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堀江敏幸さんの本の書評 |
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堀江敏幸 (ほりえ としゆき) |
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(プロフィール) 1964年、岐阜県多治見市生まれ。明治大学助教授。 1999年『おぱらばん』で三島由紀夫賞を、2001年『熊の敷石』で芥川賞を、2003年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞を受賞。 |
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熊の敷石 雪沼とその周辺 | ||
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熊の敷石おススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() 本体価格:1,400円+税 発行所 :講談社 発行日 :2001年2月8日 形態 :単行本・165ページ ジャンル:日本文学(文芸) 目次 熊の敷石 砂売りが通る 城址にて |
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![]() 第124回芥川賞受賞作の表題『熊の敷石』を含む短篇集。 熊の敷石 仕事の取材のためフランスのノルマンディを訪れた日本人と、現地のユダヤ系の友人・ヤンとヤンの友人・カトリーヌとの交流を描く。 砂売りが通る 今は亡き友人の妹で幼なじみの女性、その娘と「私」の三人が、昔を回顧しながら思い出の詰まった海辺を散歩する様子を描く。 城址にて 「私」の元に届いた古い写真を見ながら、フランスのノルマンディに旧友を訪ねた際に「私」が遭遇した、ちょっとした『驚きべき』事件について回顧する様子を描いている。 ![]() フランスの寓話を題材に、主人公の旅先での友人との交流を描いている。 舞台がフランスで、普段全く触れることのないフランスの寓話を題材にしているためちょっととっつきにくかった。 ただ主人公の微妙に揺れる心理状態がうまく描かれており、こちらにもきちんと伝わってきた。 3篇のなかでは、「砂売りが通る」と「城址にて」がページ数は少ないが、その分内容が集約されており、面白かった。 ちなみにフランス語で『熊の敷石』とは「要らぬお節介」、『砂売りが通る』とは「眠くなる」という意味であるとのこと。 |
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(書評作成:2006年11月13日) | ||
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雪沼とその周辺おススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:1,400円+税 発行所 :新潮社 発行日 :2003年11月25日 形態 :単行本・187ページ ジャンル:日本文学(文芸) 目次 スタンス・ドット イラクサの庭 河岸段丘 送り火 レンガを積む ピラニア 緩斜面 |
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![]() 谷崎潤一郎賞、川端康成文学賞(スタンス・ドット)、木山捷平文学賞受賞作 山あいの静かな町、雪沼で起こる日常のちょっとした出来事を描いた短篇集。 廃業間近のボーリング場の話(スタンス・ドット)、女主人が無くなったフランス料理屋の話(イラクサの庭)、製箱工場の話(河岸段丘)、子供をなくした書道教室の話(送り火)、古いレコード店の話(レンガを積む)、小料理屋の話(ピラニア)、消火器販売店に勤める男となき友人の話(緩斜面)など。 ![]() いずれの話も日常のちょっとしたことを題材としており、特に事件など何かのイベントが起こるわけでもない。 これまでこのような小説を読むと、作者は何が言いたいんだろうか、と疑問に思うことがあったが、本作では心温まる話ばかり取り上げられているせいか、そのような感情を抱くことも無かった。 いずれの話も20〜30ページ足らずであるが、何か読後にはすっきりとした暖かな感情が残った。 いずれの話も秀作であるが、特に「スタンス・ドット」、「イラクサの庭」、「送り火」が印象に残った。 |
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(書評作成:2006年10月29日) | ||
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