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宮部みゆきさんの本の書評

 

宮部みゆき (みやべみゆき)

 
(プロフィール)
1960年、東京生まれ。1987年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。
1989年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞、1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞を受賞。
1993年『火車』で山本周五郎賞、1997年『蒲生邸事件』で日本SF大賞を、1999年には『理由』で直木賞を受賞した。
 
【現代小説】
魔術はささやく  とり残されて  火車  理由  R.P.G.  人質カノン  今夜は眠れない  夢にも思わない  地下街の雨  淋しい狩人
返事はいらない  レベル7  蒲生亭事件  ステップファーザー・ステップ
【時代小説】
本所深川ふしぎ草紙  かまいたち  初ものがたり  あやし  幻色江戸ごよみ  あかんべえ  ぼんくら  震える岩  堪忍箱
 
  
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魔術はささやく

魔術はささやく

おススメ度:(5点満点)

本体価格:590円+税
発行所  :新潮文庫
発行日  :1989年1月25日
形態   :文庫・406ページ

ジャンル:ミステリー小説、ドラマ化された小説

目次
プロローグ
第一章 発端
第二章 不審
第三章 不安な女神たち
第四章 つながる鎖
第五章 見えない光
第六章 魔法の男
最終章 最後の一人
 内容
 日本推理サスペンス大賞受賞作。
 主人公の日下守は、父の公金横領・失踪、母の死という不幸な境遇を背負い、今はタクシー運転手である叔父の元に身を寄せている。 ある日、叔父のタクシーに女性が飛び込み、死亡する事故が発生する。 目撃者はなく、叔父は逮捕されてしまう。 事故に疑問を持った守は叔父を救うべく独自に調査を行い、死亡した女性がある事件に関係していること、彼女と同様の境遇の女性が次々と死亡していることを知る。

 感想
 宮部さんの初期の作品であるが、ミステリーとしても様々な謎や伏線が方々に張り巡らされており、非常に面白い。 また単なるミステリーに留まらず、不幸な境遇の守が、様々な人との出逢いを繰り返し、成長していく様を描くヒューマンドラマとして読んでも面白い。 むしろ宮部さんは、ミステリーと言う手法を用いて守が成長していく様を描きたかったんだと思う(推測ですが)。
 この物語の面白いところは、事件解決でエンディングとせずに、その後の余韻を楽しんでいるところにある。 最後の余韻はまさに守の最後の成長を描ききっており、読後に不思議な感覚を残してくれる。 エンディングが特に秀逸であると感じた。
(書評作成:2007年3月2日) 
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とり残されて

とり残されて

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,262円
発行所  :文藝春秋
発行日  :1992年9月
形態   :単行本・285ページ

ジャンル:SF

目次
とり残されて
おたすけぶち
私の死んだ後に
居合わせた男
囁く
いつも二人で
たった一人
 内容
 ミステリアスな話7本を収録した短篇集。
とり残されて
勤務先の小学校で男の子の幻を見た主人公は、その男の子に導かれ殺人現場を目撃する。
おたすけぶち
”おたすけ淵”という場所で事故死した兄の供養のための現地を訪れた妹の身に起こる事に関する話。
私の死んだ後に
落ちぶれたプロ野球選手が喧嘩により刺殺された話。
居合わせた男
仕事帰りのグリーン車の中で、二人の女性から奇妙な話を聞かされた男の話。
囁く
仕事のストレスから泥棒をしてしまった男の話を聞かされた男の話。
いつも二人で
留守番宅で地縛霊に取り付かれた男の話。
たった一人
毎晩見る奇妙な夢の真相を確かめるため探偵を訪ねた女の話。

 感想
 この本が私にとって宮部みゆきデビューとなった本である。 宮部みゆきといえば長篇の小説が有名であるが、この本は短篇集でありながら、とても面白く読めた。 読み始めたころはタイトルは意味不明であるが、最後まで読むとこのタイトルにはこんな意味があったのか、とうなずいてしまう。 次からも宮部みゆきの本を読んでみたいと思わせる内容の本であった。
(書評作成:2004年3月8日) 
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火車

火車

おススメ度:(5点満点)

本体価格:857円+税
発行所  :新潮社
発行日  :1998年2月1日
形態   :文庫・590ページ

ジャンル:ミステリー小説、ドラマ化された小説
 内容
 山本周五郎賞受賞作品。
 休職中の刑事、本間は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。 彼女は自らの意思で失踪したのであるが、徹底的に生活の痕跡や足取りを消していた。 ―なぜ彼女は自分の存在を完全に消しさらなければならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?

 感想
 非常に長い文章であり読むのに骨が折れたが、読んで面白かったといえる本であった。 ミステリー小説の形態をとっているが、カード社会、消費者金融、自己破産などの経済的、社会的問題を題材としており、経済や社会の問題点を読み解くという意味でも本書は役立つ。 今(2006年)から8年前に書かれた本であるが、現在の消費者金融の暗部(グレーゾーン金利、自己破産、壮絶な取立て)がそっくりそのまま書かれており、今読んでも全く古さが感じられない。
 そういう意味では、現在の金融市場、金融政策は1998年当時と全く変わっていない。 今になってグレーゾーン金利の撤廃が論じられるなど、金融政策の対応の遅さ、無計画さが感じられる。 少なくとも本書が書かれた時点で何らかの対策が取られていたら、悪質な取立てによる悲惨な事件が起こらなかったはずであり、改めて金融政策の無策さに憤りを感じざるを得ない。
(書評作成:2008年12月14日) 
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理由

理由

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,800円+税
発行所  :朝日新聞社
発行日  :1998年6月1日
形態   :単行本・573ページ

ジャンル:ミステリー小説、映画化・ドラマ化された小説

目次
1.事件   2.入居者    3.片倉ハウス  4.隣人たち  5.病む女   6.逃げる家族
7.買受人 8.執行妨害  9.家を求む   10.父と子   11.売家   12.幼い母
13.写真のない家族    14.生者と死者 15.帰宅    16.不在の人びと
17.家出人  18.綾子 19.信子      21.出頭    20.逃亡者
 内容
 「高層マンション」を舞台に、一家四人殺人事件が発生した。 ただ通常の殺人事件と異なり「誰が」「誰に」殺されたのか、「なぜ」殺されなければならなかったのかについてははっきりしない奇妙な事件であった。 その謎について事件が解決した後に、関係者をまわってインタビューを集めた、ルポルタージュ形式で、事件を伝えるという形式で伝えている。

 感想
 非常に長い文章であり読むのに骨が折れたが、読んで面白かったといえる本であった。 普通のミステリーと異なり、謎解きをする人は誰もいない。 さらには謎解きが現在進行形でなく、事件そのものが事後の出来事としてルポルタージュ形式で事件の全貌が読者に伝える(説明する)という全く新しい手法で描かれている。 直木賞に選ばれたのも納得できる面白さを持っている本である。
(書評作成:2004年8月17日)
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R.P.G.

おススメ度:(5点満点)

本体価格:476円+税
発行所  :集英社
発行日  :2001年8月25日
形態   :文庫・306ページ

ジャンル:ミステリー小説、ドラマ化された小説
 内容
 女子大生・今井直子と会社員・所田良介が相次いで殺される事件が発生した。 二つの事件は当初別々のものと考えられたが、いくつかの物証からこれらは同一犯によるものと断定された。
 所田の身辺を調査していた警察は、彼がネット上に擬似家族を作っていたことを知り、その線から二つの事件の謎に迫る。

 感想
 ミステリーとしての面と、家族とは何かを考えさせられる人情ものの二つの側面を持っている。 ミステリーとして見ると、事件の背景及びその解決が全て事件現場ではなく、取調室という密室で行われているのが特徴である。 そのストーリーも破綻することなく納得させられるのはひとえに著者に筆力によるのもであろう。
 実はこの小説はミステリーよりも家族の関係に主眼が置かれていたということは読後に誰もが気づかされるはず。 それがタイトルのロールプレイングという言葉に集約されるのですが。 この点ではちょっと描き方が甘いかなという感じがした。
(書評作成:2007年8月20日)
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人質カノン

人質カノン

おススメ度:(5点満点)

本体価格:476円+税
発行所  :文春文庫
発行日  :2001年9月10日
形態   :文庫・317ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
人質カノン
十年計画
過去のない手帳
八月の雪
過ぎたこと
生者の特権
漏れる心
 内容
 タイトル作を含む、7編の短編が収められた短編集。 日常に起こりうるちょっとした事件、その際の主人公の心の移り変わりを描いている。

人質カノン
深夜のコンビニでコンビニ強盗に遭遇してしまうOLと小学生の話。
十年計画
タクシーの中で、昔計画された殺人計画を聞かされる話。
過去のない手帳
五月病で登校拒否になった学生が、電車の中で拾った手帳の持ち主を探す話。など

 感想
 ミステリーに分類しているが、どちらかというと事件に巻き込まれた(事件というほどのものではないものが多いが)主人公の心の移り変わりを描いた小説である。 「いじめ」を題材にした話が三編あり(「八月の雪」、「過ぎたこと」、「生者の特権」)、いずれも非常に考えさせられる社会的な話であった。
 短篇であり一つ一つの話はすぐに読みきってしまう。 しかし非常に考えさせられるため(いい意味で)長篇小説を読んだような気にさせられた。
(書評作成:2008年2月11日)
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今夜は眠れない

今夜は眠れない

おススメ度:(5点満点)

本体価格:619円+税
発行所  :角川文庫
発行日  :2002年5月25日
形態   :文庫・282ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
キックオフ
前半戦
ハーフタイム
後半戦
PK戦
 内容
 平凡な家庭に突如と沸いた5億円の遺産問題。 遺産を残したのは、昔に母とちょっとした接点があった”放浪の賭博師”。
 遺産問題が原因で父と母の中がギクシャクし始めた。 心痛めた中学1年の息子の雅男は、友人の島崎とともに放浪の賭博師と母の関係について調査を始める。

 感想
 軽いノリの青春ドラマという感じのミステリーである。 少年二人が謎を追いかけるので、行動範囲は狭いが、そこに様々な謎が仕掛けられている。
そして最後には、詳細は述べられないが、どんでん返しが仕掛けられており、最後まで楽しむことができる。
 ちょっとした暇つぶしに頭を使ってみたいという人向けの小説である。
(書評作成:2011年1月22日)
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夢にも思わない

夢にも思わない

おススメ度:(5点満点)

本体価格:552円+税
発行所  :角川文庫
発行日  :2002年11月25日
形態   :文庫・374ページ

ジャンル:ミステリー小説
 内容
 「今夜は眠れない」の登場人物が再び事件に巻き込まれた。
 雅男に心惹かれる女性・クドウさんができた。 そのクドウさんが、地域の風物詩である「虫聞きの会」に出かけるという。 雅男も虫聞きの会に出かけるが、そこで見たのはクドウさんの死体。 驚いた雅雄は気を失ってしまう。
 しかし殺されたのはクドウさんの従姉だった。 事件後に様々な噂が飛び交う。 クドウさんを気遣う雅雄は親友の島崎とともに、事件について調べ始める。 

 感想
 軽いノリで読めるミステリーとしては「今夜は眠れない」と同様。 しかし本作のほうが事件や謎の広がりがあり、より楽しむことができる。
 本作は主に二部構成になっていて、前半がミステリー、後半が中学生の青春モノ。 全体的にさわやかな青春ドラマなんですが、最後にどんでん返しが用意されています。
 いい意味で”後味の悪さ”が残る作品だと思います。
(書評作成:2011年1月22日)
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地下街の雨

地下街の雨

おススメ度:(5点満点)

本体価格:514円+税
発行所  :集英社文庫
発行日  :1998年10月25日
形態   :文庫・316ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
地下街の雨
決して見えない
不文律
混線
勝ち逃げ
ムクロバラ
さよなら、キリハラさん
 内容
 様々な作風の異なる話を集めた短編集。
 結婚直前で婚約破棄された女性と、その女性の前に現れた謎の女性の関係を描く「地下街の雨」、無理心中を図った一家の背景をインタビュー形式でたどる「不文律」、夜な夜な板面電話をかける男に起こる悲劇を描く「混線」など。

 感想
 いずれの話もが全く異なるタッチ、ストーリーで描かれており、一つ一つに話を新鮮な気持ちで読むことができる。 人間ドラマを描いた話(地下街の雨、勝ち逃げ、さよならキリハラさん)、奇妙な話(けっして見えない、混線)など、ジャンルも様々。
 これらの話の中では、人間の心理に焦点を当てた「地下街の雨」と「勝ち逃げ」の話が特に面白いと感じた。
(書評作成:2011年9月24日)
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淋しい狩人

淋しい狩人

おススメ度:(5点満点)

本体価格:476円+税
発行所  :新潮文庫
発行日  :1993年2月1日
形態   :文庫・329ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
六月は名ばかりの月
黙って逝った
詫びない年月
うそつき喇叭
歪んだ鏡
淋しい狩人
 内容
 東京下町にある古本屋・田辺書店を舞台に、本をきっかけとして起こる謎に対して、書店の店主・イワさんとその孫の稔が調査していく話を描いた短編集。

 感想
 取り扱われる事件は結構陰惨なものが多く、それだけだとすごく暗くて思いストーリー展開となってしまう。 それを重苦しいストーリーにならないようにしているのが、主人公のイワさんとその孫・実の存在である。
おそらく登場人物のキャラクターに魅力がなくて、淡々と謎に迫るストーリー展開であったなら、ストーリーや事件の重苦しさばかりが強調されて、読後の爽快感はなかったと思う(とくに児童虐待を扱った「うそつき喇叭」など)。
 キャラクター設定だけで重苦しい話に対して読後の爽快感を与えるという宮部さんの筆力が感じられる小説であると思う。
(書評作成:2011年9月24日) 
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返事はいらない

返事はいらない

おススメ度:(5点満点)

本体価格:514円+税
発行所  :新潮文庫
発行日  :1991年12月1日
形態   :文庫・284ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
返事はいらない
ドルシネアにようこそ
言わずにおいて
聞こえていますか
裏切らないで
私はついてない
 内容
 都会の片隅で起こったちょっとした、事件を取り扱った短編集。
失恋の痛みからコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理を描いた「返事はいらない」、速記の資格取得を目指す青年が駅の掲示板に残したメッセージに端を発する騒動を描く「ドルシネアにようこそ」、見栄っ張りな従姉のために騒動に巻き込まれた青年の奮闘を描く「私はついてない」、など。

 感想
 人情味があふれた短編集であり、読み終わった後も爽快感があった。 決して明るいエンディングとはいえない話もあるが、後味の悪さなどはまったくない。 短いストーリーでありながら、主人公のちょっとした心理の動きなどをきちんと書ききっているのはさすが。
 今回の短編はいずれも面白いが、特に「返事はいらない」、「ドルネシアにようこそ」、「言わずにおいて」、「私はついていない」は秀逸であると思う。
(書評作成:2012年6月17日)
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レベル7

レベル7

おススメ度:(5点満点)

本体価格:987円
発行所  :新潮文庫
発行日  :1990年9月25日
形態   :文庫・665ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
プロローグ
第一日
第二日
第三日
第四日
エピローグ
 内容
 「レベル7まで行ったら戻れない」という言葉を日記に残して突如失踪した女子高生。 またそれと同時に、とあるマンションの一室で記憶を失った状態で目覚めた男女二人。
 少女を捜すカウンセラーの追跡行と、男女の自分探しが交錯するとき、かつてない凶悪事件の闇が暴かれる。

 感想
 長編ではあるが、スピーディーな流れで一気に読み進めることができた。 目次からも分かるように、ストーリーはわずか4日で進行し、話の展開も非常にスピーディーである。
 二つの一見関係なさそうなストーリーが見事に絡み合っていき、ひとつの完成されたストーリーを形成しているのはさすがである。 特に終盤の読者の考えを二転三転させる一ひねりは面白く、最後まで飽きることなく読むことができた。
(書評作成:2012年10月28日) 
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蒲生亭事件

蒲生亭事件

おススメ度:(5点満点)

本体価格:829円+税
発行所  :文春文庫
発行日  :1990年9月25日
形態   :文庫・686ページ

ジャンル:SF

目次
第一章 その夜まで
第二章 蒲生家の人びと
第三章 事件
第四章 戒厳令
第五章 兵に告ぐ
終章 孝史
 内容
 予備校受験のために上京した孝史は、その宿泊のために訪れたホテルで奇妙な男・平田に出会う。 そんな孝史は2月26日の未明、ホテルでの火災に出会い絶体絶命のピンチに見舞われる。 そんな孝史のピンチを救ったのは平田であった。 平田はタイムトラベルの能力があり、昭和11年2月26日の夜、226事件の渦中にあった元軍人である蒲生亭にタイプスリップしてきた。 そこで、孝史はある事件に巻き込まれるとともに、数奇な体験をすることとなる。

 感想
 ミステリーの要素もあり、またSFの要素もあり非常に楽しむことができた。 ページ数が多く、読むのにすごく時間がかかったが、話の展開はスピーディーで飽きることなく、最後まで読み進めることができた。
 タイムトラベルというと、歴史の改変などがテーマとなることがあるが(たとえばバック・トゥ・ザ・フューチャーなど)、本策では大胆で緻密な仮定によりその問題を解決している。
 はじめは頼りなかった孝史が、徐々に成長してたくましくなっていく様子、人間的に成長していく様子が描かれている。 エンディングに向かっての数ページは実にすがすがしく、感動的であった。
(書評作成:2013年6月22日) 
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ステップファーザーステップ

ステップファーザー・ステップ

おススメ度:(5点満点)

本体価格:600円+税
発行所  :講談社文庫
発行日  :1996年7月15日
形態   :文庫・360ページ

ジャンル:ミステリー小説、ドラマ化された小説

目次
ステップファザー・ステップ
トラブル・トラベラー
ワンナイト・スタンド
ヘルター・スケルター
ロンリー・ハート
ハンド・クーラー
ミルキー・ウエイ
 内容
 プロの泥棒がその職務中に、ミスを犯してしまい屋根から転落して気を失うという羽目に。 その泥棒を開放してくれたのは、双子の中学生であった。 双子は両親がともに駆け落ちをしてしまうという状況にあり、生活費に困り始めていた。
 双子は泥棒を見過ごす代わりに、父として振舞ってほしいと依頼する。
 そんな三人の周囲で起こる7つの事件をおさめた短編集。

 感想
 設定からして、独特の雰囲気を持ったありえないストーリーであるが、非常に面白く読むことができた。 特に謎解きの要素もあるわけではないが、3人のやり取りが面白いホームドラマ的なストーリーである(実際にドラマ化されたが)。
 ストーリー的に完結しているわけではなく、また3人のキャラクターも面白いので続編を期待したいところであるが、残念ながら発売から20年近くたっているが、今のところ続編は出ていないのが残念である。
(書評作成:2013年8月31日) 
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本所深川ふしぎ草紙

本所深川ふしぎ草紙

おススメ度:(5点満点)

本体価格:514円+税
発行所  :新潮社
発行日  :1991年9月1日
形態   :文庫・266ページ

ジャンル:時代小説、ミステリー小説、ドラマ化された小説

目次
片葉の芦
送り提灯
置いてけ堀
落葉なしの椎
馬鹿囃子
足洗い屋敷
消えずの行灯
 内容
 吉川英治文学新人賞受賞作。
 深川七不思議(目次参照)を題材として、江戸の下町で起こる事件を、人情味あふれる本所深川の岡っ引きの茂七が解決していく様子を描いたミステリー短篇集。

 感想
 深川七不思議と呼ばれる怪談話をベースに、江戸の下町で起こる事件をうまく描いている。 怪談話とミステリーというとなかなか結びつきにくいが、そこはさすが宮部氏である。 強引な展開も見せずうまく両者が調和している。 単なるミステリーに留まらず、下町の人情話としても楽しめ、思わずほろりとさせられる。
 いずれの話も40ページ程度であり、話の展開もスピーディであるので、飽きることなく一気に読めてしまう。 特に、「片葉の芦」、「馬鹿囃子」、「消えずの行灯」は深く考えさせられ、印象に残った。
(書評作成:2012年11月18日)
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かまいたち

かまいたち

おススメ度:(5点満点)

本体価格:520円
発行所  :新潮文庫
発行日  :1992年10月1日
形態   :単行本・274ページ

ジャンル:時代小説、ドラマ化された小説

目次
かまいたち
師走の客
迷い鳩
騒ぐ刀
 内容
 江戸時代のサスペンス、ミステリー、SFの各分野の4つの短篇を収録した短篇集。
かまいたち
町医者の娘・おようは「かまいたち」と呼ばれる辻斬りの犯人の犯行現場を目撃してしまう。 しかし犯行現場から殺害された人の死体が消え去った。
師走の客
師走の旅館に毎年同じ時期に行商人が宿泊した。 彼は宿泊代の変わりに金でできた干支の作り物を置いていく。
迷い鳩
ひょんなことから霊能力を身につけたお初は、血が滴り落ちる着物を着たおかみを目撃する。 そのおかみの店では旦那が病床に伏せ、また旦那を介護していた女中が失踪していた。
騒ぐ刀
夜毎刀が騒ぎ、安眠を妨害された岡引が刀の鑑定をお初に依頼する。 お初は刀の発する言葉を聞き取り兄に刀の語った場所、人物の調査を依頼する。 そんな折、近所で一家惨殺事件が発生した。

 感想
 時代小説でありながら、サスペンス、ミステリー、SFなどの様々なジャンルの話が収録されており、お買い得感が高い。 特に「かまいたち」はサスペンス色が強いが、二重、三重のトリックが仕掛けられており短篇でありながら読み応え充分である。 この本の中では一番のオススメといえよう。
 「師走の客」は人間のずるさ、悪さが前面に出ているが、本文中に張り巡らされた伏線により最後にどんでん返しがまっている。 「迷い鳩」、「騒ぐ刀」は時代小説を題材にしたSFである。 登場人物のお初を主人公にした続編も発表されており、そちらも読んでみたいと思わせる出来であった。
(書評作成:2006年12月22日)
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初ものがたり

初ものがたり

おススメ度:(5点満点)

本体価格:476円+税
発行所  :新潮社
発行日  :1995年9月1日
形態   :文庫・272ページ

ジャンル:ミステリー小説、時代小説、ドラマ化された小説

目次
お勢殺し
白魚の目
鰹千両
太郎柿次郎柿
凍る月
遺恨の桜
 内容
 本所深川の岡っ引きの茂七(本所深川ふしぎ草紙に登場)が、手下の糸吉・権三とともに、江戸の下町で起こる事件に立ち向かう。 事件は「鰹」「白魚」「柿」「桜」など、江戸の季節を彩る「初もの」を題材にする趣向が凝らされている。

 感想
 江戸時代の下町を舞台にした、ミステリー物である。 歴史小説や時代小説は、時代背景が現代とは当然違うので読むのに骨が折れるが、本書は現代ミステリーを読むのと同じ感覚で気軽に読み進むことができる。 短篇であることも読みやすい要因の一つであろう。
 単なるミステリーに留まらず、茂吉親分の優しさにほのぼのとさせられる。 また江戸時代の人々の暮らしや食生活(料理が事件解決やストーリーの展開上のキーになっている)もしっかりと描かれており、充分楽しむことができた。
(書評作成:2006年9月10日)
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あやし

あやし

おススメ度:(5点満点)

本体価格:552円+税
発行所  :角川文庫
発行日  :2003年4月25日
形態   :文庫・303ページ

ジャンル:時代小説

目次
居眠り心中
影牢
布団部屋
梅の雨降る
安達家の鬼
女の首
時雨鬼
灰神楽
蜆塚
 内容
 江戸時代の深川近傍を舞台にした怪談の短篇集。
おもに奉公に出た若者が奉公先で体験する不可思議で怖い体験を描く。

 感想
 宮部さんの江戸の不思議な話をまとめた短篇集といえば吉川英治文学新人賞を受賞した「本所深川ふしぎ草紙」が有名であるが、本書はそれよりももう少し怖さを前面に出した作品である。 ただし怖さといっても血みどろの描写で怖さを伝えるものではなく、人の心の奥にある怖さを伝えている(実際はこれが一番怖いのであるが)。 いずれの話も楽しめるのであるが、人の心の怖さがダイレクトに伝わってきて、さらに話の最後で思わぬ展開を見せる「影牢」が秀作であると思った。
(書評作成:2008年4月26日)
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幻色江戸ごよみ

幻色江戸ごよみ

おススメ度:(5点満点)

本体価格:552円+税
発行所  :角川文庫
発行日  :1994年9月1日
形態   :文庫・330ページ

ジャンル:時代小説、ドラマ化された小説

目次
鬼子母火
紅の玉
春花秋燈
器量のぞみ
庄助の夜着
まひごのしるべ
だるま猫
小袖の手
首吊り御本尊
神無月
侘助の花
紙吹雪
 内容
 江戸時代の下町を舞台に、人情話や怪奇話などの短編を季節ごとに収録。

 感想
 短編ということで、どんどん読み進めていくことができる。 江戸時代の人情話、切ない話、怪奇な話など、実にいろいろな話が楽しむことができる。 あわせて江戸時代の世相や人々の考え方についても知ることができた。
 その中ではやはり切ない話である、「鬼子母火」、「まひごのしるべ」が秀逸であると思った。 両者とも母が子供を思う切ない気持ちが伝わってきて、ジーンとなってしまった。
(書評作成:2010年11月6日)
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あかんべえ

あかんべえ

おススメ度:(5点満点)

本体価格:552円+税
発行所  :新潮文庫
発行日  :2007年1月1日
形態   :文庫・349ページ(上)・346ページ(下)

ジャンル:ミステリー小説、時代小説
 内容
 江戸・深川の料理屋「ふね屋」の一人娘・おりんは、高熱を出して生死の境をさまよって無事生還した。 それ以来、おりんには亡者が見えるようになった。 ふね屋の開店のめでたい日の祝宴の最中に抜き身の刀が暴れだすという怪奇現象が起こる。 それはふね屋の住み着く亡者の一人が起こした事故であった。
そして亡者が住み付く理由としてふね屋がたつ土地に関するある忌まわしき事件が関係していた。

 感想
 謎ときモノで、人情モノの時代小説である。 12歳の女の子がこんなにしっかりとしているの?、というような細かい突っ込みはおいて、心温まる物語である。
 それぞれの亡者がなぜ亡者としてこの世にとどまっているのか、その理由がひとつずつ丁寧に描かれており、読後に一切のもやもやした気分を残すことがなかったのが、非常によかった。
(書評作成:2012年2月4日)
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ぼんくら

ぼんくら

おススメ度:(5点満点)

本体価格:590円+税
発行所  :講談社文庫
発行日  :2004年4月15日
形態   :文庫・326ページ(上)・297ページ(下)

ジャンル:ミステリー小説、時代小説

目次
殺し屋
博打うち
通い番頭
ひさぐ女
拝む男
長い影
幽霊
 内容
 江戸・深川にある鉄瓶長屋で、八百屋の太助が殺された。 その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。
 鉄瓶長屋で起こっている事態に関心を持ったぼんくらな同心・平四郎が調査を始めた。

 感想
 はじめは鉄瓶長屋を舞台にした一話完結型の短編かと思って読んでいたが、まったく違った。 すべての話は、「長い影」に至るまでの序章であり、有機的に結合している。 そしてエピローグ的な「幽霊」へとつながる綿密に計算された長編時代小説ミステリーであることが分かる。
 綿密な計算、個性的な登場人物、など様々な側面から楽しむことができる。 けっしてハッピーエンドではなく、すっきりとしたストーリーではないが、読後には不快感などは一切残らなかった。
(書評作成:2011年9月24日)
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震える岩

震える岩 霊験お初捕物控

おススメ度:(5点満点)

本体価格:695円+税
発行所  :講談社文庫
発行日  :1997年9月15日
形態   :文庫・407ページ

ジャンル:ミステリー小説、時代小説

目次
死人憑き
油樽
鳴動する石
義挙の裏側
百年目の仇討始末
 内容
 江戸・深川において、「死人憑き」の騒ぎが発生する。 「耳袋」をまとめている南町奉行の根岸肥前守は、人には見えないものが見えるという超能力を持つ「姉妹屋」のお初に対し、その事件の真相について調べるように命じた。 謎を追うお初は、その背景に100年も前に起こった赤穂浪士討ち入りが関係していることを知る。

 感想
 「かまいたち」に登場した、お初が活躍する時代小説である。 いくつかの事件が交錯しながら、謎解きが進んでいくので読んでいて飽きない。
 赤穂浪士討ち入りをはじめとして江戸時代の史実がミックスされた構成となっており、非常に興味深く感じた。 特に赤穂浪士討ち入りに関する新解釈については非常に興味深かった。
 本書に書かれている史実(赤穂浪士討ち入りや耳袋、など)について調べてみるのも面白いと思う。 ちなみに私は、本書の最後に紹介されている「義士出立の図」についてはインターネットで調べてみました。
(書評作成:2012年6月16日)
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堪忍箱

堪忍箱

おススメ度:(5点満点)

本体価格:476円+税
発行所  :新潮文庫
発行日  :1996年11月1日
形態   :文庫・244ページ

ジャンル:時代小説、ドラマ化された小説

目次
堪忍箱  かどわかし  敵持ち
十六夜髑髏  お墓の下まで
謀りごと  てんびんばかり
砂村新田
 内容
 江戸の庶民の暮らしや真理に焦点を当てた8編の短編集。

堪忍箱
 菓子問屋・近江屋にて火事が発生した。家族は逃げ出そうとするが、祖父と母親はどうしても持ち出さなければならないものがあるといってその場にとどまった。その持ち出さなければならないものというのは、決してふたを開けてはならないという”堪忍箱”であった。

お墓の下まで
 妻を亡くした深川の差配人・市兵衛は3人の養子を育てていた。3人のうちの二人は幼い頃に迷子となった実の兄弟であったが、そんな二人の下に実の母親が現れた。育ての親である市兵衛のことを考えて、苦悩する二人。しかし市兵衛を含めてなくなった妻、三人の養子にはそれぞれ”お墓の下まで”もって行かなければならない秘め事を抱えていた。

謀りごと
 深川の差配人・黒平衛が長屋の一軒で亡くなっているのが発見された。長屋の住人は事件性を感じて、おのおのの住人と差配人の関係について話し合ったが、そこで浮かび上がってきたのは思いもしなかった差配人の様々な貌であった、など。

 感想
 宮部さんが得意とする江戸の庶民を主人公に据えた時代小説である。江戸の庶民のちょっとした心理が見事に描かれている。いずれの話も決してハッピーエンドとはいえないが、読み終えた後にはなんとなくすがすがしさが残った。
 いずれの話も面白かったが、特に好きだったのはデリケートな心の移り変わりが描かれていた「お墓の下まで」、「てんびんばかり」、「砂村新田」の3つの話であった。
(書評作成:2013年2月24日)
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