第1公演−オープニング

定番のワーグナー作曲「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲ではじまり、ビゼーの「アルルの女」、シベリウスの「フィんランディア」で締めくくる。
相愛の学生オーケストラに大フィルメンバーが少し加わった混成チーム。
アマチュアとは思えないりっぱなできばえで、大阪市の平松市長のよどみない挨拶とともにオープニングにふさわしい、いい雰囲気だった。


 第2公演−モーツァルトの弦楽四重奏曲

相愛学園の講堂での室内楽、モーツァルトの弦楽四重奏曲第22番を伊藤さんを中心としたクァルテットが演奏。
世界の名クァルテットをCDなどで聴いてるものからすると、ややアンサンブルが甘いかなという印象はあったけど、実演で聴く機会の少ないクァルテットは貴重だった。
アンコールに「Happy Birthday To You」を、ハイドン風・モーツァルト風・ドヴォルザーク風にアレンジしたものと、「川の流れのように」を演奏して喝采を浴びていた。


 第3公演−オーボエと弦楽の室内楽

市役所ホールでの立ち見(立聞き?)。
M.ハイドン(有名なフランツ・ヨーゼフの弟)と、ヴァンハル(Vanhal)という古典派の作品を、浅川さんのオーボエを中心とするアンサンブルで演奏。
いつもの<浅川トーン>で癒される。
ただここまで3会場を駆け足で回ってきて昼食がまだ(14:00を過ぎてる)。
ちょっとつらかったことも事実。


 第6公演−幸太クン(Vn)/榎田(Fl)/大植英次(Cem)

 今日の私の一押し公演で、大植英次のチェンバロ伴奏でバロック音楽が聴ける。
オープニングのオーケストラよりこちらを優先して整理券をゲット!
まず榎田さんのフルートを堪能、フランスのマレー(M.Marais)の「ラ・フォリア」という曲。
チェンバロの音があまりはっきり聞こえなかったが、榎田さんのはっきりした音が非常に心地好かった。

次は幸太クンのヴァイオリンで、タルティーニ(Tartini)の有名な「悪魔のトリル」。
ヴァイオリンの超絶技巧を、若き大フィルのエースが楽しく聴かせてくれた。
なんと幸太クンは新しい楽器を手に入れたようで、ヴァイオリンの銘器<ストラディバリ>の披露の演奏会になった。
なんとも柔らかな音で、今までの幸太クンのやや硬質な音が一変した!
ここ数年の大阪フィルで一番変ったのが弦のアンサンブルで、熱い音楽をする姿勢は伝わってくるけど、音は少し荒いなというのが今までの大阪フィル。それが幸太クンのコンサート・マスター就任と大植英次のトレーニング(?)の成果によって、より緻密なアンサンブル・艶やかな音色に変ってきた。
でも、幸太クンのテクニックが群を抜いているのと、彼のヴァイオリンがやや硬質(というかやや金属質)な音が、耳に少し違和感を覚えさせることもあった。
今日聴いた音はその不安を払拭させてくれたのです。
今後の彼のヴァイオリンの音は期待大!


 このあと3人でC.P.E.バッハのトリオ・ソナタが演奏されたが、この日の最高の聴きモノは、<アンコール>。
といっても、アンコール演奏をしたのはこの3人ではなくて、この日の最後に弦楽四重奏の演奏に登場する予定のヴァイオリニスト、佐久間聡一クン。
先輩コンサートマスターの幸太クンに、たまたま会場に居合わせた(?)佐久間クンが舞台に引っ張り挙げられ、銘器ストラディバリを手渡された。
幸太クン、「ぼくの無茶振りは、楽団でも有名で・・・・・」といいながらのパフォーマンス。
私服のままではにかみながら演奏したバッハの無伴奏ソナタ・・・・
演奏した本人も、聴いてる聴衆もビックリ!した、楽しい演奏会だった。
ヤンヤの喝采を浴びたのは言うまでも無い。

             

 第10公演−スメタナ作曲弦楽四重奏曲第1番

 幸太クンにバッハを弾かされた佐久間聡一クンを中心とした弦楽四重奏の演奏会で、採り上げた曲がなんと、スメタナの「わが生涯より」という渋い曲。
耳が聞こえなくなり、音楽家として一番辛い状況に苦しんだ(ベートーヴェンと同じ)チェコの作曲家スメタナの自伝的な音楽で、決して陽気な音楽ではない。
その選曲が私の心を惹きつけました。
早朝から出かけてきてるので、体力的にはきつかったのですがこの曲を逃すことは出来ない!
かつてスメタナ弦楽四重奏団のレコードを何度も聴いていた、そんな思い出の曲なんです。
若い佐久間クンにお礼が言いたいような心境。
年寄りが回想するような枯れた演奏ではありませんが、落ち着いた、それでいてメリハリのある好演でした。


 第12公演−シューベルト作曲五重奏曲「鱒」

 休みを取って朝の公演を聴きに行く。
中央公会堂でシューベルトの五重奏曲「」、田中美奈さんを中心としたアンサンブル。
ベーゼンドルファーのピアノが落ち着いた雰囲気にしてくれる。
コントラバスの音が非常にはっきりと聞こえ、大きなホールでは味わえないシューベルトの楽しい音楽が心地好かった。
飛び跳ねるような元気さはないけど、田舎ののんびりした雰囲気のシューベルトでした。


 第13公演−三瀬姉妹のヴァイオリン・デュオ

 この公演は一部を聴いただけなのでよくわかりませんが、会場の明治安田生命のエントランスいっぱいに元気なヴァイオリンが響いてました。
(次の公演を聴くために早めに退出です。)


 第14公演−佐久間聡一トリオのドヴォルザーク

 今年の大阪クラシックで一番活躍してる佐久間クンと、鈴木さん(Vn)・川元さん(Va)によるドヴォルザークの「テルツェット」。
はじめて聴く音楽で、ドヴォルザークらしさがそれほど感じられなかったが、奏者のすぐそば(3メートルくらい)で聴く弦の音は気持ちいいものでした。


 第16公演−ドヴォルザーク作曲ピアノ四重奏曲第2番
 北御堂という、西洋音楽とは別世界と思われる会場での演奏会、雰囲気に慣れるまでに若干時間がかかった(線香のにおいが強い)が、演奏は素晴らしかったし音響効果も予想以上に良かった。
3人の弦の音は、それぞれが自分をしっかり主張していたし、ピアノの浅川さんもアンサンブルをしっかり纏めていたように思います。
ここでシューベルトの「鱒」を聴いたらずいぶん違って聴こえたかもしれません。



 二日間で9公演に足を運んだことになります
整理券を配布しての入場や、無料の会場での入場者の整理に多くの人が携わっていて、
過去2年間の教訓を生かした運営がなされてると感じました


 第31公演−弦楽トリオによるアンサンブル

 中西さん・三瀬さんのヴァイオリン・デュオで、シュポア(Spohr)の2重奏曲を、若松さんのヴィオラをくわえた編成でハンガリーの作曲家コダーイ(Kodaly)の「セレナーデ」を聴く。
スターバックスの会場のフロアに座り込んで聴きました。
2重奏曲では、音の粒立ちのはっきりした三瀬さんと柔らかな音楽を聞かせる中西さんが好対照の演奏を聞かせてくれたし、20世紀の作曲家コダーイの作品では、3人のリズミカルな演奏が、躍動感あふれる音を堪能させてくれました。

聴いてた席は奏者のすぐ前(下?)、松脂の飛び散るような音を体感できる位置です。

 第33公演−大植英次指揮(Cem.)の室内楽団

中央公会堂の大集会室での演奏会、今年も女性奏者が華やかなドレスで登場。
音楽に華を添える演出は、楽しさが倍化する!
昨年はこの華やかな衣裳でモーツァルトの“アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク”を楽しみました。

まず最初、幸太クンと佐久間クンのヴァイオリン独奏、大植英次の指揮でバッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲」。
第1ヴァイオリンを佐久間クンが、幸太クンは第2ヴァイオリンを担当。今年は佐久間クンを前面に出そうという意図がはっきり見て取れる。
華やかでありながら、バッハの様式を逸脱することのない好演。こういう室内楽をする大フィルもいい感じ。


この後二人のヴァイオリニストたちがアンコールに応えて演奏したのが、モーツァルトのオペラ「魔笛」から、夜の女王のアリア。
コロラトゥーラ・ソプラノが高音の連続で歌う見せ場の音楽をヴァイオリンで聴かせてくれるんだなと思ってたら、何と、そのソプラノの最高音域の部分に来ると、弾いていたヴァイオリをやめて、
 
佐久間クンが歌いだした!!!
 幸太クンの伴奏で。
はにかみ屋で口下手の彼がこんな大胆なことをするとは!
会場は割れんばかりの大喝采。
おそれいりました・・・

後半はグッと趣が変って、北欧の作曲家グリークの「ホルベルク組曲」。
シベリウスの“カレリア組曲”の行進曲を想い起こさせる、弦楽合奏の大変美しい曲で、これが聴けただけでも来た甲斐があるというもの。
一度聴いたら忘れられなくなるようなメロディーとリズムは、音楽の楽しみを感じさせてくれること間違いなし。


アンコールは、シュトラウスの「ピッツィカート・ポルカ」とモーツァルトのモテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。
シュトラウスは、聴衆はもちろん奏者達も実に楽しそうで、音楽ってこういう時を共有できるのが一番!
モーツァルトのこの曲について大植英次は、「もし私が死んだらこの曲を演奏してほしいと思うくらい大好きな音楽です」とコメント。
朝比奈隆がベートーヴェンの交響曲第7番の第2楽章について話していたことを思い出していました・・・・


   
 第39好演−ルロイ・アンダーソン特集

 セミ・クラシックと言ったほうがわかりやすいかもしれない。
誰もが知っている曲、「シンコペイテッド・クロック」「タイプライター」「ブルー・タンゴ」「トランペット吹きの休日」「そり滑り」などを気軽に聴くコンサート。
大阪クラシックは意外と本格的な音楽が多くて、リラックスして楽しめるコンサートが少ないのです。
もっとこんなイベントを増やしてみたらどうでしょう? 路上でやっても面白いですよ・・・

トランペットの秋月さん、パーカッションの堀内さん、そして弦の4人が演奏。
これは言葉の説明の全く要らない公演で、ただただニコニコ聴いてました。
面白かったのは奏者みんながタンバリンを持って、「タンバリンのファンファーレ」という音楽を、奏者も一緒に楽しんだ(?)こと。


 第46公演−サクソフォン四重奏

 オーケストラ・コンサートではなじみの浅い楽器サクソフォン。
そのサクソフォンだけの四重奏って、いったいどんな音?
ちょっと覘いてみよう”という軽い気持ちで出かけました。
ヘンデルの華やかな音楽、コンチネンタル・タンゴを思わせる楽しい曲、サクソフォンのために書かれたという四重奏曲というバラエティーに富んだ選曲。
聴きなれたタンゴのリズムは、聴いてるこちらのほうが踊りだしたくなるような楽しい音楽でしたが、デザンクロという人の作った四重奏曲は、立ったままリラックスして聴けるような音楽ではなかった。玄人好みなんでしょうね。
 アンコールに演奏した「チャイニーズ・ラブ」は、シュトラウスの「アンネン・ポルカ」を思わせるような万人好みの音楽で、これは楽しかった。


 第48公演−シンフォニーホールでのフル・オーケストラ公演

大阪クラシックの期間中、唯一の本格的なホールでのオーケストラ・コンサート。
今年は、レスピーギ(Respighi)の代表作、交響詩「ローマの松」をメインにした演奏会で、予想通り華やかで豪華絢爛の音の絵巻を堪能しました。
フル編成のオーケストラ、2階客席の左右に陣取ったバンダ、そして銅鑼をはじめとする打楽器群、さらにパイプオルガンの壮麗な響きなど、凄い迫力で素晴らしい演奏でした

でもそれよりもっと意義深かったのは、前半のベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第4番。
ベートーヴェン中期の円熟期の作品で、「運命」や「田園」などとほぼ同じ頃の作品で、いきなり独奏ピアノが静かに引き始めて、オーケストラはその後に続くという独創的な協奏曲で、有名な第5番の「皇帝」よりも聴き応えのある名曲。
河村尚子というピアニストもよかったけど、大植英次の独創的なアイデアで、この曲の楽しさを再認識させてもらいました。というか、なるほどこの曲はこういう音楽だったのか・・・・と気づいたことがあります。
第2楽章なんですが、この楽章はオーケストラ(特に弦楽器群)とピアノが対話をしながら物語が進んでいくような音楽になってることにいまさらながら気づいたのです。
オーケストラが呻くような旋律をまず出してき、それに対抗するようにピアノが優しいメロディーで応えるのですが、大植英次はピアノのソロにチェロの独奏を絡めてピアノと独奏チェロがささやくように対話するのです。
弦が苦悩に打ちひしがれたように呻くとピアノがそっと優しく慰める・・・・そんなやりとりが聴き取れるのです。
これにはびっくり仰天!
でも響きに違和感はなく、むしろ非常に音楽的でさえあるのです。
このやり取りを聴いた後で終楽章の晴れやかな音楽を聴くと、作曲家の心のうちが少し垣間見れたように感じました。

そういえば今年の大阪国際フェスティバルでモーツァルトの交響曲「リンツ」を演奏した時も、当然弦全員で演奏するところをそれぞれトップ奏者だけに弾かせ、弦楽四重奏のように演奏していたっけ・・・
響きが非常に鮮明になり音の絡みが良くわかって効果的だったし、今回のチェロの使い方も、やりすぎるとベートーヴェンの音楽を変えてしまうことになりかねないけど、結果的には非常に新鮮な驚きを残してくれました。この楽章の対立構造と言うか、対話している様子がより鮮明に分かったような気がして、次の第三楽章との対比がより理解できるようになりました。
こんな素敵な贈り物が用意されてたなんて・・・・・!
大植英次の心憎い演出にしてやられました!

大植さん、こういうベートーヴェンをもっと積み重ねてください。
そして自分の解釈に自身が持てるようになればまた、ベートーヴェン・チクルスにチャレンジしてください。
その日までゆっくり待ってます。

 第56公演−ベートーヴェン作曲弦楽四重奏曲「セリオーソ」

 大阪弁護士会館1階のエントランス部分での演奏会。
この会場、タテに細長い場所でお世辞にも大勢で音楽を楽しめる場所ではない。
でもこの公演は、またもや佐久間聡一クンが弦楽四重奏をやる、それもなんとベートーヴェンの第11番「セリオーソ」というのだから、これは聞き逃せない。
早めに会場について前の方の席を確保。
しばらくするとメンバーが集まってきてリハーサル。これはラッキー!
どの程度時間をかけて練習してきたのかわからないけれど、同じオーケストラのメンバー(ベートーヴェンでヴィオラの方が交代されたが)とはいえ、このアンサンブルで演奏することは普段はないと思います。練習を見る(聴く)ことが出来るのは大変興味深くて、メンバー個々の個性が良くわかります。
今回のメンバーの中では、チェロの金子鈴太郎さんがリードしていて、その竹を割ったような性格が全体を一つの方向に引っ張っていく様子が大変面白かった。
メンバーの一人に客席での響きをチェックしてもらったり、会場の照明を変更してみたりと大忙し。音楽の流れを作ってるのも彼のようでした。
とにかく楽しい雰囲気のリハーサル、本番の演奏と同じくらい楽しませてもらいました。

さて本番の演奏のメインは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」。
若いヴァイオリニストの佐久間クンが、この曲を選曲したということに驚きました。こういう演奏会でベートーヴェンを演奏するのなら、初期の6曲から選ぶのが妥当なところを、中期最後の作品で、内容的にも非常に難しい作品を良く選んだなと感心しました。
逆に言えば、ホントにこの曲がしっかり演奏できるの?という疑問をもってました。
でも、彼のこういった挑戦は大変嬉しくて、どんな演奏を聞かせてくれるのか大いに楽しみにして出かけました。
結果は、<ブラボー!
ベートーヴェンの確固とした意志の強さも感じ取れるし、大きく揺れ動く心のうちも表現していた。いろんな思いを凝縮したような趣のあるこの曲を、わかりやすく、かといって音譜をなぞってるだけの演奏ではない、若者たちのベートーヴェンが聴けたように思います。
3楽章スケルツォが終わったところで盛大な拍手が起こり、この曲が終わったような錯覚を持った方がたくさんおられ、終楽章がちょっと変な間をおかざるを得なかった。
ヴィオラが急遽変更されたようだが、違和感は全くなくいい演奏だった。

ベートーヴェンの、決して易しいとは思えないこの曲や、初日のスメタナの弦楽四重奏曲に果敢に挑戦している佐久間聡一クンに惜しみない拍手を送りたい




いよいよ最終日。
本日の最初の仕事は、最終公演の入場整理券をゲットする為に市役所前に並ぶこと!
初日のケースから判断すると、整理券配布(10:00)の1時間前迄に並ばないと座席を確保できないだろうと思ってましたので、8:45到着を目指して家を出てきました。
案の定市役所前にはすでにたくさんの人が座り込んでる状態で、雨がしとしと降る中、10:00までじっと立ちン坊。
中には、グループの何人かが場所取りしていて、遅れてきた残りのメンバーをそこへ入れる・入れないで係員ともめてたり、周りの人からヒンシュクを買いながらも図太く割り込むオバサンたちもいて大変でした。
でも何とか300番台の整理券をゲット!(550番までは座席アリ、そこから後は立ち見) 
10時近くに来た人は立見席もなくなり、入場できませんと断られてたようです。




第58公演−モーツァルト作曲弦楽五重奏曲第2番

この日の最初の公演は、市役所から歩いて5分程度の弁護士会館。
昨日の弦楽四重奏の会場と同じで、整理券を手にしてすぐに向かいました。
会場はすでに大勢の聴衆が詰め掛けており、後のベンチの片隅にかろうじて座れましたが、ステージから遠くてほとんど見えません。
でも時間が早かったので今日もリハーサルを見ることが出来てラッキー!
女性5人の弦楽器奏者たち、昨日の金子・佐久間という男性主導型ではなく和気藹々とした雰囲気が心地好い。
昨年同じメンバーで同じモーツァルトの第1番を採り上げていて、シリーズになっていく気配が濃厚です。昨年は第1ヴァイオリンが浅いさんだったのが今年は中西さんと交替。
ヴィオラも今年は西内さんが第1で吉田さんが第2(昨年と逆)。
演奏中、晴れてきて強い日差しが差し込み、奏者たちは色々大変だったみたい。
昨日の個々での四重奏のときは、楽譜を見るための照明がないため、取材中の朝日放送のスタッフに照明器具を急遽用意してもらうという苦労を見てきたばかりなので、設備の整ってない場所で演奏しなければならない団員たちの苦労が改めてよくわかりました。

席を立ってもはっきり見えない位置なので、ずっと人の後で座って聴き通しました。
ベートーヴェンのように襟を正して聴くこともなく、豊かな弦の響きに身を委ねました。




 このあとしばらく<大阪クラシック>を離れ、もどってきたのは18:00ころ。
市役所のホールを覘いてみると、フルートの野津さんの確「七つの子」が聞こえていた。
ジョリベの「5つの呪文」をホール横のソファで聴いた後、最終公演の会場へ。





 第65公演−最終公演、ムソルグスキー作曲「展覧会の絵」
朝早めに出てきて1時間以上並んだ甲斐あって、会場中央の座席が確保できた。トップの人は寝袋持参で5:00には並んでいたとか・・・・
プログラムは2曲、まず1曲目はコープランド作曲「リンカーンの肖像」。
南北戦争後、第16代大統領に就任したリンカーンの就任演説を朗読テキストに採り入れたオーケストラ曲で、中には「草競馬」のメロディーも出てくる。
音楽自体は親しみやすくて、<人民の、人民による、人民のための・・・>と言う言葉で締めくくられるテキストもわかりやすい。
今回はそのテキストを、平松市長が朗読した。
元毎日放送のアナウンサーだから、朗読はお手の物。
そのテキストの内容も、大阪市長という政治的な立場からすれば共感することも多いのかもしれなくて、結構入れ込んでるなという印象を受けました。
アメリカに長く居た大植英次のアメリカ音楽は楽しさ満点。
マイクを通しての声がやや聞き辛かったのが唯一の難点だったかな?

そしてメイン・プログラムの「展覧会の絵」。
先日のシンフォニーホールでの「ローマの松」と同じく、オーケストラ・ピースとしては演奏効果抜群の曲で、こういう演奏会の最後を飾るのにふさわしいもの。
ゆっくりとオーケストラを鳴らしきって、堂々と締めくくった大フィルに拍手
前の曲でもそうだったが、銀行のロビーとして使っていた会場は音響的には甚だよろしくなかった。大植英次も音を短くスパッと切り、音の消えるのを待って次に進むなど気を使っていたようですが、演奏するには少々辛いだろうと思います。
でもこういうお祭の最後は、ただただ盛り上がればいいのです。


  演奏が終わった後の大植英次のスピーチも感極まってつまり気味。

      
アンコールは、恒例の小学唱歌の合唱と八木節(外山雄三作曲「ラプソディ」)


  何はともあれ一週間の<大阪クラシック>やっと終わりました。


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