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ダン・ブラウンの本の書評

 

ダン・ブラウン (Dan Brown)

 
(プロフィール)
1964年米ニューハンプシャー生まれ。アマースト大学卒業後、英語教師から作家に転身。
 
【ロバート・ラングドン・シリーズ】
天使と悪魔  ダ・ヴィンチ・コード
【その他】
パズル・パレス  デセプション・ポイント
  
 
  
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天使と悪魔

天使と悪魔

おススメ度:(5点満点)

本体価格:590円+税(上中下とも)
発行所  :角川文庫
発行日  :2006年6月10日(上中下とも)
形態   :文庫・331ページ(上)、
           317ページ(中)、
           333ページ(下)

ジャンル:ミステリー小説、欧米文学、映画化された小説
 内容
 スイスのセルン(欧州原子核研究機構)にて、研究者が惨殺され、胸に奇妙な紋章の焼印を押される事件が発生した。 ハーヴァード大の図像学者ラングドンはセルンの所長からその紋章についての説明を求められる。 それは秘密結社“イルミナティ”の伝説の紋章だった。 殺された研究者は大量破壊兵器になりうる反物質の生成に成功した科学者だった。 そしてその反物質はすでに持ち去られていた。 ラングドンは反物質が持ち込まれたヴァチカンに飛ぶ。 おりしもヴァチカンでは新教皇を選出するコンクラーベが行われていた。 コンクラーベに際し、有力な4人の候補者が忽然と姿を消した。 ラングドンは4人の候補者、そして反物質を追い求め、古の”イルミナティ”の謎に挑む。

 感想
 ラングドン教授シリーズの第一作である。 本書は古の秘密結社の謎に挑む点、ごく短時間でスピーディにストーリーが展開する点で「ダ・ヴィンチ・コード」と酷似している (というよりもむしろ「天使と悪魔」のほうが発表は先なので、「ダ・ヴィンチ・コード」が「天使と悪魔」に酷似している)。
 ただ話の展開性、緊迫性、面白さにおいて本作は「ダ・ヴィンチ・コード」を上回ると思う。 この作品も映画化されるということなので、非常に楽しみである。
 次から次へと謎が仕掛けられ、さらに最後に大どでん返しがあり最後まで、目が離せない展開であった。 ただ最後のくだりに少々ページが割かれすぎであり、もっとすっきりと終わってもよかったのでは?と感じた。
(書評作成:2007年4月13日)
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ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード

おススメ度:(5点満点)

本体価格:552円+税(上中下とも)
発行所  :角川文庫
発行日  :2006年3月10日(上中下とも)
形態   :文庫・296ページ(上)、
           284ページ(中)、
           278ページ(下)

ジャンル:ミステリー小説、欧米文学、映画化された小説
 内容
 ルーブル美術館のソニエール館長が殺害される事件が発生した。 殺害当夜、館長と面会する予定であったハーヴァード大学のラングドン教授は警察から協力を求められるが・・・。 モナ・リザ、岩窟の聖母、最後の晩餐などに巧みに隠された暗号(コード)を読み解きながら、キリスト教に秘められた2000年の謎に挑む。

 感想
 映画が非常に話題となっており、映画を見る前に本書を購入して読んでみた。 さすがに話題作ということで非常に面白かった。 これまで欧米系の翻訳本というと、外人の名前がとっつきにくいこと、欧米人特有の大げさな言い回し(比喩)がどうもなじめないこと、で結構毛嫌いしていた。 しかし本書は登場人物が非常に少なく(主要人物は十名足らず)、また大げさな言い回しもほとんど出てこなくて非常に読みやすかった。 一気に読めること間違いなし。
 ところで映画のほうであるが、本書の内容をほぼ忠実に再現しているが、時間の都合上省略された部分も多く、この本を読んでいないとすべての内容が把握できないと思う。 本書を読んでから映画を見るか、映画を見てから本書を読むか、ということが話題になっていたが、まずこの本を読んでからすべての内容を把握し、映画はその映像を楽しむのがよいと思う(楽しみ方は人それぞれであるが)。
(書評作成:2006年6月2日)
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パズル・パレス

パズル・パレス

おススメ度:(5点満点)

本体価格:629円+税(上下とも)
発行所  :角川文庫
発行日  :2009年3月25日(上下とも)
形態   :文庫・338ページ(上)、317ページ(下)

ジャンル:ミステリー小説、欧米文学
 内容
 米国家安全保障局のスーパーコンピュータ「トランスレータ」は対テロ対策として開発された暗号解読のための国家機密の塊ともいうべきコンピュータである。 瞬時に暗号解読ができ米国に安全をもたらしたが、一方で一般市民の通信をも監視できる存在としてまさに諸刃の剣とも言うべき存在であった。
 この状況に憤った元局員が、自ら開発した解読不可能な暗号ソフトを楯に「トランスレータ」の公表を迫る。

 感想
 上下巻あわせて600ページ強と読み応えがあったが、話の展開が非常にスピーディーであり一気に読みきった。 話がめまぐるしく展開していくが、特に混乱することなく読み進むことができた。
 本作はダン・ブラウン氏の処女作であり、他の作品に比べると若干ご都合主義的なところ(ストーリーの進行に偶然が積み重なる部分がある)があるなど粗削りな部分も見られる。
 とはいえそんなちょっとした欠点はスピーディーで、面白いストーリーの前では全く気にならない。 ちょっとした長旅のお供にぴったりの本であると思う。
(書評作成:2011年8月20日)
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デセプション・ポイント

デセプション・ポイント

おススメ度:(5点満点)

本体価格:667円+税(上下とも)
発行所  :角川文庫
発行日  :2006年10月25日(上下とも)
形態   :文庫・427ページ(上)、413ページ(下)

ジャンル:ミステリー小説、欧米文学
 内容
 国家偵察局員レイチェル・セクストンの仕事は大統領に提出する機密文書の分析である。 アメリカ大統領に彼の父セジウィック・セクストンが立候補したため、レイチェルは父と上司である大統領の間の板ばさみとなってしまう。
 選挙戦を優位に進めていたのはNASA批判で国民の支持を集めた父であった。 そんな折、レイチェルは大統領から、NASAが大発見をしたので確かめてきてほしいという依頼を受ける。 それは世紀の大発見であったが、大統領選が絡んだ謀略・欺瞞の火種となるべきモノであった。

 感想
 上下巻あわせて800ページ強と読み応えがあったが、話の展開が非常にスピーディーであり一気に読みきった。 話がめまぐるしく展開していくが、特に混乱することなく読み進むことができた。 通常のミステリーであれば途中で黒幕のめぼしが付いてそこからは惰性で読み進めることが多いが、本書はまさに終盤での第どんでん返し。 最後までまったく飽きることなく読むことができた。
 ダン・ブラウンというと他の作品にも代表されるように、一種の聖域・タブーを題材に問題提起した作品が多いが、本書で取り上げられているのはアメリカにとっての聖域というべきNASA。 どこまでが真実かフィクションかわからないが、NASAやアメリカの宇宙事業の内情が垣間見えて面白い。
 ちなみにデセプション・ポイントを和訳すると「ごまかし(欺瞞)のポイント」。 さまざまなごまかしの罠が仕掛けられており、何が真実で何が正義かとたえず考える必要があり、まさにミステリーにぴったりの題材・タイトルである。
(書評作成:2009年12月6日)
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