京都は言わずと知れた観光都市です。特に春の桜、秋の紅葉はそりゃあスゴイ人出。でも紅葉の季節に寺社巡りをするのは観光客と相場が決まってます。でも紅葉の名所の多い京都に住みながら、景色よりも迫り来る師走の忙しさに秋の深まりを感じるなんて、あまりに風流じゃありません。

よし、紅葉を観に行こう!!と河原町に着いたのはある日曜日の夕刻。目指すは青蓮院旧仮御所です。でもその前に…。御幸町のパティスリー『ル・ペール』で一休み。ここのケーキは絶品です。建屋やモダンファニチャーを前面に押し出すハコ重視、フードコーディネーターの影がチラチラ見えるルックス重視のお店よりも、「美味しい」ことを大切にしてくれるお店がMSは好きです。ちなみに『ル・ペール』のタルトタタンはMSの大好物♪

甘いモノでくつろいだ後、今度こそ青蓮院を目指します。まずは京都観光の門とも言える八坂神社へ。春や秋も結構な人出ですが、年末年始、それも二年参りなんかに来た日にゃあ、もう!!こっちの意志とは無関係に押し流されること請け合い。そのまま奥の円山公園を抜けると知恩院の華やかさ。さすがは有名寺院、全国からのバスが何百人もの観光客をピストン輸送してきます。余談ですが、この日京都を訪れた観光客は33万人もいたそうです。

知恩院から北へ歩けば、青蓮院がひっそり…と思いきや、こちらも負けずに大行列。さすがは観光都市の稼ぎ時ですね。青蓮院なら空いてるんじゃ?と思ったんですが甘かった(--;)青蓮院門跡は規模の大きな寺院ではありませんが、庭をほのかに照らす灯りが、色づききらない樹々をも美しく演出します。その庭の美しさに華美であることを必ずしも是としない、日本人の美意識を感じます。特に冷たい灯りでライトアップされた竹林では「凛とした」という言葉がピッタリ。ワザワザ紅葉を観に来るなんて…と思うかもしれませんが、一度ダマされたと思って京都に来てください。

秋風を感じながら三条大橋を渡って『ACE CAFE』で晩メシ。ここは鴨川沿いのビルの10Fにあり、大きな窓からは東山が一望できます。MSはくつろぎのあまり、ここで無能の人と化すこと度々。
深まる秋を、のんびりと堪能した一日でした。

(04.12.05)
錦秋の都。

紫紺の願いは。

錦秋の都。

古都の現在進行形。