95.OB会と顧客視点
元いた会社のOB会発起人会に出席した。
久しぶりにお会いする懐かしい方々とも談笑でき、それはそれで個人的にはよい時間をすごせたと思う。
発起人会の目的は、会則案を審議することが最大の懸案であった。会則案審議では非常に活発にいろいろの意見が出た。また審議後の懇親会の席でもその延長戦もあり、私にもいろいろ意見を求められて自分なりの意見を申し上げた。
●OB会は元幹部社員のサロンか?
ひとつ面白い?現象に気がついた。
発起人会出席メンバーの構成である。
発起人会はその準備委員の人が中心になって約60人ほどを人選し、当日出席者は約50名であった。そのうちのおよそ90%は、元役員、部課長、店長経験者である。なぜこうした人たちを選んだかについての説明があった。影響力の大きさや現在の活躍状況などでそうしたということであった。
これはある程度仕方がないことであるが、どうしても出席者は在職時代の管理職者の目線になりがちだ。
果たせるかな、OB会会員範囲などをめぐって色々な意見が出た。
OB会会員資格を正社員で長期間在籍を暗黙の前提に意見を述べる方、自分は親会社子会社期間を通算しないと会則案の在籍期間資格を得られないと主張する方、そういう方には特別会員制度が原案にあるので救済できるではないかと述べる方などがいた。
こうした意見を述べる方は、OB会が事実上元幹部社員のサロン化していくことを止むを得ない、もしくは深くは考えていないとしか思えないところがある。問題の核心はOB会をどのようなものとみているか、またはどのようなものにしたいかである。
●OB会は開かれたものにすることが顧客視点でもある
こんななか、元役員であった某氏が「子会社の社員を除外することは問題がある」旨の発言をされ、私も「子会社監査の経験から言うと子会社社員は親会社に対して言うに言われないコンプレックスのある人が多い。広く道を開く方がいい」とフォローした。また私は「パート社員にも広く会員の道を開き、開かれた会にすべき」という意見を述べた。
私はOB会が元の職位に関わらず素直に過去の健闘をたたえあい、今後の交流と活躍を祈りあい、時には助けあい、出来ればその勢いで元いた会社の応援まで出来ると良いなというのが私のスタンスである。
議論はまとまらないまま、準備委員会が次回の会合までに再度案を練り直すことになった。
私がなぜこれほどにOB会を開かれたものにせよとこだわるのはもうひとつ理由がある。それは流通業にいた社員の退職者はその大半が今はその企業の顧客だからである(特に人数の多いパート社員にはそれが言える)。そしてその人たちが何よりも自分のいた会社を支持応援してもらいたいからである。そのためにOB会は門戸を広く低く構え、できるだけ多くに人に気軽に入会してもらってその活動の実を上げることが望ましい。当然パート社員や子会社従業員の方にはお願いしてでも入会していただいて交流の範囲を広げることが求められる。
流通業のOB会作りは、顧客作り対策を兼ねてもいるということ、またいやでもそういう側面がついてくることを見逃してはならない。
その意味で私は気がつかなかったが、OB会入会のための会社在籍期間制限はなくてもよいし、あったとしてもせいぜい3年くらいの短い期間でよいという意見を懇親会で聞いた。その通りだと思った。
ポイント: OB会はOB会員のためだが、もうひとつは顧客視点で考えなければならない。元幹部中心ののサロンではいけない。