作りかけでほったらかしのアイテムが1点
ありましたので これを作り込んでいきながら
過程を紹介して行きます 最初からいきなり
形になっていますがそこまでの流れは 
文字で説明(!)していきます

約2年前くらいからこの状態で保存しております。
一応、白イルカのつもりで作り出したんですが
気力が低下して工作中止状態が続いておりました。
久しぶりに作り込んでいくつもりです。

ただなんせ時間がたっており以前の勘もとうになく
一から資料等の確認作業から始めていきます。

素材は米マツです。最近はDIYショップによく
売られている様です。本来は大型の家具などの
構造材に使われるもので、一般的には2×4材
(ツーバイフォー)とか呼ばれているものです。
私がこの木を使っているのは何よりも安価、
切り出し、削り込みも比較的簡単、とメリット
が多いからです。

難点は削り込んでいくと中からヤニが出て
くるものがあり、当たり外れがある事と寸法が
固定されている為、張り合わせ作業が必要です。

 

 

まずは全体の形をもう一度確認していきます。 参考にしていた写真や図面等をよく見て形(ボリューム)を
頭の中でイメージ出来るようにします。このあと出来上がっている胴体や胸びれに鉛筆でラインをいれて
細部の削り込みを行います。

頭部から背面に黄身色の樹脂で整形してあるのは、2液混合式のエポキシ系の接着剤です。これをパテ代わりに
使用しています。

まず胸びれが大きすぎるので約半分にカットしました。
写真など参考にもう一度ヒレの外形を描き込みます。
厚みのある面にセンターラインをだいたいの所で
いれておき、削り込んでいきます。

切断、削り込みはご覧の通りで、オルファカッターと
エグザクトのカミソリノコです。
ほとんどこのカッター1本で作っています。

近況
このHPをやりはじめて最近はノミ1本で外形まで
削り上げています。 主旨変えです(笑)
だって楽なんだもん(弱気)

両面テープで仮固定します。
これで全体のバランスを確認します。
納得いくまで装着部分を探していきます。

ヒレの厚み部分も此の時に削り込んでいきます。
だいたいの形まで出してます。

裏返して見たところです。
 

胸びれを固定するための心材を市販の
真鍮ワイヤーで作ります。

胸びれを再度、削り込んでいきます。
この作業中でも鉛筆で何度も外形と
センターラインを描いています。
削っていくと消えますが何度も
繰り返します。
 

削り上げた胸びれを胴体に固定するため、
先の真鍮ワイヤーを差し込む為、ピンバイス
にて穴をあけます。

2液混合式のエポキシ系の接着剤を
使います。
接着時間別に数種使い分けています。

完全に固定するまでの間に、最後の
調整を行います。一度固定されると
かなりの強さで接着されますので
簡単にやりなおしがききません。

接着後全体の形をみて、まだ胸びれが
大きいようなので(斜線部)を
削り込みます。

台座に固定するための真鍮パイプを通す
穴をあけます。最初は細いドリル、
ピンバイス等で穴をあけ、だんだんと
径の大きなドリルで大きくしていきます。
最後に木工ヤスリで仕上げます。

順序が違いますが、胸びれは更に
削り込みましたが、前縁がボリユーム
不足に感じましたのでエポキシ接着剤で
増積してみました。

同様に尾びれの先端もカケがあり
これをエポキシにて修正しました。

本体を固定するための台座に真鍮パイプを植え込んでおきます。この手の木片はDIYショップに
端材として売っているものを使っています。日頃から物色して買い込んでいます。

かり組の状態まできました。ここまでくると完成した様な気がしますが、これからが
もっとも手間がかかり、また作業の中で一番楽しいところが始まるのです。

下地塗りの行程に入ります。アクリル系の下地材としてはスタンダードなジェッソを使います。
用途により何種かありますが、最も一般的な絵画の下塗り用を使っています。
原液のままから水で薄めて使うことまで、幅のある使いでがあり木工用の下地としても
便利です。

最初は薄めの濃度で塗り込んでいきます。木肌の部分とエポキシ樹脂の部分でノリが違いますが
少々のムラなど気にする事なく全面を一回白塗りしていきます。

乾燥後、更に上からもう一度塗り込みます。
木肌の状態ではわからなかった表面状態が
よく見えてきます。この時に原液で傷や
凹みをパテ代わりに使って修正します。
かなりの盛り上げにも耐えますが、
やりすぎると乾燥後収縮もありいびつに
なってしまうので注意が必要です。
このあたりは実際に手を動かさないと
わかりにくい所かもしれません。

完全完成後、1回目の表面研ぎだし作業に
入っていきます。

研ぎだしといってもご覧の通り普通の紙やすりを木片に
貼付けて表面を削っていくだけです。
盛り上げたジェッソや表面のざらつき、筆ムラ等を
削り取っていきます。

紙ヤスリの番手は荒すぎず、細かすぎない(180番)を
つかいました。荒いと削り過ぎ細かいとすぐに目がつまって
効率が悪いです。

全体にまんべんなくヤスリをかけた状態です。
気泡あとやへこみが残っていますがこの程度で再度
ジェッソを筆で塗り込んでいきます。
乾燥後また同じ作業の繰り返しとなります。
3から4回くりかえしていくと表面状態が滑らかに
なっていきます。

 

下の2枚が3回塗りと研ぎだしを繰り返した
状態です。まだ細かい部分で修正が必要ですが
だいたいこの程度で次の行程に進めます。

いよいよ色を差していきます。
白いイルカでも塗り込みはあります。

ジェッソは乾燥するのに丸1日くらいの時間をとります。
1回塗る事に、です。手間と時間がかかります。
でも急ぐ必要はありません。この作業を楽しむコトが
大事です。半乾きの状態では粘りがあり研ぎだしに
適していません。よーく乾燥を。

乾燥を待っている間はナニをしましょうか?私は休みの日を利用して、このHP更新と平行して
作業を進めてますが、そんなに集中力がつづきません。そんな時は命の水、(アルコール入りですが・・・)
で一服する事にしております。そんなにシャカリキになっても仕方ないです。完成させる事が目標ですが
それ以前に今の時間を楽しむコトの方が重要です。

 

彩色はアクリル系の絵の具を使っています。
昔からリキテックス社の製品を愛用。
もっているのはこれだけです。
色の3原色(赤、黄色、青系)と黒、濃いグレーを基本で
混色してます。
アイテムによりその時々で特色
→1番特徴がある色を加えています。

それと下塗りにアンバー系の色をかなり薄く溶いた
(もうシャブシャブのほとんど色見のない濃さ)
ものでコントラストを描き込んでいきます。

使用するのはひら筆をメインに使用してます。
フツーの文具屋にうっている何でもないモノ
です。あとは細筆(これまたフツー)を併用します。