27.流通業の大量定年退職時代を迎えて
●大量定年退職時代間近
流通業の多くは1970年代に高度成長を遂げ、その年代に多くの社員を採用してきた。そしてその多くの人がこれから毎年定年を迎える。
すでにリストラや定年退職にかかっている人も多いことであろう。
特に団塊の世代の社員は、企業戦士として企業成長を支えてきた。そして2007年には団塊の世代の人が60歳を迎えるピークとなる。 これらの人を流通業はどのような思いで定年退職させるのであろうか?
多くの企業では役職定年制を敷いている企業も多いと思われる。 長と名のつく地位にいた人がすでにその地位にいない人も多いであろう。 もちろん、長と名がつく地位にいたからといってそれに甘えていられる時代でないことは大方の人が理解をしている。
●定年退職時の所属企業評価
定年退職する人の感想は次の二つのベクトルのあいだにある。
<肯定的評価><否定的評価>
- 多少いろいろなことはあったけれども、この会社にいてよかったと思う。
- 今後もこの会社を応援したい。 自分の子供も本人が望み、会社が受け入れるなら入社させたい。
私自身は、どちらかといえば肯定的評価グループに入る。
- あまりいいことはなかった。 出来ることならこの会社で定年は迎えたくはなかった。
- 定年後はこの会社には足を運びたくはないし、人にも勧めない。
社員にもいろいろな人がいるからすべての人から会社がいい評価を受けることは困難である。 しかし、それでもどれだけの退職社員が肯定的評価をするかはその企業の評価項目のひとつになりうる。
●定年退職社員を強力なサポーターに!
退職した社員は、ほとんどの場合その企業の商圏内に居住する消費者であろうから、その方たちを「サポーター」に仕上げるくらいの積極的対策が必要であることは言うまでもない。
多くの流通業ではこのことをどう考え、どういう施策を行っているかは私も知らない。 しかしせめてきちっとしたOB会は必要ではないかと思う。それはその企業が社員を大事にしていることのささやかな証明のひとつでもあるからだ。
ポイント: 定年退職者を自社の強力サポーターに!