109 店舗閉鎖の“うわさ”
●店舗閉鎖の“うわさ”話
顧客のうわさはいつもにぎやかであり、また怖いものである。
顧客のうわさは小売業の店や商品、時には従業員にまで及ぶ。
私の住む市の私の元いた会社の店舗が閉鎖されるらしいといううわさを女房が聞きつけてきた。これは同じ会社の超大型店店が同じ市内にあり、こちらのほうは業績はいいのだが、うわさの店舗は立地も駅前型で、かっての繁栄からすると業績の低迷は誰の目にも明らかであるからである。
そしてこのようなうわさ話は初めてではなく、過去に何度も上がったうわさでもあった。私の在職時代は妻にそんなことはありえないと皆さんに言っておけといって打ち消しに一役動いたものだった。私は本部勤務で、もし店舗閉鎖の話でもあればその情報を知りうる立場でもあったので、閉鎖などはありえないことが分かっていたからである。
今回は私が退職後のことであるので真相は分からないが、またかと思った。
●顧客側の見方
他方顧客(一般人)の立場からすると、こういううわさが出るそれなりの理由がある。その理由とは次のようなものであろう。
これにうわさ話の尾ひれがつけばたちまち一人歩きの大きなうわさ話となる。
- 不振店舗に対して、企業が改装や商品構成変更などのてこ入れをあまり施さないで長期間放置する。
- 店舗従業員に覇気がなく、サービスももうひとつで何もかもが悪く見える。
- さらに最近新しい競合店が出来て、いっそう客足が減ったように顧客には見える。
●うわさ話の責任は企業にある
もちろん企業には企業なりに社内事情がある。店舗対策といっても優先順位があり、悩ましい問題でもある。
ただ言えること。
不振店舗といえどもその店をよく利用している顧客がおり、この人たちは企業や従業員をよく見ている。こういう人たちは、けしてうわさをはしゃぎたてる側ではない。うわさが本当だったら困る人が多いからだ。
しかしこの人たちは、企業が何も答えを出さないまま、ずるずると不振店を放置し、愛想の悪い従業員に何の手も打たなければ、根底にあるロイヤリテイーは薄らいでいく。
店のうわさ話の責任は、やはり企業側にある。