49.「引きこもり症」の報道から

暗い話題だが、もうひとつ心の病の問題に付き合っていただこう。

引きこもり症、3つのキーワード

テレビで「引きこもり症」の実態と社会の反応について報道している番組を見た。子供のときからなる方も、大人になってからなる方もおられるようである。
このような方を支援しているNPOの方の発言として、
  1. 豊かさ
  2. 出口の見えない状況
  3. 競争社会
この3つが「引きこもり症」のキーワードだという。こうしたことが背景に人の集団から弾き飛ばされ、家族以外の人の中にいることが息苦しくなり、外出をしなくなるというのだ。

私は人からどう見えるか?
この報道を見たとき、自分を振り返ってみると、ふと次のように思った。
  • 自分は曲がりなりにも小学校以来成績も学歴も人並みよりやや上で、企業に入ってからも仕事のチャンスにめぐまれ、長く管理職についてきた。
  • そして家庭的にも欲を言えばきりがないが、ま〜ま〜大きな不足感もなくここまでの人生をすごして来れた。
  • 「引きこもり症」の人ではなくとも、社内の私の職位から遠い人から見れば私はどのように見えるのだろうか?
  • 私が、仕事やいろいろの場面で私がいかにももっともらしい発言やものを書いて人に示すとき、そういう人たちからは「あなたはエリートだからな〜」と覚めて見られているのではないだろうか?
もし多くの人にそう思われているとしたら、私に人を動かすだけの力や魅力がないということである。

自分が引きこもり症の病原菌にならないために
部下を「管理統制する」という発想が強い人は、「弱い?」人から見れば、本当の力のない人、管理能力のない人ということなのだと思う。また「弱い」人にはその人なりの理屈と人生がある。これを「理解」(同調ではないが)することの重要性もまた大いに必要である。こういうことがおろそかになり勝ちな自分をよく自覚しなければならないと思う。
私自身が「引きこもり症」や「うつ病」の「病原菌」であってはならない。こんな感想を持ってしまった。



ポイント: 前の「うつ病」、今回の「引きこもり症」と暗い話題が続いたが、本人の問題もあろうが、同じくらい企業管理者のマネジメント能力、企業風土が関わっている。