に楽しめた。 映画版では主人公・富樫を織田祐二がやっていたことから分かるように、主人公はシルベスタ・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーのようなマッチョ系ではなく、普通の人。 そんな普通の人が武装グループに立ち向かっていく様子がこと細やかに描写されており、ついつい物語りに引き込まれてしまう。 まさにアクションもののハードボイルド小説の傑作といえる。 またアクションものでありながら、この小説のもうひとつの主役である雪という自然現象についても丁寧に表現されている点がすばらしい。
  とかくアクション小説というと格闘に主眼が置かれ、その他の描写は大雑把になってしまうが、この小説はそのようなものとは一線を画している。 ページ数は多いが、その世界観に引き込まれること間違いなし。
(書評作成:2008年3月15日)
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繋がれた明日

繋がれた明日

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,700円+税
発行所  :朝日新聞社
発行日  :2003年5月30日
形態   :単行本・424ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド
 内容
 喧嘩の末、誤って殺人の罪を犯した中道隆太は、刑期満了を目前に仮釈放となる。 新しい家、勤務先で新たな人生を歩み始めたが、勤務先や自宅のアパートに「この男は人殺し」と書かれた中傷ビラをばらまかれた。 いったい誰が何の目的でこんな仕打ちをするのか?隆太は孤独な犯人探しに乗り出す。

 感想
 殺人を犯した男の「罪の償い」と「なぜ自分がという憤り」の葛藤を描いている。 話の内容は結構重いが、テンポよく話が進行していくので非常に読みやすい。 もし自分あるいは自分の親族が加害者(または被害者)として事件に巻き込まれ、世間に背を向けなければならなくなった場合、どう暮らしていけばいいんだろう、など読後に様々な思いが胸の中に渦巻いていた。
(書評作成:2005年11月28日)
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