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芥川賞受賞作の書評 |
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金原ひとみ (かねはら ひとみ) |
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(プロフィール) 1983年生まれ。 2003年「蛇にピアス」で第27回すばる文学賞を受賞し、デビュー。 2004年に第130回芥川賞を受賞。 |
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蛇にピアスおススメ度:(5点満点)![]() ![]() 本体価格:1,200円+税 発行所 :集英社 発行日 :2004年1月10日 形態 :単行本・124ページ ジャンル:日本文学(文芸)、映画化された小説 |
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![]() 第130回芥川賞、第27回すばる文学賞受賞作品。 ピアスの拡張にはまったルイは、舌が蛇のように二つに分かれる「スプリットタン」と、刺青という二つの身体改造に興味を持つ。 スプリットタンは舌にピアスをいれ、そのピアスのサイズを徐々に大きくすることによって形成するのであるが、そのサイズが大きくなるにしたがってルイの心はすさんでいく。 そんな時、恋人のアマに殺しの疑いがかかり、ルイは心を痛める。 ![]() 巷では芥川賞受賞に賛否両論が巻き起こっているが、分かるような気がする。 好き嫌いがはっきりと分かれる作品であろう。私にとってはどうも好きになれない内容である。 エロ、グロとアンダーグラウンドな記述が多く、読んでいてちょっと気持ちが悪かった。 最後まで読んでも結局何を伝えたいのかよく分からなかった。 短篇小説でなければ途中で挫折していたかもしれない。 これからの芥川賞はどんな方向に進んでいくのであろうか? ただ、描写は気持ち悪いながらも頭の中に鮮明に映し出すことができるあたりはさすが芥川賞受賞作家というところか。 |
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(書評作成:2004年4月6日) | ||
トップ > 書名別検索(は行) トップ > 作者別検索 トップ > ジャンル別検索(日本文学(文芸)) トップ > 映像化された小説 > 映画化された小説 トップ > 文学賞の紹介(芥川賞) > 芥川賞 トップ > 文学賞の紹介(すばる文学賞) > すばる文学賞 |
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大道珠貴 (だいどう たまき) |
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(プロフィール) 1966年、福岡市生まれ。 2000年に「裸」で九州芸術祭文学賞を受賞し、作家としてデビュー。 2003年に「しょっぱいドライブ」で、第128回芥川賞を受賞。 |
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しょっぱいドライブおススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() 本体価格:1,283円+税 発行所 :文藝春秋 発行日 :2003年3月1日 形態 :単行本・193ページ ジャンル:日本文学(文芸) 目次 しょっぱいドライブ 富士額 タンポポと流星 |
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![]() 第128回芥川賞作の「しょっぱいドライブ」を含む3つの短篇。 しょっぱいドライブ 海沿いの小さな町において繰り広げられる、実穂(34歳・独身)と九十九さん(60代・妻子持ち)の微妙な恋愛の物語。 富士額 登校拒否・引きこもりの中学生・イズミと、人のいいお相撲さんの一晩の恋愛物語。 タンポポと流星 幼なじみで悪友の毬子から逃れるために故郷の福岡から東京に来たミチルの恋愛、交友の物語。 ![]() 芥川賞受賞作ということで読んだが、その作品である「しょっぱいドライブ」はいまいち心に響くものが無かった。 美穂と九十九さんの恋愛物語とのことであるが、なぜそのような恋愛感情を抱くようになったのか(文を見るとあまり恋愛とはいえないかも)、今後どのように二人の関係が進展しているのか、などについて想像することができななかった。 「しょっぱいドライブ」はちょっと期待はずれ。 なぜ芥川賞に選ばれたのかが不思議である。 残りの二つの物語のほうが主人公の揺れ動く微妙な心情が表現されていて面白かった。 「しょっぱいドライブ」は2つであるが、他の2作品は4つという感じである。 |
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(書評作成:2005年7月18日) | ||
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柳 美里 (ゆう みり) |
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(プロフィール) 1968年神奈川県生まれ。横浜共立学園高等学部中退後、東京キッドブラザーズを経て、劇団「青春五月党」を結成。 1993年、「魚の祭」で岸田國士戯曲賞を受賞する。 1996年、最初の小説集『フルハウス』で泉鏡花文学賞、野間文芸新人賞をダブル受賞、1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞を受賞。 |
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家族シネマおススメ度:(5点満点)![]() 本体価格:1,236円 発行所 :講談社 発行日 :1997年1月31日 形態 :単行本・159ページ ジャンル:日本文学(文芸)、映画化された小説 目次 家族シネマ 真夏 潮合い |
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![]() 第116回芥川賞作の「家族シネマ」を含む3つの短篇。 家族シネマ 離散した家族が1本の映画出演を通して再開する。 思いもしない機会で再会した家族にくすぶる心の葛藤を描いている。 真夏 同棲中の男の部屋を飛び出した、登校拒否の過去を持つ女のある真夏の一日を描いている。 潮合い 気の弱い転校生が登校した初日に発生したいじめを描いている。 ![]() 芥川賞受賞作ということで読んだが、いずれの話もエンディングがいまいちで、最後まで何を訴えたかったのかが分からなかった。 いずれの話も心にちょっと傷を持つ女性を主人公としている点では共通しているが、接点はそこだけで結局のところ何が言いたいのかがつかめなかった。 何一つとして面白いところなし、心に響くところなし。 どこがよくて芥川賞に選ばれたのであろうか?不思議である。 |
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(書評作成:2005年7月27日) | ||
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モブ・ノリオ |
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(プロフィール) 1970年、奈良県桜井市に生まれる。大阪芸術大学芸術学部文芸学科卒業、同専攻科除籍。 その後、さまざまな職業に就き、バンド活動なども経験する。 2004年、「介護入門」で第98回文学界新人賞、同作品で第131回芥川賞受賞。 |
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介護入門おススメ度:(5点満点)![]() 本体価格:1,000円+税 発行所 :文芸春秋 発行日 :2004年8月26日 形態 :単行本・106ページ ジャンル:日本文学(文芸) |
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![]() 第131回芥川賞受賞作品。 不慮の事故で寝たきりになってしまったオバアチャンの介護生活を始めた29歳、無職の〈俺〉。 介護生活を通じての家族のあり方、その生活を遠巻きに見る親戚に対する思いを、思うが侭に述べている。 ![]() 感想は「分からない」に尽きる。 テーマは介護についてであるが、まず作者が何を訴えたいのかが分からない。 ラップ調で言葉を並べているのであるが、その意味が分からない。 話の展開が飛びすぎて分からない(ついていけない)。 難しい漢字がいっぱい出てきて、しかもルビが振られていないので読み方が分からない。 最大の謎は、とても文学作品には思えず、なぜ芥川賞に選ばれたのかが分からない。 暴力的な表現が多い点、他人をコケ下ろしたり某映画を最低とはき捨てたりと不愉快な表現が多い点、が気に入らない。 |
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(書評作成:2006年10月26日) | ||
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諏訪哲史 (すわ てつし) |
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(プロフィール) 1969年10月26日、名古屋市生まれ。 國學院大学文学部哲学科卒業。名古屋市在住。 |
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アサッテの人おススメ度:(5点満点)![]() ![]() 本体価格:1,000円+税 発行所 :講談社 発行日 :2007年7月23日 形態 :単行本・189ページ ジャンル:日本文学(文芸) |
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![]() 第50回群像新人賞、第137回芥川賞受賞作品。 失踪した叔父のアパートに残された、叔父の荷物を引き取りに行った主人公は、そこで叔父の残した日記を見つける。 その日記より主人公は叔父の内面にある”アサッテ”について知ることとなる。 叔父の日記の内容を中心に、叔父の内面にある”アサッテ”についての主人公の考えについて述べている。 ![]() 芥川賞の受賞に際して選考委員から絶賛されたそうである。 主人公が、叔父の日記を参考に小説を書くということを設定とした非常に変わった小説であった。 ただ小説の書く過程を舞台としているため、作者の狙いもあるのであろうが、未完成の様相を呈しており、非常に読みにくかった。 わずか190ページ弱ではあるが2週間程度かかってしまった。 ちょっと私にとってはこの小説のよさが理解できず、なぜこれが芥川賞受賞?というのが正直な感想。 ちょっと風変わりな小説を読んでみたい人にオススメかもしれない。 |
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(書評作成:2009年3月29日) | ||
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