26.接客優秀社員表彰

顧客の満足やロイヤリテーは社員の満足度の高さからも生まれると信じられている。 私もそう考えている。

社員のモラル向上のために企業はいろいろな手を打ってはいる。
大きな流通業では、売り場の社員で接客が優れている人を表彰する制度がある企業が多いのではないか?

●誰が選ぶか?
そういう場合、誰がどういう基準で選ぶかが非常に難しい。 多くの場合、店長とかそういった人が推薦または選定するケースも多いと思われる。 ところがこの制度がうまく機能するかというと必ずしもそうではない。
  • 接客能力の高い人はおおむね固定的であり、結果的にいつも同じ人が選ばれる可能性が高い。
  • そこから発生する「やっかみ」などから売り場に不和が発生したりする。
  • 管理者がそれを避けようとして、前回はAさんを表彰したから今回はBさんを表彰する、といったたらい回しのケースまで出てくる。
  • いつの間にかこの制度が社員の間で権威のないものになったり、廃止されたりする。
本来接客優秀な人を称え、みんなで祝福してほかの人にも刺激を与えようとする意図で作られた制度であるのに、権威がなくなったり、最悪廃止されてしまうのはなぜか? それは社員が社内の人の評価で表彰されるという、いわば人事評価の延長であるからではないだろうか?

●提案:顧客に選んでもらう
こういう提案をしてみたい。 そのお店の上位顧客にアンケートを送り、そのお客様に優秀と思われる社員の推薦投票をしてもらうということだ。
  • 答えはお客様が出す。
  • 推薦する顧客はその店の上位顧客であり、来店頻度も高く、社員をよく知っており、どの社員はすばらしく、どの社員はまずいかを理解している。
  • 顧客のつけた採点には文句はつけられない。
  • 接客のすばらしい社員はおおむね固定されており、毎年同じ社員が表彰されるかもしれない。
  • 3年連続して表彰を受けた社員は、胸に金バッジをつけて仕事をしてもらってもいい。
  • そしてその社員は4年目からは表彰枠外社員としてもいい。
  • そうすれば、4年目は違う社員が選ばれるはずだ。
  • もちろん表彰を受けた社員は何らかの「ご褒美」が伴うことはいうまでもない。
接客優秀な社員は会社が作るだけでなく、上位の顧客がほめることによって顧客がいい社員を作ってくれる、そういう状態にしたいものだがどうだろうか?



ポイント: 仕事の評価は顧客または顧客部署に行ってもらう。接客優秀社員も同じではないか。