133.  硬貨ばかりの預金預け入れが有料だって?

硬貨で預金預け入れが有料
銀行のビジネス対象が規制緩和の流れを受け、多様化してきているという。それはそれで結構なことだと思う。ATM利用などのサービスも確かの向上してきたと思う。
しかし最近大変疑問なことを体験した。

多くの家庭で、1円玉や5円、10円などの硬貨を貯金箱やビンなどにつめて保管し、それが一定程度貯まったら銀行などに持ち込み、それを貯金したり、換金したりしている家庭も多いと思う。
私自身も買い物時の10円未満の釣銭硬貨を財布に入れておくのはかさばるので、それを金属製の貯金箱に「貯金」していた。それがほぼ満杯近くになってきたので、会社に出入りしている某銀行マンに世間話のついでに「近々それを銀行に持ち込んでとりあえずは預金にしたい」と話した。そうしたらその銀行マン氏、申し訳なさそうに「多くのばら銭硬貨を銀行に持ち込んでそれを勘定する場合は料金をいただくことになっています」という。
私は思わず、「え〜っ、どうして? お金を勘定するだけでなく、それをあなたの銀行の普通預金に入金するのでも手数料がいるの? 以前はそんなのなかったんじゃない?」

それが有料の理由について銀行マン氏の説明はよく説明できなかった。ただ「ほとんどの銀行で有料です」ということだった。

手数料有料無料のモノサシは何か?
多量の硬貨を持ち込んでそれを両替してほしいという場合はある程度有料であることは理解できる。
しかし、何百万円もの硬貨ならいざ知らず、たかだか一般家庭が持ち込む5千円〜1万円ぐらいの硬貨を、しかも預金するといっているのになぜそれが有料なのかは理解できない。硬貨計数機で勘定すればあっという間に勘定できる範囲の量であるのにと思った。

銀行の基盤はもともと企業や少数の大口預金家による預金がベースである。数多い小額預金者の預金などは、厳密なコスト計算をすればおそらく赤字ではないかと思う。それでも銀行が多くの預金者を集めているのは、それが自らの信用力や社会的影響力を高めるためにプラスとなっているからであろう。
それならば、多くの家庭にある硬貨「預金」を銀行に持ち込んで自分の口座に預金するのに有料化するということはけして納得の出来ない措置である。

子供、年寄りなどがこつこつ貯めた、いわば「ちりも積もれば山となる」レベルの預金預け入れで、しかも硬貨計数機を使えばあっという間に数えられるようなものがどうして手数料を取られるのか?
有料無料のモノサシは何か? このあたり、銀行の目線は顧客視点からずれてはいないか? 一度銀行に尋ねてみたい。