親友のO氏とY氏と共にサマーバケーション、略して『サマバケ』(語呂悪ッ!!)に行って来ました。と言っても、今回の目的地は心斎橋。全員が京都在住の関西人であり、各々が職場で「泊まりの必要あるの?」とのツッコミを受けてのスタート(^^;)ちなみにO氏とY氏は『EVIS history』でも登場した熱心なエヴィス信者でもあります。

まずは昼食に近所のラーメン屋、『まるめん』で新作の魚菜ダシラーメンを食します。普段からよく行く店ですが、新作ラーメンはまだあんまり食べてません。O氏は独り暮らしのためここで食べる機会が多いんですが、MSまだ二回目、Y氏は初体験です。いや〜、旨かったっすね。ここは背油醤油と新作の魚菜ダシラーメンの二種類なんですが、背油醤油は見るからにいわゆる「京都ラーメン」スタイル。もちろんこの丁寧でオーソドックスな味も隠れた人気店な理由でしょうが、MS的にはこの魚菜ダシラーメンは大ヒット☆3人ともスープを全部飲み干して大満足でした。

その後は『まるめん』の最寄り駅、阪急西向日駅へ。ここから電車で大阪南港のATCにあるアウトレットモールに出店している『FULLCOUNT Focus』に向かいます。今回は結構な距離を電車で移動する予定なので、Y氏の発案で関西一円の私鉄・市バスなどが3日間乗り放題の『スルッと関西 3daysチケット』を購入。定額で3日間乗り放題なので交通費を気にしなくていいのはかなり気楽だったりします。ちなみにY氏は毎回旅行に行く度に分刻みの緻密な計画を立ててくれる、最高にマメなヤツですが、毎回テキトーな性格の僕とO氏が台無しにしちゃいます(笑)でもY氏はそんなダメダメな僕らを見捨てることなく、「予定は未定にして、決定に非ず」の名言を。ホント、毎回感謝です。

そうこうしている間に大阪市が抱える「日本初・特定調停が成立した株式会社形態の三セク」であるATCへ到着しました。夏休みと言うのに相変わらずガラガラ。これでも来客数は前年対比でプラスだってんだからオドロキです。ちなみに『FULLCOUNT Focus』も僕達以外、お客は誰もいませんでした(爆)でも「空いてますから、いくらでも試着していってください」と言ってくれたスタッフの方に感謝。ただoutlet&sample saleの後だからか、ちょっとモノは少な目でした。そうそう、ここにも僕が先日紹介したUSAコットンの1108がありました。また40インチだけだったけどさ(-.-)僕はフルカウントが大好きなので北堀江の本店、京都店、南港のFocusと場所を問わずに出没しますが、今回はオドロキです。なんとエヴィス信者、いやエヴィス原理主義者と言ってもいいO氏がフルカウントで買い物してます!!詳細は後述しますが、彼はトコトンエヴィスにコダワる漢。いや〜、「新しい世界が開けるかも知れませんよぉ(矢部謙三 by TRICK)」と誘い続けた甲斐がありました(^^)ちなみにO氏がTシャツを一枚見ている間に、Y氏は手際良くシャツの試着→購入を済ませてました。さすがはスキが無いオトコです。

買い物を済ませて港湾に面したスペースでちょいと休憩。すると後ろには、これまた事実上経営破綻した大阪市の三セク、WTCが見えます。OCAT・ATC・WTCは大阪市が国際化を唱って華々しく投資したものの、バブル経済の破綻と共に経営不振に陥り、これまでの累積損失は三社合計で一千億円近く!!に上っているといいます。行政からの出向者が職員の大半を占める第三セクターでありながら、民間人を社長に立てることが市の方針として決定されました。OCATとATCは社長が決まっていますが、WTCは未だに成り手がありません(爆)またテナントの入居率が芳しくないため、大阪府が一部行政機能を移転して入居し、テナント料を払うと言った窮余の策が講じられていますが、市民団体から「一般のオフィスビルに入居するよりも高いテナント料を払っている」と厳しく指摘されたり、色々と話題に事欠かないビルでもあります。そんなバブルの塔の最上階には西日本一高い展望台があり、Y氏の発案で展望台へ行くことに。チケットを購入して展望エレベーターに乗り込むとイッキに52階へ。そこからはエスカレーターで55階の展望台まで昇ります。すると大阪港ではほとんど目にすることのできない水平線がガラス張りの壁面に広がります。…と?Y氏とO氏はなぜか風景が見やすい壁面に寄ることなく立っています。「(O氏・Y氏とも)高所恐怖症やねん…」じゃあ何で展望台昇ろうなんて言ったんだぁッ!!!

その後は大阪地下鉄で一路、心斎橋へ。今回の拠点となる『東横ホテル』へチェックインし、シャワーを浴びてスッキリします。部屋はあまり広くありませんがベッドは広く、机は十分な作業スペースがあり快適そうです。

そして初日の夕食のために移動。今回はO氏たっての希望で鶴橋へ。鶴橋は戦時中に日本軍に強制連行された朝鮮半島の人々が住まわされていた為、その代表的な料理である焼肉店のスタイルを日本に広めた焼肉発祥の街でもあります。桃谷へ行くと看板は日本語よりもハングルの方が多いくらいで、2002年のワールドカップでは街中がレッドデビルズになっていました。今回は鶴橋に星の数ほどもありそうな焼肉専門店の中でも冷凍肉は一切使わず、鮮度と生肉にコダワる名店として名高い『大倉』へ。それにしても鶴橋は焼肉店が多いです。『大倉』へ向かう途中にも幾つもお店がありました。肉大好きのO氏がもし鶴橋に住んでいたら毎日通っちゃって、今頃とっくに脂肪肝か高脂血症になっていたでしょう。

『大倉』に入ると飢えた我々を誘うがごとく魅惑の芳香が店内に広がります。一通りザッとオーダーすると七輪と炭火が卓上にセットされ、我々のギアはイッキにトップへ!!臭みが一切無く、柔らかい甘みが口に広がる生レバーをもの凄い勢い(もう少し味わって食え、特にO氏!!)でたいらげると視線はただ一点、肉へと注がれます。炭火が放出する遠赤外線で焼き上げられた肉は柔らかく、表面は僅かなコゲが香ばしい焼き上がりになります。肉をかむとまず香ばしさを感じ、次に甘い脂と濃厚な肉汁が口内したたる…。もう最高ッス♪

ニンニクの効いたタレは最初は少しキツく感じましたが、肉をタレにつける時に肉汁がタレに加わることでタレの味が丸くなり、至高の旨さへ昇華されます。タン・ハラミ・ミノ・カルビと次々と肉の旨さに舌鼓を打ち、ロースに涙を流す…。

我々は肉を焼いて食わせる店は山ほど知ってました。でも焼肉と言う料理を食わせる店は今の今まで知りませんでした。肉命のO氏は言うに及ばず、「あっさり系」と自らを評するY氏までが恍惚の人になってました。我々は18時頃に入店したんですが、既にテーブルはいっぱい。我々が食べている間にも次々とメニューが売り切れる人気ぶりに、好きなメニューを食べ損なった客から「商売ッ気が無いね〜」と言われると、「商売はしたいけど、肉があらへん」

食、特に肉に関わる人々の不誠実さが世間を騒がせ、食を軽んじる者は職を失ってしまいました。
でも誠意を持って食肉に取り組む人々も確かにいるんです。

最高の気分でホテルに帰った我々は話も盛り上がり、『サマバケ』初日の夜は更けていきました…。

(04.08.20)

その欲望は増殖し、暴走する。

食いもん屋の真心。

夏の終わりと悲しい日常。

食いもん屋の真心。