55.★お気楽問題: 量販店と顧客との“距離”

量販店での顧客とのコミュニケーション
CRM(Customer Relationship Management)、つまり顧客との関係作りが全産業のテーマになっているが、それは別にして、量販店で顧客と店舗がコミュニケーションをとっている場面と言うのはどれくらいあるだろうか?
顧客と小売業双方がとるコミュニケーションシーン:
  1. レジでの清算場面。
  2. ファッション部門などでの接客シーン。
  3. 苦情を申し立てた場面。
  4. 店内の「お客様ご意見」に投書した後の店側の「回答」のやりとり。
  5. 店が主催する顧客モニタ会議でのやりとり。
これらの場面では顧客はいやでもその店の人間的な「匂い」を感じる。
これ以外に一方通行的なものでも店側の人間的な「匂い」を感じる場面はどのようなものがあるだろうか?
  1. 店内で店員さんとすれ違うときの店員さんから受ける会釈や掛け声。
  2. 売場での「呼び込み」の掛け声。
量販店=セルフの売場、ということでか顧客との対話やその「店らしさ」を感じる場面は意外と少ない。

ちょっとした提案
昨今では、トラック、郵便局の配達バイクなどでさへそれを運転する人の氏名を車体に掲げている。「この車は私が運転しており、何かあれば私が責任を持ちます」と言う趣旨で名前を名乗って公開しているのだと理解している。少しほっとする気がする。

量販店で店長や各売場の責任者名や顔写真を公表している例はあまり聞かない。私は、次のようなものを店頭に掲げてはどうかとかねがね思っているのだがどうだろうか?
  • 会社のお客様に対する宣言文
  • 店長や売場責任者の写真、氏名、ちょっとしたコメント分の掲示
  • 店のお客様に対するコミュニケーションボードまたはニュースボード
お客様からすると、その店の店長や売場の方の顔が見え、コメント文から人柄を想像し、ニュースボードからメッセージやニュースを受け取る。それらを通じて店で働く人やその会社の「匂い」を感じる

もちろんこれだけで十分というわけではないが、この程度ならすぐにでも出来るし、人事異動があれば、「お世話になりました」、「新任店長の○○です。どうぞよろしくお願いします」などとメッセージにすればいい。
セルフの売場で、CRMとか難しいことを言わなくともお客様との距離感を詰める工夫はいくらでも方法があると思う。


ポイント: 小売業でももっと人の匂いやぬくもりを顧客に伝える工夫をすれば、顧客も親近感を覚えてくれるのでは? これにより顧客から得られる情報ももっと出てくるのではないか。