81.商品苦情申し立て体験記

苦情発生!
「苦情博覧会」サイトに刺激されてでもないが、ごく最近商品クレームを申し立てするケースが発生した。

3ヶ月くらい前に自動車のウィンドウウオッシャー液を購入し、使用していた。その液は、雨はじきがよいといううたい文句で、業界では某有名メーカーの製品であった。確かにうたい文句だけあってその効能は発揮されていた。しかし困ったことがおきた。ワイパーの拭きしろ外に流れた液の跡が乾燥後シミのようになって何で清掃しても取れないのである。ガラスクリーナーなどではまったく歯が立たないのだ。そこでクレームがてら対策を尋ねようとしたのである。以下は今回の奮闘記である。

苦情経過
@商品の説明書きについて
まず商品のラベルにどう説明してあるかをきちんと読んでみた。しかしどこにもデメリット表示や説明がない。当然、私のようなことが起きた場合の対策説明も書かれていない。これではまったくだめである。不合格

A苦情意見窓口案内について
シミ跡除去対策質問をかねて苦情意見を述べようとその会社の窓口を調べようとした。
  • 商品自体に顧客相談窓口案内があるかと思い、よくみたがその説明がまったくない。不合格
    これについては、購入した商品は平成13年にモデルチェンジした古い商品であり、当時顧客相談窓口表示ができていなかったが今はすべて表示しているとの返事。
  • 次にこの会社のホームページを覗いた。しかしここでも顧客窓口の表示はまったくない。製造業HPでも消費者が訪れるという前提に立ったHPになっていない。
    かろうじて商品案内のところに「メール」とだけ書かれたボタンがあり、これがその商品の「事業部」につながりそうであったのでここへメールを出すことにした。これも不合格
    ホームページの不親切さは改善するとの返事があった。
Bメールでの対応
メール内容は、商品のデメリット説明のないこと、どうしたらシミ跡が取れるかの質問の2点を申し述べたものを送付した。
翌日このメーカーの当該商品担当事業部マーケテイング部の方が名前を名乗り、返事メールをよこしてくれた。
  • 返事メールは24時間以内に発信されていた。一応合格
    但しアメリカなどでは6時間以内に返事するというのが優れた企業の条件になりつつあり、特に早いというわけではない。
  • 返事内容は一応丁重で、商品貼り付け説明の不備を認め、製造部門と協議して改善するという答えとともに、ウオッシャー液シミ跡を除去する商品を送らせてもらいたいので住所と電話番号を問う内容であった。一応これも合格だが満点ではない
私はシミ跡除去商品を送ってもらう住所の返事がてら、併せて@Aについての体制不備を改善されることを期待する旨のメールを差し出した。翌日再度返事が来て指摘の謝礼とともにシミ除去商品を発送した旨のメールがあった。
翌日宅急便でシミ除去商品とともに他の商品3点が同梱され、手紙とともに送られてきた。それはそれで担当者の誠意は感じられたが、全体としては物足りなさを感じた。

組織だった体制が絶対必要条件
全体としてこの企業の苦情意見承り体制は不合格というほかない。@Aなどの基本的なことができていないのは社内ルールの整備など組織だった体制がまだ不十分な状態であることの証左だ。
加えて、担当者のメールでの応対は特に非はないが、この客を自社商品のフアンに変えてやろうという気迫が感じられなかった。「苦情はきちんと“処理”する」という域を出ていない。会社の取り組み姿勢と社内教育の不足を感じた。

ホームページの決算関係情報を見るとこの会社はバブルの後遺症から会社再建の真っ最中で、ようやく昨年度決算で先が見えたという状況のようだ。直近の決算短信には、「徹底した顧客第一主義により各マ−ケットでの信頼を確立し、お客様とのパ−トナ−シップを構築することによって発展性のある取引関係を目指します」とあるが、能書きには程遠く顧客ポリシーがあまり感じられない。


ポイント: 苦情申し入れると確かにその会社の顧客対応力がよく分かる。